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『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』 [仕事の小ネタ]

これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)

これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)

  • 作者: 永井 孝尚
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ「あれ」は売れるのに「これ」は売れないのか。マーケティングは、勉強したいと思いつつ、つい後回しになりがちです。そこで本書は、身近な事例でマーケティングが学べる、8つの物語を収録しました。モノを売る仕事をする人にとって、マーケティングの知識は必須です。この1冊から、マーケティングに親しめば、きっと明日からあなたの売り方が変わるはずです。

先月、『売れないものを売る方法?そんなものがほんとにあるなら教えてください』という、クソ長ったらしいタイトルのソフトバンク新書から出ている本をご紹介したのだが、それをアマゾンで購入する際、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というので、同じソフトバンク新書で、装丁も良く似ていて、しかもタイトルが同じくクソ長いマーケティングの本が出ているのに気付いた。なんとなく気になっていたのだが、一時帰国中に10冊ほど本をブックオフに持ち込んで買い取ってもらった小金で、ついつい本書も買ってしまった。本書の最終章では、まさにこのブックオフの競争戦略が紹介されているが、まさにそのマーケティング戦略に引っかかった自分がいる。

元々中古で買った本だが、買って良かったと思う。理解しやすくてコスパは相当に高い。各章とも腑に落ちる記述が多くあったが、その中でも最も自分の問題意識にフィットした2点のみ今回はご紹介する。

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これからの5年間(タシヤンツェ) [ブータン]

タシヤンツェ、次期計画で4000人以上の観光客を誘致
Yangtse targets more than 4,000 tourists in 12th Plan
Kuensel、2018年1月23日、Younten Tshedup 記者
http://www.kuenselonline.com/yangtse-targets-more-than-4000-tourists-in-12th-plan/

2018-1-23 Choeten Kora.jpg
《チョルテン・コラ》

【ポイント】
タシヤンツェ県は、1992年にタシガン県より分離、コロンチュ川の渓谷沿いに開け、チョルテン・コラという、ボダナート型の大型チョルテンが有名。「縁起の良い富の要塞」という意味で、県内に幾つかの巡礼地が分散している。県内には、絶滅危惧種オグロヅルの避寒飛来地の1つであるブンデリン野生動物保護区を含む幾つかの自然保護区がある。

こうした豊かな観光資源にも関わらず、2016年に同県を訪れ、宿泊した観光客数は、1000人にも満たない。隣りのタシガン県の4300人とは対照的な数字である。従って、第12次五カ年計画でも、タシヤンツェ県の最優先課題の1つが観光誘致とされている。同県計画官によれば、劣悪な宿泊施設や道路アクセス、空路での移動手段がないこと等が、来訪者が少ない理由だという。

従って、宿泊施設に関して、県庁ではハウスキーピングや食事に関する研修を、ホームステイサービス提供者やホテル関係者に対して行う予定。「観光客向けのスタンダードなホテルがないことが、来訪者が少ない理由です。」加えて、同県では、ベイリン・セントラルスクールの向かいに三ツ星ホテルの建設を開始したところである。

また、国立公園サービス局と共同で、ブンデリン野生動物保護区を生物多様性ホットスポットとして整備し、地元コミュニティを巻き込んでエコロッジやホームステイプログラムの促進を図るという。ブンデリンには現在、ホームステイサービス提供者が2軒あるのみ。(その他観光誘致策や省略)

第12次五カ年計画期間中、訪問・宿泊客数を4100人に増やすことが目標。その他に、同計画では、県内の小規模零細産業を拡大して地域経済の開発を図ることも目指すという。また、国内でも最多の空き家家屋(Gungtongs)740軒を有する同県では、空き家対策も大きな課題。空き家が増加する最大の理由は、家族全員の退去や教育目的が中心で、新たな起業や就業機会を求めて他所へ転出する世帯もある。

このため、農家向け商業金融アクセスの改善を通じた商業作物生産の振興を進めたいという。そのためには、灌漑システムの整備や電気柵の供与等も進められる。また、「ブランド・ブータン」イニシアチブと既存産品の付加価値向上を通じた地元産品の振興を図りたいとの由。

こうした目標に対し、同県は約11億9852万ニュルタムを5年間で投入する予定。これは、第11次五カ年計画での5億6383万ニュルタムよりほぼ倍増。

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『地域の力を引き出す企業』 [仕事の小ネタ]

地域の力を引き出す企業: グローバル・ニッチトップ企業が示す未来 (ちくま新書 1268)

地域の力を引き出す企業: グローバル・ニッチトップ企業が示す未来 (ちくま新書 1268)

  • 作者: 細谷 祐二
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/07/05
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
日本各地で今、「小さな世界企業」が宝石のきらめきを放っている。ニッチな分野で世界のトップに立つ「グローバル・ニッチトップ(GNT)」企業である。GNT企業を全国に訪ね、調査してきた著者が、地域に存在するすぐれた中小企業の実態を紹介すると共に、後に続く企業を国や自治体が政策的に支援する方法を、様々に考察する。真の地域の内発的発展を促すためには、安易に補助金を配るだけでは十分でない。ドイツなどの成功例に学び、地域における知恵を育むための地域経済活性化策を提唱する。

この本も、昨年9月に日本に帰った時に、なんとなく役に立つのではないかと思って買ってきた。日本の中小企業でブータンにも投資してくれそうなところはないだろうかというのが元々の思いだったが、4カ月寝かせて目下の問題意識に照らし合わせると、どちらかというと地域経済活性化の文脈において示唆を得られた本だった。

考えてみれば、本書で扱っているGNT企業というのは、規模的には中小企業かもしれないが、取扱い製品はエッジが利いていて妥協を許さない高品質で、しかも誰でもが利用できるような市場を狙ったものではない。同じロングテール狙いの多品種少量生産だといっても、ブータンのニーズとはレベルが全く違う。著者は元は経産省の官僚だから、どうしても目がこういう方向に行くのだろうけど、以前も書いた通り、ブータンの地域経済活性化に必要なのは、技術水準の高い企業の地方誘致ではなく、地元の原材料を生かして地元で加工度を上げ、ぼろ儲けとまではいかないけど、農業との片手間で生計維持できるぐらいのほどほどのところでやっていけるコミュニティビジネスだと思う。

それだけに、今の問題意識に立てば、参考になる箇所よりも参考にならなかった箇所の方が多かったのは仕方ない。ただ、ジェイン・ジェイコブズの『都市の経済』を持ち出してくるから地域経済活性化というよりも都市への産業集積について論じたいのかと思ったりもしたし、ロングテールを持ち出してくるからファブラボを利用した地元企業家のスタートアップのことも論じるのかと思ったらそうでなかったりと、既存の学説をつまみ食いして自分の論点に役立ちそうなところを補強しているが、なんていったらいいんだろう、いろいろな森に出向いて中から木を伐ってきて家を建てたけど、どの森の景観ともマッチしない家になっていたという感じだろうか。なんだかとっちらかっちゃった印象で、論点はしっかりしているわりに、読んでいて振り回された感覚が拭えない。読み手を選ぶ本かもしれない。

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保険会社不正金融取引に見る責任の取り方 [ブータン]

RICBL理事会、CEOと専務理事の解任を決定
Decision to relieve CEO and ED binding – RICBL board
Kuensel、2018年1月23日、Rinzin Wangchuk記者
http://www.kuenselonline.com/decision-to-relieve-ceo-and-ed-binding-ricbl-board/

2018-1-22 BBS.jpg
《ノルジンラムでもひときわ目立つこの建物。BBSより》

【ポイント】
12月29日に反腐敗委員会(ACC)から検察庁に提出された報告書で発覚した、王立ブータン保険会社(RICBL)の複数社員と、ヌブリ・キャピタル、モンガルのシュラブ・レルディ高等中等学校との不法な金融取引に関連し、RICBLは1月17日に開催された理事会において、ナムゲ・レンドップCEOとソナム・ドルジ専務理事の解任を決定。理事会決議は翌18日に両者に通達され、CEO、専務ともに事態の道義的責任を取って自主退任を表明。理事会はこれを受理し、これ以上の責任追及を両者に対して行わないこととした。19日付のプレスリリースで明らかに。但し、直接これに関与した社員に対する措置は引き続き調査検討中。

◇◇◇◇

年末からブータンを騒がせているRICBLの不正取引問題。何度かメディアで報じられていたけれども、なんか、こういう決着になったらしい。日本だったら、CEOや専務といったら、事件の糾明や再発防止策の検討に至るまで指揮をとり、その上でご本人が退任されるという形になると思うのだが、RICBLのケースは、先ずトップを切ってしまった。僕らがどう見てもそれじゃこの2人は不正取引に関わっていたのかと勘繰りたくなるが、そこは追及せず、道義的責任を取って自主退任をしたんだからまあいいじゃないかというところで矛を収めるようである。

ああ、こういう形で収拾を図るんだなというのがちょっとわかったような気がした。人口が少ない国だから、誰もが誰もを知っているような中で、徹底的な責任追及はせず、辞任して責任は取ったんだからまあいいじゃないかというので、決定的な対立は招かないところで収めるということなのだろう。これ以降、RICBLで実際に手を染めた社員の処分についての続報はありません。

それにしてもですね~、クエンセルさん。いくら10日間ほど休刊していたからといって、BBSでも1月19日に既に報じていたニュースを、23日付で報じるというのはどうかと思います(笑)。

タグ:腐敗
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「ハチロク」関連雑誌・コミック [趣味]

今日は週末なので、完全に趣味の話でいきたいと思います。

ホリデーオート  2018年2月号 [雑誌]

ホリデーオート 2018年2月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: モーターマガジン社
  • 発売日: 2018/01/10
  • メディア: 雑誌
内容紹介(巻頭特集の見出しのみ)
【生誕35周年記念巻頭特集】『AE86の時代 そしてライバルたち』
◯もう一度、AE86/◯AE86を語ろう/◯4A-GEU 35年目の真実/◯いまでもAE86が好きで…。/◯“ハチロク、欲しい~”というアナタが知っておくべきこと/◯土屋圭市が語るハチロクの魅力/◯AE86とライバル/◯最終進化形態、現ル/◯ポスト・ハチロクを探せ!/◯SCOOP! 次世代トヨタ86の青写真がわかった!/◯番外編「AE86よもやま話」

「ハチロク」特集というのに惹かれて、羽田空港で買ってしまった雑誌。昔スーパーカーにハマった世代のオジサンとしては、当時最初にお世話になったのがスーパーカー便乗商法で編集を汲んでいた「ホリデーオート」だった。他の自動車月刊誌は高すぎて、中学生には手が出なかったのだ。「ホリデーオート」はその後もレトロな車の特集を時々組んで、僕らオジサン世代の購買意欲をくすぐる。昨年もスーパーカー特集の際にやはり羽田空港で衝動買いしたが、今回は生誕35周年記念の「ハチロク」特集であった。

正直言えば、僕はハチロクがデビューした頃はスーパーカーは卒業しており、大学生になってはいたが車は購入対象にまでは至っていなかった。地方出身のおのぼり大学生だった僕が、学生の身分で車を乗り回すということはなかった(いや、レンタカー借りて当時の彼女とドライブデートしたことはあるが)。でも、東京出身で自宅から通学してた同級生の中には、車を乗り回していた奴はいた。マツダ・ファミリアだったけど。

80年代後半の院生時代、夏休みを利用して帰省先でバイトをしていたことがあるが、その当時バイト先の同世代の高卒・中卒の正社員の人たちが乗っていた車はAE92型のレビン/トレノだった。そして就活の際にOB訪問で訪問先の先輩が乗っていたのがMR2だった。既に、新車ハチロクの世代は過ぎ去っていたのだ。社会人になったら、僕もMR2に乗りたいと思っていた。でも、社会人4年目にして初めて買ったマイカーは、スターレットGTターボだった。1年以上乗った後結婚しちゃったので、それ以後はファミリーカーに移行してしまった。

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『よくわかる水処理技術』 [仕事の小ネタ]

入門ビジュアルテクノロジー よくわかる水処理技術 (入門ビジュアル・テクノロジー)

入門ビジュアルテクノロジー よくわかる水処理技術 (入門ビジュアル・テクノロジー)

  • 作者: 栗田工業
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2006/06/15
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
水処理について最初に読むのに最適の一冊! 水道水はどうやってつくる? 純水ってどんな水? 工場での排水処理は? 有害物質をどうやって取り除く? 水をキレイにするための基礎の基礎から最新の処理技術までイラスト図解でやさしく解説。学生、仕事で必要な人、資格試験対策にオススメ。化学は苦手という人でもわかります。

昨年9月に一時帰国した際、購入。にわか勉強のためにと思って買ったのに、その「にわか」をやる時期が現在に至ってしまった。直近で今まで読んで紹介してきた本のラインナップからすると何の脈絡もないが(笑)、1月25日を境に次の里程標は2月6日であり、それに向けての頭づくりとして、水処理技術をざらっと勉強しておこうと思って読んだ。

見開き2頁で1つの技術について解説。左側が本文で、右側がイラストとなっている。180頁弱のボリュームだが、実質は90頁ない。自分の今の課題とは関連性が薄い記述もあるので、そこはすっ飛ばし、パラパラめくってはい読了となった。

ひと口に「水処理技術」といっても、処理する水の性質により、適用される技術がかなり違うという、人から見たら当たり前のことなのかもしれないが、僕にとっては新たな発見だった。例えば、ブータンの都市居住者が使っているトイレットペーパーは中国製やインド製が多いが、日本のお尻にやさしいトイレットペーパーと違い、結構ごわごわである。力を入れて拭くとお尻の穴周辺が痛くなることもあるが、同様にこのごわごわのペーパーは排水管にもやさしくなくて、さらに言えば汚水処理自体にも影響を与えるらしい。唐辛子を多用する食事も、生活排水の性質に何らかの特徴を与えているのかもしれない。それらを踏まえての技術適用であるべきということになる。どこの水処理施設も基本原理は一緒だろうと勝手に思っていたけど、こんなにバラエティに富んでいるんだというのは知らなかった。

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『地域力』 [仕事の小ネタ]

地域力―地方開発をデザインする

地域力―地方開発をデザインする

  • 編著者: 三好 皓一
  • 出版社/メーカー: 晃洋書房
  • 発売日: 2010/03/01
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
地域間格差、地方の疲弊が叫ばれて久しい。発展するには何が必要か、何をすべきなのかを模索しながら、コミュニティ・デザインの視点から地方開発を分析。「一村一品」運動で有名な大分県の事例を中心に、地方の再生と発展を試みる。

このところ、地域おこし関連の書籍を何冊か読み、このブログでもご紹介してきたが、それは当初1月25日に予定されていた大きな面談に向けた頭づくりの一環として行ってきた。今日がその当日ながら、残念ながらその面談の地が雪の影響で当日移動が困難になり、2月に延期せざるを得なくなった。でも、取りあえず今日を想定して、最後に慌てて読み込んだ1冊がある。それが今回の『地域力』と題した1冊だ。

但し、時間がなかったので、編著者が書いた序章と、編著者も含めて学者さんが書かれた第Ⅰ部の3章、それに、第Ⅱ部の事例報告のうち、今いちばん知りたかった大分・別府のハットウ・オンパクについて紹介されていた第6章と、オンパクも含む他の事例を総合して、「オンパク・アプローチ・モデル」と「アンテナ・ショップ・モデル」という2つの地域開発戦略のモデル化を試みている最終第8章のみ集中的に読んだ。

なぜオンパクかというと、このアプローチを参考にして、ブータンでも試行されている取組みがあるからである。経済省小規模零細企業局(DCSI)が主導で去年1月から2月にかけて、ティンプー、ハ、パロで行われた「Gakyed Gatoen(幸福の祭典)」と題したイベントで、約1カ月の一定期間内に100件弱の試験的、実験的プログラムをローカルパートナーとともに立ち上げ、これらをガイドブックとしてカタログ化し、空港やホテル、飲食店、スーパーマーケット等に配布している(下図)。

2017-1-6 GakyedGatoen.png

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『はじめようシェアリングビジネス』 [仕事の小ネタ]

はじめようシェアリングビジネス (日経ムック)

はじめようシェアリングビジネス (日経ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: ムック
内容紹介
これ一冊ですべてがわかる! 「シェアリングエコノミー」完全ガイド
個人が持つモノや場所、空いた時間を他人のために活用することで収益を得る「シェアリングエコノミー」。家や車、得意なスキルなど、個人間取引で何でもお金に変えることができ、遊休資産を活用した新しいビジネスモデルとして注目されています。
仲介サービスの代表格とされる「民泊」のエアービーアンドビーや「ライドシェア」のウーバーテクノロジーズは、すでに世界中でサービスを展開し、ホテルや自動車の大手企業を上回る時価総額にまで拡大。世界市場では、2025年までに現在の20倍以上の規模に膨らむと見込まれ、多くのベンチャー企業が生まれています。日本でも、メルカリやココナラといったユニークなサービスが誕生しました。
本書では、成長が加速するシェアリングエコノミーを徹底的に解説しました。ビジネスの仕組みや成り立ち、経済効果といった基礎知識から、シェアサービスの上手な活用法、先進的な海外事例まで、シェアリングエコノミーの全体像を明らかにしています。国内の代表的なサービスの紹介や、安心・安全な取引を実現するためのルールや法改正の最新情報も掲載。シェアサービスを活用したい個人はもちろん、事業参入を考えるビジネスパーソンにも役立つ決定本です。

僕の夢はティンプーに電動アシスト自転車のシェアバイクのシステムを作ること。電動アシスト自転車については年明けに既に1冊読んである程度は頭に入れたが、シェアバイクの仕組みについて解説した手ごろな本がないかなと思っていたところ、またも日経新聞の広告欄に本書のことが載っていて、これぞ天啓とばかり、書店へと走った。広告には出ていたとはいえ、発刊年月日を見れば新刊ではなく、平積みで置かれているような本でもない。4軒ほど書店を回ってようやく発見した。

残念ながら、シェアバイクに割いているスペースはほとんどないのは立ち読み段階でも確認済みだったが、これからそんな本を探している時間もなかったし、少なくともシェアバイクを導入している企業がどこかというのには言及もあったので、これでも良いかと思って購入。シェアを用いたビジネスプラットフォーマ―としてどこに誰がいるのかのマッピングはこれで十分できる。ムック本は編集やレイアウトに難があるが、その点は差し引いても、手元に置いておいてもいい1冊かとは思う。

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再読『稼ぐまちが地方を変える』 [仕事の小ネタ]

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

  • 作者: 木下 斉
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2015/05/08
  • メディア: 新書

この本とのなれ初めは2015年7月25日付けの記事で詳述している。その時の記事を読み直してみても、結構まともなことを書いている。今回は、間近に迫ってきている某地方の県知事との意見交換に向けて、日本の地域おこしの知見を少しぐらい復習しておこうと思い、週末から急遽読み直すことにしたものである。最近、地域おこしを主題とした文献を幾つかご紹介してきているが、またしても岩手県の「オガールプロジェクト」への言及が本書でもあったので驚いた。

勿論、それどれの本で「オガールプロジェクト」の捉え方、描き方が違うので、参考にはなるのだが、本書のこの部分には、示唆に富む記述が多かったので、ちょっと引用しておく。

鍵となっているのは、「消費」を目的としない集客を先に固めたこと。
地域の人の多くが必要な施設やサービスには公共性があり、さらに市場性も確保できます。これからの施設開発は、公共性と市場性が一致するという考えのもとで進めていく必要があります。(p.164)

施設はつくったからといって自動的に利用者が集まるわけではなく、営業が必要なのです。このような人に、こんな機会に使ってほしいと具体的に営業なければ、誰も活用してくれません。(中略)小さな事業をつくっていくときには、自分自身の強みを最大限活かすことが大事です。
 これは地方であればあるほど有効な戦術だと思います。中途半端な多目的施設をつくるよりは、事業を仕掛けるチームが営業可能な分野に徹底的に絞り込んだものにする。(pp.169-170)

繰り返すが、これらはオガールプロジェクトをベースに書かれている。

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『里山産業論』 [仕事の小ネタ]

里山産業論  「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)

里山産業論 「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)

  • 作者: 金丸 弘美
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
「食の戦略」で人も地域も社会も豊かになる! 地域のブランディングを成立させ、お金も地元に落とせるのは補助金でも工場でもなく、その地の“食文化”である。それこそが人材を育成し、雇用も生みだしていくのだ。「食の戦略」で育まれた人は、都市にとっても創造的な人物として得難い存在となる。ロングセラー『田舎力』の著者が放つ、新産業論。

「里山」と付けば売れるという本かと思いながら、でも気になって1冊買ってブータンに持ち帰った。理由は『宮本常一 旅の手帖-愛しき島々』のケースと同じ。本書第5章「食文化を仕掛ける」の前半部分が、島根県隠岐諸島の海士町に関する記述だったからだ。昨年何組かの視察チームがブータンから海士町を訪れていて、うち2人ほどが見てきたことをクエンセルに寄稿しているが、それを読むだけでは彼らが海士町で何を見てきたのかという全体像がよくわからなかった。それを補う上で、本書の第5章前半の記述は非常に参考になった。この部分を全文英訳しても、結構説明に使えそうなコンテンツになると思う。

以上が購入の同期だったのだが、同じ視察旅行のことについては、本書第1章にやや慎重な記述もあった。第1章「日本の根強い誤解と失敗」では、その通り、これまで我々が地域おこしの取組みの中で犯してきた失敗のパターンを列挙したもので、「産品を出す側の都合のよいようになっていて、買う側の視点が抜けていた」(p.19)とか、「専門用語の使いすぎ」という中で例示されていた「エコツーリズム」(p.31)とか、「売れない伝統工芸」(p.37)とか、今のブータンの観光振興や中小零細企業振興等の取組みを見ていて同じく感じるところの指摘も多かったが、中でも耳の痛い指摘は、「うわべだけの視察、補助金で失敗」(p.51)だった。

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