『歴史思考』 [趣味]
出版社からのコメント【購入(キンドル)】
元大工の政治犯として処刑されたイエス・キリスト
仕事もできず、引っ込み思案だったマハトマ・ガンディー
転職は10回以上! 3度も破産したカーネル・サンダース
目からウロコ!偉人たちのリアルで身近なストーリー続々!
歴史と聞いて、学生時代を思い出し、身構えてしまう人も多いはずです。でも、この本には覚えるのが大変な年号などは登場しません。歴史上の偉人たちの人間くさくておもしろいエピソードを通して、新しいモノの見方・考え方を獲得することができます。本書を読めば、あなたを苦しめている悩みが間違いなく吹っ飛びます。「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」初の著書! ! 音声配信でも語られることのなかったメッセージがてんこ盛り
ファンになってから日が浅いのだけれど、僕は「COTEN RADIO」の愛聴者である。1月下旬のある日、LINE電話で妻や娘と話していて、2人が口を揃えて「COTEN RADIO」を勧めたことがあった。僕が歴史書や歴史小説をやたらと借りてきたり、買ったりして読んでいても、ほとんど興味を示さなかった我が家の女子2人が、揃って「COTEN RADIOは面白い。初めて歴史が面白いと感じた」と言っていた。
これは革命的なことだ。僕を歴史の世界にいざなったのは、小学校時代に父が買い揃えてくれたポプラ社の伝記全集の「豊田佐吉」「豊臣秀吉」と、小学校の図書館で読んだ古典文学全集「太平記」「平家物語」あたり、そして1973年に放送されたNHK大河ドラマ「国盗り物語」だったと思っている。そういう「出会い」がないと、歴史の面白さって家族にすらなかなか理解してもらえないのが実情。我が家の女子2人にとって、「COTEN RADIO」との出会いが、歴史を知り、歴史を学ぶきっかけになってくれたのならとても嬉しい。深井さん、ヤンヤンさん、樋口さん、ありがとうございます!
首都での1回目のロックダウンの終わりが見え始めた2月上旬、メガゾーン内での徒歩移動が許されるようになってから、僕は運動不足解消のため、1時間以上にもわたるウォーキングを日課にするようになった。そこで、かねてから妻と娘に勧められていた「COTEN RADIO」を、試しにポッドキャストで聴いてみた。結果として、僕もハマった。以後、ウォーキングに出かけるとき、徒歩通勤の途上、たいてい聴いている。
吉田松陰、スパルタ、秦の始皇帝、世界三大宗教、ヒトラー、ガンディー、アレクサンドロス大王、フランス革命、三蔵法師玄奘、高杉晋作―――どれも良かった。中には僕も知っているエピソードも少なからずあった。男性同士のセックスが昔は当たり前だったというのは僕は知っていたけれど、一時BL小説を読んでたうちの娘にとっては「目から鱗」だったらしい。そういう、歴史をちょっとかじっていれば誰でも知ってそうな話を、ユーモアたっぷりにぶっこんでくるプレゼンの仕方が、「COTEN RADIO」にはある。
『南朝研究の最前線』 [趣味]
南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から後南朝まで (朝日文庫)
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2020/11/06
- メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)【購入(キンドル)】
従来、史料の乏しい建武政権・南朝だったが、近年の研究で、その実態が解明されつつある。前後の時代の政権と隔絶した、特異で非現実的な政権ではなかったことが明らかになってきた。16人の気鋭の研究者たちが建武政権・南朝の先進性、合理性、現実性を解き明かす。
前回、シューマッハー『スモールイズビューティフル再論』についてご紹介したが、予定より少し早く読了することができ、月末までの間にもう1冊ぐらい読めそうだと考えた。それで、何を読もうかとアマゾンのサイトを物色していて、久しぶりに「趣味」の世界に向かおうと決め、南北朝時代を扱った歴史書をとり上げることにした。
歴史書といっても、小説ではない。小説なら、史料が乏しくてブラックボックスになっているところをそれぞれの作家の独自解釈で埋めて、フィクションとして描くことが可能だが、研究者は、その史料の乏しい箇所を他の史料などを動員してできる限り穴埋めしていくことが求められる。そうやって長年にわたって積み重ねられていった研究の成果が、それまでの通説として僕たちが刷り込まれていたことと、かなり異なる新たなイメージの提示につながる。
僕を歴史ファンへといざなった南北朝時代も、興味を持ったきっかけは結局小島法師の『太平記』であり、1991年のNHK大河ドラマであり、そして大河ドラマと同じ時期に読んだ鷲尾雨工『吉野朝太平記』だった。『吉野朝太平記』が世に出たのは昭和10年だから、南北朝正閏問題で南朝正当という決着がついて、国定教科書でも「吉野の朝廷」が使われるようになった時期だった。『吉野朝太平記』を初めて手にしたとき、「吉野朝」という聞きなれない言葉に少しひっかかったが、発表された当時は当たり前に使われていた言葉だったのだろう。
Sonic Piで楽曲づくり [趣味]
Making Music with Sonic Pi: An Edutainment Factory Book (English Edition)
- 作者: Hans Gruendel An Edutainment Factory Book
- 出版社/メーカー:
- 発売日: 2016/02/20
- メディア: Kindle版
内容紹介
音楽は人類が築き上げた実に素晴らしい功績の1つである。 そして、地球上に音楽が嫌いな人などいない。 ソフトウェアとコンピュータは人類の最近の成果で、多くの加工業や産業が信頼度の高いものになっている。Sonic Piはそのソフトウェアと音楽の間の架け橋となっている。すべての子どもはSonic Piでプログラミングの基本を学べる。 音楽についてたくさん学びながら、プログラミングの基礎を学ぶのは楽しいことである。本書は、Sonic Piの基本を子どもでも理解できるよう解説している。本書は、自己学習だけでなく、教育の伴走者としても適している。
これ、今載せるべきかどうか迷ったけれど…。
以前、『プログラム×工作でつくるmicro:bit』をご紹介した中で、音楽プログラミングアプリ「Sonic Pi」について言及した。この本を読んだ時には、「自分はmicro:bitsを活用した工作について知りたかったんであって、Sonic Piを知りたかったわけではない」というような心理的な拒絶感があった。でも、Sonic PiはRaspberry Pi 3(ラズベリーパイ3、以下ラズパイ3)には標準搭載されているアプリだし、その製作者であるケンブリッジ大学のサム・アーロンはこれでTED Talkに何度か出演し、さらにライブコーディングの様子を動画配信もしている(下の動画をご参照)。
見て、正直、「面白そう」と感じた。
『プログラム×工作でつくるmicro:bit』 [趣味]
内容紹介
プログラミングと工作を組み合わせて、作品づくりを楽しみながら技術を身につけよう! この本では、かんたんなプログラミングと工作を組み合わせて、micro: bitを使い倒すコツを紹介します。楽しみながらプログラミングの基本を習得して、自分だけのオリジナル作品を作りましょう。まずは、無料で使用できるMakeCodeエディタによるパズル感覚のプログラミングからはじめます。慣れてきたら、JavaScriptを併用した高度なプログラミングや、紙工作による外観の加工と組み合わせて、より複雑な作品作りに挑戦していきます。
僕の巣ごもり生活もまる1カ月となる。通勤定期は既に切れ、もっと言えばこの1カ月電車どころか、最寄りの鉄道の駅前にも出かけていない。次のアサインメントに向けた準備期間中なので、準備に必要なことは何をやっててもいいだろうと開き直り、ザクっと言えば、①体のリハビリ(左肩関節痛の整形外科通いと循環器内科で命じられた3カ月間の有酸素運動)と②積読蔵書の圧縮、③ウェビナー聴講と次のアサインメント先とのウェブ会議、等をやりつつ、その合間に④電子工作、統計解析、動画制作等を独習している。
本日ご紹介の1冊は、1月末に次のアサインメント先が決まった段階で、嬉しくて神田で大人買いしてしまった本の中の1冊。昨年夏にScratchプログラミングをかじっている過程でつい買ってしまったマイコンボードmicro:bitをもっと使えるようになりたいと考え、micro:bitを使った工作の独習書として1冊購入することにしたものである。
表紙のデザインからもわかる通り、micro:bitのプログラミングと実際の工作を組み合わせるというプロジェクトが扱われていて、しかも工作に使うパーツは紙がメインなので、簡単に加工でき、少しの工夫で修復や補強できる。100円ショップで調達できる工作用紙だが、これをもうちょっとちゃんとやろうと思えば、アクリルボードをレーザー加工するようなステップに将来進むことができるに違いない。
実際に作ってみたジュークボックスを貼り付けておく。
このギターは、置いていく [趣味]
僕には40年以上にわたってトラウマとなっている出来事がある。1970年代のフォーク全盛の頃に親に買ってもらったギターで、Fコードで挫折し、その後そのギターを押入れの肥やしにして過ごしてきたことである。結婚した時にも、「このギターどうすんの?」と妻に白眼視されたし、子どもが3人もできてだんだん大きくなってくると、押入れの中とはいえ、ギターケースは邪魔になってきた。
単身赴任は結構時間があるし、家族に気兼ねせず練習を重ね、家族と再会した時に驚かせるのに使えると思っている。インド駐在の頃も最後の1年は単身赴任で、単身赴任になった途端にデリーでギターを購入し、1年間練習してFコードも克服した。そのギターはスラムの子どもたちへの教育に取り組んでいた現地のNGOに寄贈してきた。日本に戻れば押入れの中にあるギターを復活させようと思っていたのだが、東京の自宅は狭いし、帰国した後の僕の職場はそういうタイプの余興がお呼びじゃなかったので、結局またやらずじまいになった。
その教訓もあったので、今回のブータン単身赴任に当たっては、最初からではなかったが、2018年の年末年始の一時帰国の際、押入れの中で眠っていたギターを、弦を張り換えた上で持って来た。ついでにそれまでに衝動買いしてあった教本や曲集等も数冊持って来た。練習機会がそんなにあったわけじゃない。本当はHSM(Himalayan School of Music)あたりに通ってちゃんと先生に習いたかったのだが、そこまではとてもできなかったので、夜、寝る前にちょっと触ってみるという程度で過ごしてきた。
折角だから練習の成果を披露しようかと思い、職場の宴会で勢いでとうとうやった。(その練習に朝夕時間を費やしたのが、ブログ更新できなかった最大の理由です。)このギターを人前で弾くのは実は初めてであった。もうこれで思い残すことはない。1970年代に味わった挫折感には、取りあえずはおさらばできたと思う。また、帰国したら弾ける場所などないと思うので、このギターはブータンに置いていく。
嫁ぎ先は、プナカ県クルタン・ユースセンターと決めている。プラプラしている地元の若者に触ってもらえたら嬉しい。中には、ルナナ小学校の卒業生もいるらしいし。もし来年もJICAがもっと多くのステークホルダーを巻き込んでウィンターキャンプをやられるなら、クルタンにはギターが1台あることは覚えておいて欲しい。音楽を教えるのに使えますよ!
単身赴任は結構時間があるし、家族に気兼ねせず練習を重ね、家族と再会した時に驚かせるのに使えると思っている。インド駐在の頃も最後の1年は単身赴任で、単身赴任になった途端にデリーでギターを購入し、1年間練習してFコードも克服した。そのギターはスラムの子どもたちへの教育に取り組んでいた現地のNGOに寄贈してきた。日本に戻れば押入れの中にあるギターを復活させようと思っていたのだが、東京の自宅は狭いし、帰国した後の僕の職場はそういうタイプの余興がお呼びじゃなかったので、結局またやらずじまいになった。
その教訓もあったので、今回のブータン単身赴任に当たっては、最初からではなかったが、2018年の年末年始の一時帰国の際、押入れの中で眠っていたギターを、弦を張り換えた上で持って来た。ついでにそれまでに衝動買いしてあった教本や曲集等も数冊持って来た。練習機会がそんなにあったわけじゃない。本当はHSM(Himalayan School of Music)あたりに通ってちゃんと先生に習いたかったのだが、そこまではとてもできなかったので、夜、寝る前にちょっと触ってみるという程度で過ごしてきた。
折角だから練習の成果を披露しようかと思い、職場の宴会で勢いでとうとうやった。(その練習に朝夕時間を費やしたのが、ブログ更新できなかった最大の理由です。)このギターを人前で弾くのは実は初めてであった。もうこれで思い残すことはない。1970年代に味わった挫折感には、取りあえずはおさらばできたと思う。また、帰国したら弾ける場所などないと思うので、このギターはブータンに置いていく。
嫁ぎ先は、プナカ県クルタン・ユースセンターと決めている。プラプラしている地元の若者に触ってもらえたら嬉しい。中には、ルナナ小学校の卒業生もいるらしいし。もし来年もJICAがもっと多くのステークホルダーを巻き込んでウィンターキャンプをやられるなら、クルタンにはギターが1台あることは覚えておいて欲しい。音楽を教えるのに使えますよ!
「ハチロク」関連雑誌・コミック [趣味]
今日は週末なので、完全に趣味の話でいきたいと思います。
「ハチロク」特集というのに惹かれて、羽田空港で買ってしまった雑誌。昔スーパーカーにハマった世代のオジサンとしては、当時最初にお世話になったのがスーパーカー便乗商法で編集を汲んでいた「ホリデーオート」だった。他の自動車月刊誌は高すぎて、中学生には手が出なかったのだ。「ホリデーオート」はその後もレトロな車の特集を時々組んで、僕らオジサン世代の購買意欲をくすぐる。昨年もスーパーカー特集の際にやはり羽田空港で衝動買いしたが、今回は生誕35周年記念の「ハチロク」特集であった。
正直言えば、僕はハチロクがデビューした頃はスーパーカーは卒業しており、大学生になってはいたが車は購入対象にまでは至っていなかった。地方出身のおのぼり大学生だった僕が、学生の身分で車を乗り回すということはなかった(いや、レンタカー借りて当時の彼女とドライブデートしたことはあるが)。でも、東京出身で自宅から通学してた同級生の中には、車を乗り回していた奴はいた。マツダ・ファミリアだったけど。
80年代後半の院生時代、夏休みを利用して帰省先でバイトをしていたことがあるが、その当時バイト先の同世代の高卒・中卒の正社員の人たちが乗っていた車はAE92型のレビン/トレノだった。そして就活の際にOB訪問で訪問先の先輩が乗っていたのがMR2だった。既に、新車ハチロクの世代は過ぎ去っていたのだ。社会人になったら、僕もMR2に乗りたいと思っていた。でも、社会人4年目にして初めて買ったマイカーは、スターレットGTターボだった。1年以上乗った後結婚しちゃったので、それ以後はファミリーカーに移行してしまった。
内容紹介(巻頭特集の見出しのみ)
【生誕35周年記念巻頭特集】『AE86の時代 そしてライバルたち』
◯もう一度、AE86/◯AE86を語ろう/◯4A-GEU 35年目の真実/◯いまでもAE86が好きで…。/◯“ハチロク、欲しい~”というアナタが知っておくべきこと/◯土屋圭市が語るハチロクの魅力/◯AE86とライバル/◯最終進化形態、現ル/◯ポスト・ハチロクを探せ!/◯SCOOP! 次世代トヨタ86の青写真がわかった!/◯番外編「AE86よもやま話」
「ハチロク」特集というのに惹かれて、羽田空港で買ってしまった雑誌。昔スーパーカーにハマった世代のオジサンとしては、当時最初にお世話になったのがスーパーカー便乗商法で編集を汲んでいた「ホリデーオート」だった。他の自動車月刊誌は高すぎて、中学生には手が出なかったのだ。「ホリデーオート」はその後もレトロな車の特集を時々組んで、僕らオジサン世代の購買意欲をくすぐる。昨年もスーパーカー特集の際にやはり羽田空港で衝動買いしたが、今回は生誕35周年記念の「ハチロク」特集であった。
正直言えば、僕はハチロクがデビューした頃はスーパーカーは卒業しており、大学生になってはいたが車は購入対象にまでは至っていなかった。地方出身のおのぼり大学生だった僕が、学生の身分で車を乗り回すということはなかった(いや、レンタカー借りて当時の彼女とドライブデートしたことはあるが)。でも、東京出身で自宅から通学してた同級生の中には、車を乗り回していた奴はいた。マツダ・ファミリアだったけど。
80年代後半の院生時代、夏休みを利用して帰省先でバイトをしていたことがあるが、その当時バイト先の同世代の高卒・中卒の正社員の人たちが乗っていた車はAE92型のレビン/トレノだった。そして就活の際にOB訪問で訪問先の先輩が乗っていたのがMR2だった。既に、新車ハチロクの世代は過ぎ去っていたのだ。社会人になったら、僕もMR2に乗りたいと思っていた。でも、社会人4年目にして初めて買ったマイカーは、スターレットGTターボだった。1年以上乗った後結婚しちゃったので、それ以後はファミリーカーに移行してしまった。
『観応の擾乱』 [趣味]
観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)
- 作者: 亀田 俊和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
内容紹介
足利尊氏と直義兄弟、尊氏の子・直冬や執事の高師直、そして南朝勢力までもを巻き込んだ激しい争いは、何をもたらしたのか? 論じられることの少なかった内乱を多面的に論じ、その内実を明らかにする。
今の業界で働いていて、歴史の知見が評価されるようになってきたのは割と最近のことである。開発途上国の開発を論じる際に、歴史の、特に日本史の知識が役に立つと実感したことなどほとんどなく、特に僕がハマって長年文献を集めてきた南北朝時代の話なんて、業界人との会話の中でネタとして使ったことなど一度もない。日本の近代化の経験は知っておいた方がいいが、話はせいぜい江戸時代まで遡るので足りる。しかし、ブータンの政府要人の中には、織田・豊臣・徳川の統治の変遷をよくご存じの人もいて、そういうところでは隠れ歴ヲタの知識が役に立つと感じたこともある。「関ヶ原」って徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍が激突した天下分け目の合戦があった場所だけど、東国から畿内への進入路として、過去にも天下分け目ともいえる合戦が二度あったんだよ、というとちょっとウケる。答えは壬申の乱(672年)と青野ヶ原合戦(1338年)である。
畿内への入り口に近いから、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて東国と西国を盛んに往来した足利高氏・直義の兄弟も、高師直一族も、この辺りは何度も通過している筈である。そういうのの面影が少しでも残っていると面白いのだが、1つあるとしたら、僕の生まれた産院にほど近い、小島頓宮跡ぐらいだ。1353年、京都で起きた戦乱により、足利義詮は後光厳院を奉じて美濃へ逃れ、現在の揖斐川町小島の地に頓宮を設け、後光厳院の住居としたとされる。その年の6月から8月末にかけての3カ月弱のご滞在だったらしいが、その後の足利尊氏勢の京都奪還に乗じて、再び都に戻られている。これも、本書で扱われる「観応の擾乱」の末期の出来事となる。
「観応の擾乱」から「正平の一統」までの出来事を、解説も交えながら詳述された文献というのはそれほど多くはない。南北朝時代を扱った歴史解説はこれまで「観応の擾乱」だけを切り出して述べるようなことはしてきておらず、あくまで南北朝時代全体を1つの主題として扱ってきた。また、僕らはこの時代を『太平記』を読むことで入っていっているので、基本的には南朝びいきという線でイメージを形成してきてしまっている。よって足利尊氏も弟・直義も、どちらもおのれの権力奪取のために南朝を利用した悪役だし、高師直一族も、足利家執事の立場を利用して極悪非道の限りを尽くした抹殺されるべき人物だと意識に刷り込まれてきた。
『サーキットの狼』 [趣味]
スーパーカーブームの火付け役となった、名作レーシング漫画が待望の電子化!
「ロータスの狼」と呼ばれる一匹狼の走り屋でスピードに命を賭けた男・風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)が、宿命のライバルたちと繰り広げる凄まじいデッドヒートをダイナミックに描いたカーアクション巨編。ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、日産・フェアレディZ、シボレー・コルベット、トヨタ・2000GTなど、世界中の著名なスポーツカーが多数、劇中に登場!!
電子書籍は専門書を読むにはあまり向いているとは思えないけれど、マンガとかを購読するには結構便利だと思う。物理的にマンガが家の中に積み上がっていくような状況が生じないから、バレない限りは「この歳にしてまだマンガかよ」と妻から白い目で見られる心配もなく(笑)、しかも懐かしのコミックを再び読むことができる。
昨年末、待望の『サーキットの狼』の電子書籍版が公開された。1975年から1979年まで週刊少年ジャンプで連載され、僕の中学時代はこの作品とともにあったといっても過言ではない。僕がジャンプを読み始めたのは1976年夏。ストーリーの中では「流石島レース」の直前ぐらいからだ。当時はまさにスーパーカーブームの最盛期と言ってもよく、このブームのお陰で僕はカメラの操作法を学んだし、外車への思いも馳せた。当時僕がいずれ乗ってみたいと言ってた車は、伊ランボルギーニ社の4人乗り車「ウラッコ」だった。結婚して家族ができても乗れるだろうと考えていた(笑)。この辺り、僕のスーパーカーファンとしての底の浅さが窺える。
今回の電子書籍27巻、最初は「公道グランプリ編」が終わるまでのつもりで購読していたが、それが「Aライ模擬レース編」が終わるまでになり、さらにはエスカレートして、「流石島レース編」、「日光レース編」、「欧州F3編」へと次々と目標の下方修正を繰り返し、とうとう27巻まで買って読み切ってしまった。まこと意志の弱いことよ。
通しで読んでみると、やはり「流石島レース編」あたりがこの作品のクライマックスだったのではないかと思える。主人公・風吹裕矢が目指す最終目標は確かにF1だったので、どうしても街道レーサーからステップアップしていく過程で、スーパーカーとは別のレーシングカーの世界に話が飛んで行ってしまう。シルエットフォーミュラやGCマシンで狭い公道を走る「日光レース編」は相当な無理がある設定だし、欧州に渡ってからのレースはすべてフォーミュラカーで、メカニックの描き方の緻密さで、同時期少年サンデー誌で連載していた村上もとか『赤いペガサス』に負けていたように思う。
タグ:池沢さとし
『Raspberry Piで学ぶ電子工作』 [趣味]
Raspberry Piで学ぶ電子工作 超小型コンピュータで電子回路を制御する (ブルーバックス)
- 作者: 金丸 隆志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
格安の超小型コンピュータ「Raspberry Pi」。最大の特徴は、電子工作のパーツを直接つないで制御できることにある。本書では、さまざまな演習を通して、電子工作に必要な基礎を丁寧に解説。さらに、演習用のプログラムはダウンロードできるので、プログラミング経験が浅くても安心して学べる。
海外赴任が決まってから、残りの2ヶ月少々の間にできることは何かを考えた時、真っ先に頭に浮かんだのは、近所の市民向けものづくり工房で実際に何かを作ってみることだった。「何か」では具体的じゃないが、実際には作ってみたいものが3つほどあり、最初の2つはレーザーカッターを使用するだけでできるものなので短期間でもなんとかなるが、もう1つはレーザーカッターに加えて電子工作が必要となり、とりわけ超小型コンピュータであるRaspberry Pi――通称「ラズパイ」の使用が必須だった。
ラズパイの話は、そうしたことに興味を抱いていれば嫌でも頻繁に耳にはする。でも、実際に手を動かしてものを作ってみないと覚えられないことは多く、具体的にその作ってみたい「もの」がイメージできてなかった間は、ラズパイをどう活用しようかなどというところには考えも及ばなかった。
それが、こんなものを作りたいというイメージが少し膨らむと、今度は工房での過ごし方をどれだけ効率的にするかを考えざるを得なくなった。僕はビジター会員登録だから、工房に行けばそのたびに3時間いくらという料金が取られ、そこにある工作機械は使用1回につきいくらという定額料金制で、さらにその工作機械をサクサク使いこなせなければそこでまたインストラクターのお世話になって1時間いくらという追加料金が取られる。せめてこのインストラクターのマンツーマン指導の料金ぐらいはケチりたいと思ったら、工作機械の操作法等、自分である程度勉強しておくことが必要だ。
それを痛感したため、一度工房にでかけた後、自分なりに予習復習をやっておこうと思い、ものづくりのハウツーに関する書籍を2冊ほど購入した。レファレンスブックのつもりで最初から最後まで精読するつもりはないが、どこに何が書かれているかぐらいは確認しておこうと思い、飛ばし読みを敢行した。本日ご紹介するのはそんな1冊だ。
『剣道 世界一への戦い』 [趣味]
ご存知の方も多いと思うが、昨日から東京の日本武道館では、第13回世界剣道選手権が開催されている。初日の男子個人戦は、ベスト4に残った4名のうち3名が日本代表で、結局網代忠勝選手が、昨年の全日本選手権の覇者・竹ノ内佑也選手を破って優勝した。僕は会社を休んで会場で観戦していたが、決勝トーナメントのベスト16をかけた対戦で、ポーランドのBosak選手が韓国のSung選手に逆転勝ちして韓国の牙城の一角を崩した瞬間は、場内割れんばかりの大喝采だった。韓国が弱かったわけじゃなく、欧州勢が強くなってきたんだと思う。韓国も日曜日の団体戦は本気モードで挑んで来るだろうし、日本代表が個人戦でよく頑張ったからといって、団体戦の良績は必ずしも保証されないと思う。応援しっかりしないと!
今週は僕自身が世界選手権ウィークで、昔米国駐在時代に何度か一緒に稽古していた旧知の方々が米国代表の応援のために来日され、うちの道場にも稽古に来て下さったし、また欧州のセルビア、ポーランド代表チームは、いろいろなご縁があってうちの会社の剣道部の稽古会にもご参加下さり、剣を交わしながら親交を深めさせていただいた。幸いなことに、両チームとも個人戦では決勝トーナメントに2、3人を進出させ、ポーランドのBosak選手はベスト8、セルビアのMilocevic主将はベスト16にまで勝ち上がった。毎回、日本と韓国、米国代表選手等でベスト8は占められてしまう中で、この成績はかなり良いと思う。
世界選手権は世界中の剣道愛好家が集まるお祭りのようなものでもあり、変わった構えをとられる剣士もたまに見かける。日本国内のいつもの大会よりも明らかに多いのは上段の構えをとる選手であるが、二刀流という選手もいる。それが予選リーグを勝ち上がって、決勝トーナメント初戦でなんと二刀対逆二刀というなんともレアな1戦が実現した。お互いに決め手を欠き、決勝トーナメントとも思えないガチャガチャチャンバラやってるような試合だった。20分近く戦っただろうか、観客の目をくぎ付けにした一戦だった。
《緊張高まる武道館前》
《華やかな開会式の様子》
《決勝トーナメントの様子》
今週は僕自身が世界選手権ウィークで、昔米国駐在時代に何度か一緒に稽古していた旧知の方々が米国代表の応援のために来日され、うちの道場にも稽古に来て下さったし、また欧州のセルビア、ポーランド代表チームは、いろいろなご縁があってうちの会社の剣道部の稽古会にもご参加下さり、剣を交わしながら親交を深めさせていただいた。幸いなことに、両チームとも個人戦では決勝トーナメントに2、3人を進出させ、ポーランドのBosak選手はベスト8、セルビアのMilocevic主将はベスト16にまで勝ち上がった。毎回、日本と韓国、米国代表選手等でベスト8は占められてしまう中で、この成績はかなり良いと思う。
《二刀流対逆二刀の激レアな対戦!これが決勝トーナメント緒戦で実現》
世界選手権は世界中の剣道愛好家が集まるお祭りのようなものでもあり、変わった構えをとられる剣士もたまに見かける。日本国内のいつもの大会よりも明らかに多いのは上段の構えをとる選手であるが、二刀流という選手もいる。それが予選リーグを勝ち上がって、決勝トーナメント初戦でなんと二刀対逆二刀というなんともレアな1戦が実現した。お互いに決め手を欠き、決勝トーナメントとも思えないガチャガチャチャンバラやってるような試合だった。20分近く戦っただろうか、観客の目をくぎ付けにした一戦だった。