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『午後の行商人』 [読書日記]

午後の行商人 (講談社文庫)

午後の行商人 (講談社文庫)

  • 作者: 船戸与一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: Kindle版
内容紹介
カメラマンを目指し、メキシコを旅する香月哲夫は、ある夜、暴漢に襲われたが、タランチュラと名乗る老いた行商人に助けられる。彼は、民族解放運動に揺れる南東部へ、行商の途中だった。香月は強引に頼んで旅に同行するが、タランチュラの真の目的は、冷徹・非情の復讐行だった! 直木賞作家による、灼熱の長編冒険ロードノベル。
【MT市立図書館】
20年ぶりぐらいの再読である。どういう状況で本作品を読んだのか全く記憶にないのだが、単行本の初版刊行が1997年らしいので、それから数年以内に読んでいるとしたら、多摩に住んでいた頃か、米国駐在時代に読んでいたことになる。多摩に住んでいた頃はそれほど読書好きではなかったので、可能性が高いのは、米国駐在時代に知人から薦められて読んだ可能性が最も高い。

それで、今さらなんで再読したのかというと、この夏、メキシコのチアパス州に1週間ほど行くことになったからだ。メキシコで行われるコミュニティの課題解決に向けたアイデア出しとソリューションのプロトタイピングを短期間で行うというデザインスプリントに参加を申し込んだところ、受理したとの連絡が3月2日に入った。開催地はメキシコ国内8カ所に分散されており、応募の際には第1希望から第3希望まで書けた。チアパス州での先住民女性グループの収入創出活動は、第1だか第2だかで希望はしていたが、僕の経験値から言って、「ドラフト指名漏れ」のリスクの方がはるかに大きい。だから、参加が認められたこと自体が大きな喜びだった。

それでチアパス州に行けるというのは、何かのご縁を感じる。

ただ、内容紹介にもある通りで、本作品を読むと、チアパス州って結構ヤバイところなのかと思えてきて、少々ビビッてしまった。勿論、作品の舞台は1990年代のサパティスタ民族解放軍の活動が活発だった頃のチアパスで、以後テロ活動などは行われなくなったとのことではある。それに、若干のネタばらしになってしまうけれど、本作品で本当にヤバいのは、サパティスタ民族解放軍ではなく、それを鎮圧するために公安組織が養成しようとした、インディオを主力とするバンディード(無法者)なので、反グローバリズムを掲げるサパティスタ民族解放軍の活動の反動勢力としては今は弱まっていると考えてもよいかも。

いずれにしても、危ない渡航ではない。デザインスプリントの主催者が現地入り後の滞在についてすべてアレンジする筈なので、そういう治安の問題には煩わされることなく、やるべきことに専念できることを祈りたいと思う。

作品を読んで、治安のことはともかく、地理や現地の人々の食べ物、そして少しばかりのスペイン語の勉強にはなった。ただ、相手が先住民女性だとするとスペイン語も通じないことが予想される。そういう意味では日本人の僕だけが不利というわけでもないのかも。本格的な準備はもう少し先になりそうだ。

船戸与一作品は、この20年間で本作品しか読んだことがない。もう鬼籍に入られている作家であるが、ちょっと冒険ものの香りが漂う作品が読んでみたくなった時は、他の作品にも挑戦してみたい。

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