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『日本の国際協力』 [仕事の小ネタ]

気付けば12月、先月のブログを振り返ると、なんと8回しか更新していない。ちょっとそれどころではないいくつかの懸案事項を同時にこなすことになり、あまりゆっくり読書をしていられなかった。ブログの更新頻度が低い月はたまにあるが、振り返ると、たいていが心の余裕を失くしている時期だった。12月もそうなる予感がある。とはいえ、先月よりは少し多くしたいものだ。

日本の国際協力 アジア編:経済成長から「持続可能な社会」の実現へ (Minerva KEYWORDS6)

日本の国際協力 アジア編:経済成長から「持続可能な社会」の実現へ (Minerva KEYWORDS6)

  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2021/06/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

日本の国際協力 中東・アフリカ編:貧困と紛争にどう向き合うか (Minerva KEYWORDS 7)

日本の国際協力 中東・アフリカ編:貧困と紛争にどう向き合うか (Minerva KEYWORDS 7)

  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2021/08/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

日本の国際協力 中南米編: 環境保全と貧困克服を目指して

日本の国際協力 中南米編: 環境保全と貧困克服を目指して

  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2021/12/14
  • メディア: 単行本
内容紹介(アジア編)
国際協調主義を掲げた戦後日本は、政府開発援助(ODA)を通して世界の発展途上国とどのように関わってきたのか。各国の経済発展や福祉向上のために、試行錯誤や批判も浴びながら、いかなる援助を行ってきたのか。本書では、アジア諸国へのODAの全貌を、その形成と展開、現状と事例、課題と展望から解明し、21世紀の日本の国際協力の課題を考えるための基礎的判断材料と論点を提供する。
【購入(アジア編のみ)】
仕事柄、自分の関係している国のことだけは知りたくて、アジア編だけは入手した。これだけの国における日本の国際協力の歴史を1冊の本にまとめるのだし、だから執筆者に対する原稿謝金もまとまったらそれなりの金額になるから高価なのだろうと思っていたが、入手してみたら意外と薄かった。出版の事情を知らない人から見ると、なんでこの本が4000円以上するのかと怪訝に思うかもしれないね。

よくこれだけ多くの国のことを書ける研究者を集めたものだ。何人かは存じ上げている方なので、本書の宣伝には協力もしたいと思う。

僕自身がこれまで関わった国々に関しては、「自分ならこう書くのに…」という物足りなさも正直感じる。同じような趣旨で、昔、ある国への国際協力の歴史について、論文を書いたことがある。自分の名前で世に出なかったのは悔しいが、「歴史」なので、たとえ12年も前に書いたものであっても、昔を知るには今も有効だ。せめて本書の当該国担当章でも参考文献に挙げて欲しかったが、残念ながらそうならなかった。

こうして、人それぞれその国の見方、国際協力の捉え方には違いがある。多分原稿の文字数にも制限があったのだろうから、執筆している方々自身も、泣く泣く削ったという箇所も多かったに違いない。誰が読んでも及第点があげられるまとめ方には、どうしてもならなかっただろう。

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『死ぬほど読書』 [読書日記]

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

  • 作者: 丹羽 宇一郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
もし、あなたがよりよく生きたいと望むなら、「世の中には知らないことが無数にある」と自覚することだ。すると知的好奇心が芽生え、人生は俄然、面白くなる。自分の無知に気づくには、本がうってつけだ。ただし、読み方にはコツがある。「これは重要だ」と思った箇所は、線を引くなり付箋を貼るなりして、最後にノートに書き写す。ここまで実践して、はじめて本が自分の血肉となる。伊藤忠商事前会長、元中国大使でビジネス界きっての読書家が、本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方を縦横無尽に語り尽くす。
【購入(キンドル)】
僕もそれなりに読書はしている方だと思うが、読書好きになった起源については、これまで語って来たこと以外に、もう1つ本書を読んでいて思い出したことがある。

僕は、右目の下に今でも残る傷がある。あれはテレビで『ウルトラマンエース』が放送されていた頃だから、小学3年生の12月だったと思う。急に右目の周りが腫れはじめ、実家の隣り町の市民病院に手術入院することになった。生まれて初めての入院、生まれて初めての手術。以後現在に至るまで、僕は入院をしたことがない。手術といっても麻酔で意識がとんで、目が覚めたら手術は終わってましたという代物ではない。目の下の頭蓋骨のくぼみの縁に沿ってメスを入れるもので、その感覚は今でも覚えている。

さて、術前だったか述語だったかは覚えていないが、病院の廊下で診察を待っている時、母だったか父だったか、たまたま近くに居合わせた別の男性と話をし始めた。断片的な記憶を頼りにここで述べると、その男性はどこかの本屋さんの息子さんで、お店の本を読んで育った。外国語も本を読んで覚えた。本を読むことは大きな意味がある。だから、あなたの息子さんにもたくさん本を読ませなさい―――。

母が僕をその町の市立図書館に2週間に1回連れて行ってくれるようになったのは、時系列的にはそれより後のことである。僕はよく、自分が読書好きになったのはポプラ社の古典文学全集で『太平記』や『平家物語』に出会ったからだと人には話すことが多いが、それらは小学校の図書館で借りて読んでいたもので、それ以前はというと、隣り町の市立図書館に母に連れて行かれて、最初の頃は嫌々だったのが、そこで推理小説というジャンルに出会い、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズのシリーズや、ガストン・ルル―の『黄色い部屋の秘密』を読んだ。

今思い返すと、もし市民病院の廊下で、その男性と出会っていなければ、父も母も、僕を本が沢山置いてある場所に連れて行こうという発想には至らなかったのではないかと思う。

のっけからなんでこんな話題を取り上げたかというと、本書の著者が本屋の甥だという自身の出自を本書で明らかにしていたからである。初期条件が良かったんだろうな。勿論、初期条件などきっかけに過ぎず、読書にのめり込むには何らか特定の本との出会いがあったのではないかと思うが。

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『無駄なことを続けるために』 [読書日記]

無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方 - (ヨシモトブックス)

無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方 - (ヨシモトブックス)

  • 作者: 藤原 麻里菜
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2018/11/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
生活には必要ないけど、あったら暮らしが豊かになる「無駄づくり」というYouTuber活動を通して、弱冠25歳の女性が見つけた「ほどほどに暮らせる新しい稼ぎ方」。億万長者にならなくたって、自分の暮らしを満足させられるマネタイズ方法を彼女なりに提案。人にとっては無駄かもしれない、けれど、あなたにとって楽しくて好きなことを続けるための手助けになる一冊。
【購入】
今月に入ってから快調に積み上げてきていた読書件数が、第2週に入って本書を読み始めた途端にパタッと止まった。本書の内容が良くなかったのではなく、僕の周辺でちょっとのっぴきならない事態が起こっていて、状況的にリラックスして本書を読み進めることを許さなかったのである。その点では著者に申し訳ない思いもする。

この著者の本を読むのはこれが2冊目である。前回読んだ『考える術』は、「無駄づくり」のアイデア出しをどうやっているのかに特化した本で、それはそれで面白かった。そして次が今回ご紹介する本だが、これは「無駄づくり」で作ったものをどう見せるか、またそれをどうマネタイズしてきたかという話が中心で、またどちらかというとご本人のライフヒストリーを語っておられるような内容になっている。恥ずかしながら、僕はこの著者が吉本興業の芸人さんだったというのも知らなかったのだが、芸の方では頭角を現すことができなかったけれど、無駄だがオモロイものを作ることで注目を集め、別の才能を開花させてきた。そのあたりの経緯も本書では述べられている。

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『micro:bitではじめるプログラミング 第3版』 [仕事の小ネタ]

micro:bitではじめるプログラミング 第3版 ―親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス (Make: KIDS)

micro:bitではじめるプログラミング 第3版 ―親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス (Make: KIDS)

  • 作者: スイッチエデュケーション編集部
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2021/07/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
micro: bitは、イギリス生まれのSTEM教育用マイコンボードです。このボードには、ボタンスイッチ、LED、スピーカー、マイク、加速度センサー、光センサー、地磁気センサー、温度センサー、無線機能などが搭載されており、これ1つでさまざまな動きを表現できます。また、ブラウザ上でブロックを組み合わせるだけでプログラムを作れるので、子どもでもかんたんにプログラミングを習得することができます。本書では、はじめてマイコンボードに触れる小学校高学年以上を対象に、ハードウェアの基本からプログラミングのしかた、さまざまな作品の作り方までをていねいに解説。親子で学ぶプログラミングとエレクトロニクスの入門書にぴったりの一冊です。
【購入】
今回の駐在で、僕はmicro:bitを2基ブータンに持ち込んでいる。なんでブータンのSTEM教育普及ではPi-Topがデファクト的に使用されているのか謎だが、世界的にはそれよりもさらに廉価なマイコンボード「micro:bit」の方がもっと普及しているし、小さくて持ち運びにも便利だ。そもそもブータン国内でのPi-Top普及の原動力にもなっていた僕の友人が、「本当はmicro:bitの方が使いやすいんだよね」と言っていた。彼は、僕が主宰している土曜日の学生向け3Dモデリング講習会の番外編で、micro:bitの講習会を一緒にやらないかと僕に提案してきている。また、今仕事で連絡を取らせていただいている日本の私大の先生も、ブータンで中高生向けにデータサイエンスのワークショップをやるなら、導入編でmicro:bitを使って簡単なゲームをやりたいと仰っている。

そんなわけで、micro:bitに関してはこのところちょっとした動きがあり、少しぐらいは操作をかじっておかねばという気持ちになってきた。

実は僕は渡航してくる前に、本書の第2版を中古で買って、それで持って来ていた。でも、それを使おうと思ったら、micro:bitにコードを書きこむためのマイクロソフトMakeCodeのブロック表示が、本書の記述内容とあまりにも異なり、読みづらくて仕方なかった。それで、6月に出たばかりの改訂第3版を新たに買い直し、家族に送ってもらうという二度手間をやらかした。

でも、そのおかげで第3版は昨年出たmicro:bit ver.2にも対応してくれていて、できることの幅が明らかに広がった内容となっていた。しかもカラーなので、第2版よりもはるかに読みやすくなった。

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『サイロ・エフェクト』再訪 [読書日記]

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春文庫)

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/05/09
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
専門的な技術を扱う部署が、周囲に壁を作り「サイロ」と化す。企業全体の衰退を招く危険な罠、それは、社会が高度になるほど、深く大きくなる。先端企業ソニー、大都市ニューヨーク―人の作るあらゆる組織に付き物の罠からの脱出法はあるのか?文化人類学者の顔を持つジャーナリストが解決法を探る!

5年前に初読で紹介した本だが、その時にブログ記事で書いたことを、今改めて噛みしめている。

この記事を書いた時とはまったく文脈が異なるのだが、ここ数カ月ずっと感じ続けてきたある組織のサイロ問題で、今週、僕はある決断をした。組織の中でそれをやろうと考えていたが、いっそのこと組織を飛び出して起業しちゃった方が早いのではないかと考えてしまった。やろうとしていた事業は、複数の部署にまたがるものだった。でも、採用されたものの実装段階になった時に主管になる部署が必要だと言われ、袋小路に迷い込んだ。僕も遠隔地から調整するのにストレスを感じていて、それよりも目の前の仕事に専念しようと思うようになった。

断念することを決断して、スッキリしたものの、一方で根強い敗北感も味わっている。自分がもっとシャカリキになって働いて、部長やその上の役員のクラスにまで昇進していたら、上からリーダーシップを発揮して―――というのか単に上からの「ツルの一声」を発してというのか―――部署横断的な事業に仕立てられたのかもしれない。そうすると、僕のキャリアや働き方選択自体の誤り、あるいはそこまでの能力のなさという現実を突きつけられた感じもする。

もっとも、そんな選択をしていたら、今取り組んでいるテーマにも出会ってなかっただろうし、仮に出会っていたとしても、他のことに忙しすぎて、ろくな深掘りもせずサラッと通り過ぎていた可能性が高いが。

あまり事情を詳述する気にも、気持ちを吐露する気にもなれないので、本日はこれくらいにしておきたいが、最後にもう一度だけ。

多くの部署にまたがっていろいろなことができる可能性を秘めた事業を、部署の壁でフイにしてしまうのは非常にもったいない。トップに立たないと部署横断的なイニシアチブが実現できないというのは悲しい。

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『三十光年の星たち』 [読書日記]

三十光年の星たち(上) (新潮文庫)

三十光年の星たち(上) (新潮文庫)

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/10/28
  • メディア: 文庫
三十光年の星たち(下) (新潮文庫)

三十光年の星たち(下) (新潮文庫)

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/10/29
  • メディア: 文庫
内容紹介
【上巻】彼女にも逃げられ、親からも勘当された無職の青年、坪木仁志は謹厳な金貸しの老人、佐伯平蔵の運転手として、久美浜に向かった。乏しい生活費の中から毎月数千円ずつ32年に渡って佐伯に返済し続けた女性に会うためだった。そこで仁志は本物の森を作るという運動に参加することになるのだが──。
【下巻】十年後も十光年先も、百年後も百光年先も、百万年後も百万光年先も、小さな水晶玉のなかにある。──与えられた謎の言葉を胸に秘め、仁志は洋食店のシェフとして、虎雄は焼き物の目利きとして、紗由里は染色の職人としてそれぞれが階段を着実に登り始めた。懸命に生きる若者と彼らを厳しくも優しく導く大人たちの姿を描いて人生の真実を捉えた、涙なくしては読み得ない名作完結編。
【購入(キンドル)】
冒頭で少し個人的なことを書いておくと、先月末、滞在先のホテルのカフェテリアで、朝食時に不注意からちょっとバランスを崩し、右胸を1人掛けの椅子の肘掛けで強打した。ぶつけた瞬間、肋骨やっちゃったかもと思った。それから1週間は痛みはあったものの、我慢できないわけではなかった。

それが、気温が下がってきたのが良くないのか、先週土曜日は朝起きた時から患部の痛みがひどく、ベッドから上半身を起こして立ち上がったり、しゃがんだりするのもつらかった。それでも土曜日は午前中は仕事をなんとかこなしたが、午後はフリーになれたので、宿舎に直帰して、そのまま横になって安静にすることにした。日曜日も同様で、外出もせず、多くの時間を横になって過ごした。

こういう状態だったので、この週末は仕事のことはこれ以上せず、横になって小説でも読むことにした。こういう場合の小説は、こと2021年に限っては年明けから宮本輝作品を優先的にセレクトしている。上下巻といった具合に長編が多いので、土日かけて計600頁超というボリュームを一気に読み進めてそれで時間をやり過ごすにはちょうどよい。

9月に『いのちの姿 完全版』という随筆集をご紹介したが、この随筆は京都・高台寺にある料亭『和久傳』の女将に依頼されてこの料亭の発刊する雑誌に寄稿したものを集めていた。この和久傳の女将というのが、本日ご紹介の作品の上巻で登場する、「乏しい生活費の中から毎月数千円ずつ32年に渡って佐伯に返済し続けた女性」のモデルらしい。

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『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』 [読書日記]

ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫)

ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫)

  • 作者: 多木 浩二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06/16
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
「複製技術時代の芸術作品」はベンヤミンの著作のなかでもっともよく知られ、ポストモダン論の嚆矢とも言われてきた。礼拝される対象から展示されるものとなり、複製技術によって大衆にさらされるようになった芸術。アウラなき世界で芸術は可能なのか。近代に訪れた決定的な知覚の変容から歴史認識の方法を探る挑戦的読解。
【購入】
そもそも、僕らが働く業界ではアートやメディアに関する知見が求められるのはごく一部の限られた領域に過ぎないのだけれど、SDGsの時代になってきて、アートやメディア側から「持続可能な開発(サステナビリティ)」への問いかけが増えてきているのに、元々「持続可能な開発」に取り組んできた筈の自分の業界に、どのようにしたらアーティストと協働できるのか、心の準備がなかなかできていない気がする。この点は僕は自分のブログでもごくたまに言及してきた論点なのだが、かく言う僕自身が芸術論やメディア論に造詣があるかというと、さほどでもない。

これじゃいかんな~と思いつつ、時々このような文献に手を伸ばし、そして見事に玉砕するというのを繰り返している気がする。ヴァルター・ベンヤミンの著作を直接読めるのと、その前にその著作の倍以上もある評論を一緒に読めるというお得感で、ついつい読み始めたのだが、評論・解説の方もかなり難しかった。芸術史を勉強しているような人々には当たり前のことも、僕のような門外漢には初出であり、一瞬たりとも気を抜かずに1節当たり約4~6ページの分量を精読するのは容易ではない。

そもそも「アウラ」という言葉自体が、アーティストの間では当たり前の言葉になっているのかと思われる。ちょっと調べたら「オーラ」として日本では知られている言葉らしく、それを伝統的な芸術作品の特質をしるしづけるためにベンヤミンが初めて用いた概念が「アウラ」らしい。

それで、本論考の中でベンヤミンが論じているのは、いま・ここに原理的に拘束されることのない、写真や映画といった複製技術を基盤にする芸術形式は、アウラをもたないということらしい。

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タイトルが長い3Dプリントデータカタログ [仕事の小ネタ]

無料データをそのまま3Dプリント 作業に出会える道具カタログ/事例集

無料データをそのまま3Dプリント 作業に出会える道具カタログ/事例集

  • 出版社/メーカー: 三輪書店
  • 発売日: 2021/06/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
無料!簡単!すぐできる!!ものづくりのための3Dプリンタガイドブック第2弾!!「この本があれば必ず3Dプリントできる!」をテーマにした道具カタログ。
 第1弾『はじめてでも簡単 ! 3Dプリンタで自助具を作ろう』では3Dプリンタに関わるツールやサイトを満遍なく紹介し、簡単なモデリング方法を含めたツールの使い方など「自分で最初から最後まで作る」方法を紹介した。今回は「まず出力してみること」に焦点を当て、QRコードからデータを直接ダウンロードしてすぐに出力できるようにした。200を超える暮らしの道具のデータを掲載!カタログから好きな道具を選んで3Dプリントしてみよう。  好きなものを出力するだけでなく、当事者にカタログを見せて「こんな自助具がほしい」とニードを引き出すきっかけとして使用することもできる。実際にセラピストが当事者からヒアリングして自助具を作った過程や3Dモデルデータを活用した事例も多数収録している。
 3Dプリンタに慣れると既存のものを出力していくだけでは物足りなくなるかもしれない。そのために、数値を変えるだけでデータ上の物の厚みや大きさを変えられる「パラメトリック・デザイン」のモデルデータも収録している。また、第1弾では実際の道具作りを順を追って紹介しているので、そちらも参考にしてほしい。
 一人ひとりに合わせたものづくりが浸透し、生活を便利にする道具が見直されていけば、誰にとっても暮らしやすい社会が実現できるかもしれない。まずはものづくりの参加へ一歩踏み出してみよう。
【購入】
僕が3Dプリントをより身近に感じられるようになったきっかけは、三輪書店から2019年に出た『3Dプリンタで自助具を作ろう』を読んだことである。すごくよく構成ができた本であり、3Dプリンタについて知りたいと人から言われた場合、僕は迷わず本書を勧める。また、3Dプリンタについて話せと言われる時も、僕は本書の枠組みを参考にしつつ、話すようにしている。

その同じ共著者の手により、今年6月、新たなデータカタログ・事例集が同じ三輪書店から発刊された。タイトルが長く、副題「作業に出会える道具カタログ/事例集」は、どういう意味なんだろうかと首をひねる。共著者の1人は作業療法士だし、お二人が代表を務めておられるファブラボ品川は3Dプリンタを使った自助具の製作がその活動の特徴ともなっている。ファブラボ品川のHPを見ると、過去に製作された自助具が既にカタログ化されて掲載されている。データだけではない、各々の製作工程も詳らかにされ、さらに障害者も参加して行われる自助具製作イベント「メイカソン」の様子もレポートされている。

本書は、ファブラボ品川がこれまでにHP上でも行ってきた製作データや製作プロセス、協働の場づくりの経験を、1冊の書籍にまとめたものである。値段は決してお手頃ではないが、前著『3Dプリンタで自助具を作ろう』で収録しきれなかった作品がこれでもかと紹介されており、複製製作上の注意点、使用フィラメントの種類、印刷時間や内容充填率等も細かく記載されている。実際に、本書にあるQRコードからSTLファイルをダウンロードして、実際に3Dプリントしてみたケースも何度かある。

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『日本の聖域 ザ・コロナ』 [時事]

日本の聖域 ザ・コロナ(新潮文庫)

日本の聖域 ザ・コロナ(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/10/28
  • メディア: Kindle版
内容紹介
「三万人のための総合情報誌」をうたう雑誌「選択」の名物連載「日本の聖域」をまとめた第六弾。今回は「新型コロナウイルス」問題が中心となる。欧米と比べて感染者数も死者数も段違いに少ないのに、日本はなぜ医療崩壊の瀬戸際に立たされているのか。なぜアジア諸国に比べて、経済状況の悪化が激しいのか。エビデンスが信頼に値しない緊急事態宣言はなぜ何度も発出されるのか。PCR検査はなぜ受けられないのか……。答えは明白だ。人命を脅かす疾病を前にしてなお、利権拡大に勤しむダニのような人間がこの国には存在するからだ。行き当たりばったりのデタラメなコロナ対策に終始し、国民をエセ情報の沼に放り込んだ責任は誰にあるのか。しがらみにまみれ、権力、利権、欲望渦巻く国の中枢の真実に迫る。
【購入(キンドル)】
これを書いている時点で日本時間は10月31日(日)の21時過ぎ。衆議院議員選挙の開票速報をときおり見ながら書いている。「当選確実」とか「落選確実」とかという速報とともに、候補者の顔写真も報じられるのだが、与野党とも有力議員は20時の開票開始とともに当落が報じられ、なんかいつものメンツだなという感じと、知らない議員の多さ、それに高齢者の多さがすごく気になった。与野党双方に言えることだが、当選回数のわりには実績が何なのかわからない現職の多さとか、で当選回数重ねていくうちにフレッシュさも失っていき、なんだかどんよりした顔ぶれだなという気がした。

そういう、総選挙のタイミングで本書は世に出た。発刊が10月28日で、僕は発刊日にキンドルでダウンロードしたが、読み終えるのに足かけ3日を要した。僕の場合は在留届の提出が先月だったし、そもそも大使館が当地にないから、不在者投票も不可能だったわけだが、仮に日本にいて本書を超速で読んでいたとしても、投票行動に影響が出ることまでは間に合わなかっただろう。

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再読『実践Fabプロジェクトノート』 [仕事の小ネタ]

内容紹介
3Dプリンターやレーザー加工機などでデータから製品を製造できるデジタルファブリケーションが話題となっています。本書は、日本でその活動を行ってきた市民工房「FabLab(ファブラボ)」および関連施設によって書かれたデジタルファブリケーションの入門書です。本書ではFabLabおよび関連施設6か所で実際につくられた40のアイデアとそのつくり方を写真で紹介しています。たとえば、自分の顔の立体データを3Dプリンターで出力したり、アクリル板をレーザー加工機でカットしてボタンをつくったりなど、初心者でも半日程度で製作できる実例約40点を掲載。各ラボの利用案内や設置機材の説明もあり、これから自分で3Dプリンターやレーザー加工機を使ってみたいという方々にぴったりの実践的入門書です。
【購入(積読)】
10月は、仕事上の行き詰まりを感じた1ヶ月だった。あまりそれを詳述するつもりはないのだが、「今のままで本当にいいのか」と自問自答することも多く、特に、毎週土曜日に主宰しているワークショップがなくて暇な週末を過ごしたりすると、本当に余計なことを考えるのでダメだ。

で、ちょうど三連休となる10月最後の週末、気付けば10月の読書はあまり捗っておらず、1日1冊でも読まないと、毎月のノルマと思っている10冊にすら到達しないのに愕然とした。慌てて手元にある積読蔵書のうち、短時間で一気に読めそうな本書を選んで1日で読み切った。

元々、僕が前回の駐在の際に持って来ていて、そのままJICAの事務所の蔵書として寄贈していたものである。当時、JICAではブータンに第2のファブラボを作るという協力プロジェクトでブータン政府側と協議をしていたので、参考になればと思い、寄贈して帰国した。で、図らずも2年後にまた戻って来ることになり、自分自身もこの国のファブ施設を使いこなせるようになりたいと思い、昔寄贈した蔵書を手元に持ち帰って読み返すことにした。

当然、前回2014年10月29日にそのレビューをこのブログで紹介している。くしくも、時期も現在と同じ10月下旬だった。ちょうど7年ぶりの再読となった。

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