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『そして誰もゆとらなくなった』 [朝井リョウ]

そして誰もゆとらなくなった (文春e-book)

そして誰もゆとらなくなった (文春e-book)

  • 作者: 朝井 リョウ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2022/08/08
  • メディア: Kindle版
内容紹介
『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。怒涛の500枚書き下ろし!頭空っぽで楽しめる本の決定版!修羅!腹痛との戦い/戦慄!催眠術体験/迷惑!十年ぶりのダンスレッスン/他力本願!引っ越しあれこれ/生活習慣病!スイーツ狂の日々/帰れ!北米&南米への旅etc…… 一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。
【購入(キンドル)】
「岐阜県推し」と申しつつ、最近、朝井リョウの作品読んでないことに気付いた。

『正欲』とか『死にがいを求めて生きてるの』とか、この間にリリースされてた著書もあったのだけれど、タイトルだけ見てあまり買う気が起こらず、なんとなく敬遠して現在に至っている。

デビューしてからもう13年も経つのか。デビュー当時は早稲田の学生だったから、今やリョウ君も30代か。僕自身が彼の親ぐらいの世代であるため、彼が作品で取り上げるテーマに途中からちょっとついて行けなくなったわけだが、小説はついて行けなくても、エッセイが切り取る彼の日常ぐらいはちょっと覗いても面白いかも―――そう考えて今回は、最新のエッセイ集をダウンロードすることにした。

「ゆとり」三部作も、一作目の『時をかけるゆとり』を読んで面白いと思ったのは7年前。途中の二作目はすっ飛ばし、最新作にして完結編と銘打たれている本書に直接向かうことにした。なにせまだ発刊から2ヵ月しか経過してない。彼の近況を知るには最も適した1冊だ。

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『昭和40年男』2022年10月号 [読書日記]

相変わらずである。前回の記事を予約投稿して以来、また4日にわたって管理ページへのアクセスができなくなった。ブログの記事は「書きたい」と思った時が勝負、特に時々取り上げてきたブータン時事ネタは旬が命だったので、時間を置いて管理ページにアクセスできるようになった時にやろうと思っても、そう簡単には書けない。またいつかアクセスできなくなるのではないかと考えると、このままSSブログで続けるのは怖くて仕方がない。今週は、サンチャイ★ブログをたたもうかと本気で考えた1週間だった。

10月29日(土)朝、久しぶりに、パズルを解けと求められる変な英語のページに惑わされずにいきなりログインさせてもらえた。いつかまたログインできなくなるかもしれないので、今のうちに書けるテーマで急いで書いておく。


昭和40年男 2022年10月号 [雑誌]

昭和40年男 2022年10月号 [雑誌]

  • 出版社/メーカー: クレタパブリッシング
  • 発売日: 2022/09/09
  • メディア: 雑誌

【購入】
この雑誌は、日本に帰っていた9月下旬に書店で購入。テレビも見ない、ネットメディアしか情報・娯楽のソースがない現地での生活の中で、たまに食事やくつろぎの時間にパラパラとページをめくるぐらいの軽い感じで読めて、かつ手を添えて読む姿勢をとらなくてもコーヒーテーブルの上に広げておけるような活字メディアといったら、やっぱり雑誌かムックということになるだろう。

『昭和40年男』は、もう創刊から6年ぐらい経過している雑誌で、昭和41年(1966年)の丙午を除けば過去60年間の中で最も年間出生者数も合計特殊出生率も高かった昭和40年代生まれ、今でいう五十代の購買層をターゲットにしている。会社勤めももう先が見えはじめて、組織の中では扱いに困る世代である。居心地の悪さを常に感じつつ、若い世代の社員のやること、経営層がやること、ともにいちいち癪にさわり、「今の若い奴らは…」とか「昔は良かった…」的な愚痴を、同世代の仲間同士で酒を飲むとつい愚痴っている世代だ。人口構成上は大きな割合を占めていて、収入もそれなりにまだあり、けれども今の組織の中ではお荷物となりつつあって、過去の栄光にすがろうとしている―――そんな購買層を狙った雑誌は、それなりの人気を博したようで、けっこう長生きしている。

日本にいたらパラパラ立読みで済ませるところが、海外駐在だとたまの一時帰国の際にこの手の雑誌は大人買いしてしまう。そういえば、過去にこの雑誌を買ったのも、前の海外駐在だった頃にまで遡らないといけない。(注記:記憶は嘘をつくな~。調べてみたら、僕が最初に購入したのは2015年12月号であった。)

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『日本酒がワインを超える日』 [読書日記]

日本酒がワインを超える日

日本酒がワインを超える日

  • 作者: 渡邉久憲
  • 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
  • 発売日: 2021/09/28
  • メディア: Kindle版
内容紹介
読んでから、呑むか?呑んでから、読むか? 純度100%。ノンフィクションのジェットコースター経営ストーリー! 日本酒業界の売上規模が右肩下がりの状況の中、渡辺酒造店は「エンタメ化経営」で駆け上がる! いつか「日本酒がワインを超える日」を夢見て。
岐阜県にある創業151年の酒蔵・渡辺酒造店は、30年間右肩下がりの酒造業界の中で、なぜ年商約400%もの成長を実現できたのか! ? そしてなぜ、国内最多の受賞数を獲得し、世界中で数々の賞を受賞するに至ったのか? 華々しくもユーモラスな軌跡とオンリーワンの手法のエッセンスを、経営ストーリーと共に語るノンフィクションビジネス経営書。いま、日本酒に必要なのは「エンターテインメント」であるとして、渡辺酒造店が実践する「エンタメ化経営」の秘密を紐解く。
【Kindle Unlimited】
以前、十六総合研究所『「女子」に選ばれる地方』(2022年9月1日)を読んだ際、収録されている岐阜県の企業代表へのインタビューの中で、渡邉酒造が紹介されていた。その際、同社の社長が出した本についても紹介されていたので、「岐阜県推し」の一環として、いずれ読んでみようと思っていた。

Kindle Unlimitedにラインナップされたのはわりと最近なのではないか。先々週気付いたので、さっそくダウンロード。ただ、別の本(『承久の乱』)も呼んでいたし、先週は仕事の上で気の休まる日がなく、連日22時過ぎまで確実に残業していたので、睡眠不足もいいところ。読込みのペースは上がらず、200頁ちょっとの分量だったのに、読了まで時間がかかった。節の区切りが比較的こまめで、小刻みに読み進めるにはちょうど良かった。

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次回の出場はどうなる? [ブータン]


今年も辛うじてブータンチームはFIRST主催のグローバルチャレンジに出場することが叶った。

10月13日から17日まで、スイスのジュネーブで開催された国際コンテストに、18歳以下のティンプーの生徒3人が出場。180ヵ国から参加したチーム中、60位内に入ったとBBSでは報じられている。

このイベントには、メンターが2人同行した。1人はBBSのインタビューも受けているペマ・ヤンゾムで、バベサ初等学校の臨時教員である。元ファブラボ・マンダラのスタッフで、今年米国MITとファブ・ファンデーションが主催した6カ月のものづくり集中コース「ファブアカデミー」の卒業生でもある。

そしてもう1人、髭面で集合写真に写っている若者は、我がCSTのIT学科の4年生R君である。

CSTの学生で、しかも彼のことは1年以上前からよく知っているので、彼を通じてFIRSTグローバルチャレンジのことは聞いた。冒頭「辛うじて」と付けたのは、8月も下旬になって、彼が今回のブータンチームのメンターを務めているという話を彼から突然聞かされ、「渡航費用捻出のあてがないので援助して欲しい」と懇願されたからだ。

たまたまJICAの所長さんを含め、ブータン事務所の方が数名プンツォリンに来らたタイミングだったので、御一行にも彼の説明を聞いてもらった。でも、その時の僕の結論は、「今年はCSTの学生が絡んでいるだけになんとかしてあげたいけれど、来年以降は誰がブータンチームの編成に責任を持つのかが不明」で、来年以降の方針が明確に示されないなら、今年の渡航の支援をJICAに急にお願いするのは難しいのではないかということになった。

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タグ:First STEM教育
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『承久の乱』 [読書日記]

またしてもここ3日間、SSブログの管理ページにアクセスできなくなりました。記事の新規作成と投稿も、そのせいでできませんでした。毎日ログインを試み、うまくいったタイミングで一気に記事を書くようにしています。

承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)

承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)

  • 作者: 坂井孝一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/07/12
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
1219年、鎌倉幕府三代将軍・源実朝が暗殺された。朝廷との協調に努めた実朝の死により公武関係は動揺。二年後、承久の乱が勃発する。朝廷に君臨する後鳥羽上皇が、執権北条義時を討つべく兵を挙げたのだ。だが、義時の嫡男泰時率いる幕府の大軍は京都へ攻め上り、朝廷方の軍勢を圧倒。後鳥羽ら三上皇は流罪となり、六波羅探題が設置された。公武の力関係を劇的に変え、中世社会のあり方を決定づけた大事件を読み解く。
【購入(キンドル)】
なんだか、今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、盛り上がってません?Yahoo!ニュースでやたら取り上げられているのは、僕がそういう記事を選んで読んでいるから、AIによるレコメンド機能でも働いているからなのだろうか(笑)。残念ながら、僕はYouTubeのNHKのチャンネルで「だいたい10分でわかる」のシリーズを見て、一時帰国の際に2話だけ見て、でそれだけ。外国に駐在していて、大河ドラマの盛り上がり方について行けてない自分に若干のもどかしさは感じている。そのもどかしさを救ってくれているのが、「コテンラジオ」の新シリーズで鎌倉武士編が始まったことである。NHKの「だいたい10分でわかる」シリーズよりも、じっくり解説してくれていて、ポッドキャストでも聴ける。

大河ドラマはそろそろ実朝暗殺が描かれるタイミングなのだろうか。たまに猛烈に歴史の本を読みたくなる僕の、前回のブームは『鎌倉殿の13人』の放送開始前後だった。その時、坂井孝一『源氏将軍断絶』を読んだが、選んだ理由は「Kindle Unlimitedで読める」というものだった。そして、この本と争ったもう1冊が、同じ著者による『承久の乱』であった。

中公新書って、けっこう歴史上の出来事をテーマで取り上げてくれて、それが話題になることが多い。『応仁の乱』とか『観応の擾乱』とか。そんな流れの中で出てきたのが、2018年発刊のこの本。2022年の大河ドラマでこの時代が扱われるとわかっていたのかどうかは知らないが、仮にわかっていたとしても、世にあまたある「NHK大河ドラマ便乗商法」の類書と比べると本書は格が違う。この時代の歴史研究者が書いた、一流の歴史解説だといえる。

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アモチュ道路の状況 [ブータン]


アモチュの新タウン区画整備事業とともに進められる筈だった道路は、ここ数年間ほとんど同じ状況にある。僕が最初にアモチュ橋まで行ったのは2018年7月。そして今年2022年6月にも、アモチュ橋を渡ってサムチまで足を運ぶ機会があった。その間4年が経過しているが、元々バンピーな道路に加え、雨期の移動だから穴ぼこには水が溜まり、深さが予想できなくなる。所々に「洗い越し」が存在し、雨期で水量がそこそこある川を車で横断せねばならなかった。

今年の移動では久々の車酔いも経験した。プンツォリンを出発してからすぐにアモチュ道路だから、ここで酔いがはじまると、残る2時間の行程は相当きついものになる。

車は泥だらけ。汚れるだけならまだいいが、サスペンションを痛める可能性だってあるし、頻繁に水に浸かればボディやパーツの劣化も早い。

4年間ほとんど変わらなかったアモチュ道路が、ようやく整備される、今月中には整地作業が始まり、来月中には舗装工事も終わるというのが道路局職員のコメント。まあ希望的観測で言っているんだろうから発言通りには進まないとは思う。年内ぐらいには終えて、政府高官が避寒で訪れる1月頃には見違える状態になっている―――ことを期待したい。少なくとも「雨」はもう言い訳として使えないだろうし。

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この小豆は日本市場向け [ブータン]


小豆栽培がBBSで取り上げられていた。農業省のすすめで小豆栽培に転換したチラン県セルギタン・ゲオッグ(郡)からの報告で、記事のしまいの方で、来年2月に収穫された小豆は、政府に買い上げられ、日本市場に輸出されるとまで書かれていた。

僕の前回の駐在の頃、日本の商社が小豆の生産委託をブータンに導入しようとしたことがあった。日本市場にではなく、日系企業が増え続けるインド市場向けということで。しかし、農家の求める買取保証価格が高すぎて断念されたと聞く。なんでそんなに強気なんだとボヤいておられたそうだ。当時近くにおられた農業の専門家に聞くと、「小豆は生産に適した高度がトウガラシと競合するので、トウガラシを参考価格にして、それよりも高い条件が提示されないと、農家はわざわざ作付転換しない」そうだ。なるほど。

この記事によると、元々耕作放棄地だったところで小豆栽培を始めたそうだから、当時の商社さんが直面したような抵抗は農家にはなかったのかもしれない。また、記事では1kgあたり250ニュルタムで政府が買取りを保証しているみたいだが、これって相当高い気がする。日本への輸出でペイするのだろうか。ブータンで「オーガニック」といったら、粗放栽培と大きく変わらないので、価格の割に質がイマイチということにもなりかねない。「ブータン」ということもあって、最初は関心を持って手に取ってくれるかもしれないが、日本の消費者は買い続けてくれるのだろうか。

こちらで在留邦人向けにテストでもすりゃあいいのにね。在留邦人の間で、あんこの需要は確実にあると思う。数年前に日本の商社が狙っていたのだって、インドの在留邦人は皆あんこが恋しいというところに注目していた筈だ。インドのスイーツは文字通りスイートすぎるため、ほどよい甘さのあんこはありがたいのだ。国内産であっても小豆があるのなら、あんこは作ってみたい。僕ですらそう思ってしまう。

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視覚障害とICT [ブータン]


昨日、僕がフォロワー登録しているOpening Your Heart To Bhutanという国際NGOのFacebookページで、「視覚障害者向けのICTは、自立生活の鍵」というメッセージとともに、ブータン視覚障害者音楽研修センターにおける3年間のトレーナー研修プログラムがローンチされたことが報じられていた。冒頭取り上げたBBSの報道はそのローンチング式典を取り上げたものである。

こういう研修センターがすでにブータンにはあるのだというのは知らなかった。支援するのは英国拠点のOpening Your Heart to Bhutanとスイスブータン協会で、たぶん訓練用の機材の提供はこれらの外国人アクターが行うのだろう。マスタートレーナーはさすがに現地調達だろう。何しろ、Sustainable Development Fee(SDF)で召し上げられる「1泊200ドル」はデカすぎる。


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管理ページにアクセスできなくなった件 [SSブログに物申す!]

この1つ前の記事を予約投稿した10月12日夜以降、3日ほどSSブログへのログインができなくなってしまった。

「ログイン」をクリックすると、画面が英語のページに遷移し、僕が人間かどうかを確認するためにパズルを解けと求められる。この現象はここ2カ月ほど続いていて、1回だけパズルを解いて、正解だったら通常のログインIDとパスワードで管理ページに遷移することができていた。

なぜこの人間が操作しているのかどうかを確認するページが英語なのか。僕が海外在住だからなのか。こんな操作を英語で求められたらドン引きするSSブログユーザーもいただろうな。

SSBlog001.jpg
《ステップ1》

SSBlog002.jpg
《ステップ2(パズル)》

SSBlog003.jpg
《ステップ3(正解)》

しかし、4日前から起きていたのはもっとたちが悪い。

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『22世紀の民主主義』 [読書日記]

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)

  • 作者: 成田 悠輔
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2022/07/05
  • メディア: Kindle版
世の中の根本を疑え―――。断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは日本は何も変わらない。これは冷笑ではない。もっと大事なことに目を向けようという呼びかけだ。何がもっと大事なのか? 選挙や政治、そして民主主義というゲームのルール自体をどう作り変えるか考えることだ。ゲームのルールを変えること、つまり革命である――。22世紀に向けて、読むと社会の見え方が変わる唯一無二の一冊。
【購入】
一時帰国から任国に出発する前日、「暇な時にでも読もう」と軽い気持ちで近所の本屋さんで購入した1冊。昨年ぐらいから急によく名前と顔写真を目にするようになった成田悠輔さん。日経テレ東大学をYouTubeでたまに視聴させてもらっているし、僕の仕事の界隈でも、「あれ?」っというところに基調講演で登場されていたこともあった。あまり感情を表に出さず、飄々と話される語り口は、ああ僕らが育った「朝まで生討論」の世代とは違う、新しい世代のコメンテーターが出てきたんだな~と感慨深いものを感じた。

そんな成田氏の単著である。図書館で見かけたら借りて読もうと思っていた筆頭書籍だったが、発刊から間もないため、所蔵していないというケースがまだ多かった。今を時めく気鋭の学者の著書だ。販促オビにはすでに「15万部突破!」とある(僕が買った第5刷は初刷からわずか1カ月後の8月14日とあった)。ボリュームもそれほど多くないため、僕が買って任国に持ち込んだとしても、読了後多くの人の目にふれるところに置いておけば、誰かが読んでくれるに違いない―――そう考えて、購入に踏み切った。

映像メディアで見る軽妙な語り口をそのまま文章化したような書きぶりだし、今の選挙制度でいくら若者に「投票に行け」と言っても投票率が上がらない、そもそも選挙による民主主義はもう有効性が失われているという主張は、成田氏の口から度々出てくる発言なので、著者がよく言っていることを、文章にまとめたものなのだというのがわかる。そも著者は民主主義の研究者でもないわけだし、自身の研究領域としての権威付けをしようと意図して書いた本でもなさそうだ。冒頭で要約やキークエスチョンの提示、引用文献リストなど、論文としての最低限のお作法は踏まえつつも、文章のトーンは居酒屋トークとさほど変わりない。

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