SSブログ

『日本のシビックエコノミー』 [仕事の小ネタ]

日本のシビックエコノミー―私たちが小さな経済を生み出す方法

日本のシビックエコノミー―私たちが小さな経済を生み出す方法

  • 作者: 紫牟田伸子+フィルムアート社編
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
市場経済と重なるけれども、ちょっと違う。社会全体に新しい循環をつくる「シビックエコノミー」とは?大きな社会問題を解決する、小さな社会変革。

当初予定になかったのだけど、読書メーターで「読みたい本」リストに載せっ放しにしておくのみ忍びなかったので、図書館で急遽借りて、1日で一気に読んでしまった。

人口減少が始まり、地方の衰退が著しい日本で、拡充が進んだICT技術とネットワークを活用して、地域経済の活性化が進められている。しかも本書で紹介されている20の事例のほとんどが、行政主導ではなく、ある特定の人やグループの問題意識に基づく具体的な行動が、持続可能な地域経済モデルの形成につながっている。僕らのようなオジサンよりも、断然若い人々がこういう取組みを主導しているのもいい。暗い話ばかり多い日本の将来に、少しはポジティブな感情を抱かせてくれる良書だと思う。

日本に研修で訪れて、人口減少が続く山陰地方や四国地方を視察してきたブータンの地方行政官に、日本の地域おこしで成功している事例を実際に見て、何が成功要因だったと思うかと尋ねたことがあるが、異口同音に「首長の卓越したビジョンとリーダーシップ」と言ったのにはぶったまげた。え、住民じゃないんだ…。それでこれから自分は何をするかというと、「ゴミの分別、リサイクルの推進で住民を教育(educate)する」と言う。住民がそれを最優先だと思っているかどうかもわからない中で、日本の地域社会のゴミの少なさに感銘を受けたからこれから始めようという意気込みは素晴らしいが、それってトップダウンすぎるんじゃないか!?

続きを読む


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ: