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再読『ミッドナイト・バス』 [読書日記]

ミッドナイト・バス (文春文庫)

ミッドナイト・バス (文春文庫)

  • 作者: 伊吹有喜
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/09/23
  • メディア: Kindle版

内容紹介
故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。会社を辞めた長男、結婚と仕事の間で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。
【コミセン図書室】
10年ぶりの再読である。前回記事はこちらから。途中出てくるエピソードが話の本筋とどうかかわってくるのかがわからないケースもあり、読みづらい作品だったという印象だった。(今回も時間はかかった。)

その後伊吹有喜作品は何冊も読んで、他は結構いい作品も多い作家だというのはわかった。再読するにしても『ミッドナイト・バス』は違うかなと思ったが、それでも今回手に取ったのは、僕がこの、東京・池袋と新潟を結ぶ長距離バスの利用者に今後なる可能性があるからだ。

僕が今まで31年あまり過ごしてきた会社を、今年度末(つまり本日)をもって辞めるという話は、これまで何度かSSブログの中でも言及してきたが、その後何をするのかまではあまり詳述して来なかった。それは、予定通り1月から受講を開始した某グローバルディプロマコースの課題をこなすのが大変で、仕事との片手間にはできないという制約があるからで、会社を辞めても、当面は定職には就かず、この講座を生き残るのに専念したいというのが僕の希望だった。

ただ、使いたいときに機械に触れる環境には身を置いていたかった。自宅には3Dプリンタなどないし、工具も揃っているわけではない。一番近くにあったファブスペースは、これまた今年度末(つまり本日)をもって営業終了ときた。前述のディプロマコースは週単位で演習課題が出され、課題への取組状況のアップデートが求められる。現状では、土曜日に横浜のファブスペースにまで足を運び、インストラクターの指導を受け、この週1回のハンズオン実習をもとにして文章化のアリバイを作っている状況だ。

だから、平日日中でも手を伸ばせばそこに機械があるという環境をどう作るかを考えながら1月2月と過ごしていたところ、新潟県内のあるファブスペースで運営スタッフの求人が出ているのを人づてで耳にした。契約期間1年なら修業のつもりで赴任してもいいかと思った。仕事の内容としても僕がブータンで2年半滞在した時にやっていたことと大きくは変わらないし。

グローバルディプロマコースを無事卒業できたら、その後の展開は自ずと開けてくると思う。4月以降は自営業でもいいかと思ってはいたけれど、お金がもらえるならありがたいことである。給料は良くないけれど、まあ12カ月だけだったら行ってみるかと思い、履歴書を送ったらすんなり採用された。

ただ、永住ではないので、家具は買い足せない。さすがに車は買おうと思うが、軽の中古になるだろう。そうなると東京との移動は毎回車というわけにもいかない。拠点を新潟に移しても、毎週土曜日のハンズオン実習は横浜で受けなければならない。金曜日を終日勤務して、それから東京に移動して翌日横浜での実習を受けるにはどうしたらいいか―――。答えは長距離バスだ。横浜での実習が長引いても、土曜日は東京の自宅で一泊し、日曜午後には新潟に戻る。そんな日々が、5月から少なくとも6月いっぱいまでは続くのではないかと思う。

東京~新潟間の長距離バスってどんな感じなのか、深夜便はどんな感じなのか、そんなことを知りたくて、それで思い出したのが本作品だった。深夜便もあれば、日中便もある。早朝新潟に着いたらバスターミナルはどんな感じなのか、早朝池袋に着いたら?どんな乗客を運んでいるのか、乗客はどんな思いを抱きながら深夜をひた走るのか。

そんなことを感じながら読んだ。読みづらさは感じた作品ではあったものの、バスのシーンと新潟での行動の部分は前のめりに読んだ。自分がこのバスの利用者になると考えたら、ちょっとワクワク感もある。2018年には映画化もされたそうだから、原作を読んでわかりにくかったところは、改めて映像で確認してみたいと思う。

新潟の皆さま、お世話になります!
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