『問いのデザイン』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【譲渡】
ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等でファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。
初版が2020年6月に出された本。その直後に共著者の1人である安斎勇樹氏がメインスピーカーとして登壇するオンライントークイベントを聴講して、氏が本書を宣伝しておられたのを記憶している。トークイベント自体は、氏を知る人がインタビュアーになっていて、なんだか内輪で盛り上がっているイベントだなという印象があった。僕自身は全然存じ上げない方なので、そのトークイベントで何か学びがあったのかといえば、全然記憶がない。
そんな本を、なぜか2022年4月に日本から来られたうちのプロジェクトの関係者からお土産でいただいた。「関係者で参考にしていただければ」というので置いて行かれたのだが、そもそも日本語の文献を読める人間は現地には僕だけしかいないので、僕が読むことを期待して置いて行かれたのだろう。
人から薦められた本を素直にすぐに読むかどうかは、その時々の自分の問題意識の持ち方にかかっていると思う。いただいてから1年以上積読状態で放置していたのは、本書のテーマ的に緊急性がなかったからだし、今それを読んだのは、急にそれが必要だと感じたからだと思う。もっと早く読んでおけばよかったと思わぬでもないが、そこは忙しさとの兼ね合いもある。
で、なぜ急に今読んでおこうと思ったかと言えば、理由は2つある。1つは毎度のことながら、任期終了時に向けた積読蔵書の圧縮作戦の一環。そしてもう1つは、熟練のファシリテーターが行う地域の課題解決に向けたソリューションのプロトタイピングのイベントを、間近で見る機会があったからだ。
『Processingなら簡単!はじめてのプログラミング『超』入門』 [仕事の小ネタ]

Processingなら簡単! はじめてのプログラミング『超』入門 (エンジニア入門シリーズ91)
- 作者: 宮田 章裕
- 出版社/メーカー: 科学情報出版株式会社
- 発売日: 2021/03/12
- メディア: 単行本
本書は、プログラムを「使う側」から、「作る側」になるための入門書です。プログラムを作る行為のことを、プログラミングといいます。プログラミングとは、より具体的には、プログラミング言語を用いてコードを書くことです。プログラミング言語とは、プログラムを作成するための人工言語です。 本書では、Java に基づいて作られたProcessing というプログラミング言語を用いてプログラミングの基礎を学びます。Processing は無料で利用できるオープンソースの言語です。容易に描画やインタラクティブアニメーションを実現できるのが特徴です1。同時に、より複雑なプログラミング言語であるJava やC 言語と似た文法で、簡単にプログラムが書けるため、プログラミング初心者の勉強用途にも適しています。【購入】
7月末に仕事が大きなヤマ場を越えてから、僕は来るべき離任の日を目指し、徐々に身の回りの品々の減量を開始している。「減量」としたのは、形を変えて当地に残してくるものや、書籍で言えば当地の日本語書籍の蔵書棚に加えてもらおうと考えているものがある一方で、とっととEMSか何かで日本に返送してしまい、日本に帰ってから引き続き使おうと思っている書籍もかなり多くあるからである。
本書もそんな1冊だ。Processingのことは、以前micro:bitをかじっていた頃に独習で読んだMATHRAX著『プログラム×工作でつくるmicro:bit』の中で知った。micro:bitのジャイロセンサーを用いてビジュアルエフェクトを操作するという連携をプログラムするのが課題としてあったのだが、シリアルポート選択ができずに頓挫し、それ以上先に進めなくなった。仕方がないのでProcessingだけでも先に覚えてしまおうと思い、「『超』入門」というタイトルに惹かれて購入して持ってきた。
アマゾンの書評にも「初心者向けでわかりやすい」とのコメントがいくつかあった。本書が想定読者としている「理工系学部・ 学科の大学1 年生」にとっては、ひょっとしたらわかりやすい記述なのかもしれないが、正直言えば僕にはわかりにくかった。本書に収録されたサンプルコードは、(半角のバックスラッシュ「\」の入力方法がわからずに放置した2つのコードを除いて)ひと通り自分で入力もして、動作確認もしたのだが、それで自分が応用技でコードがスラスラ書けるようになったとは全然思えない。
『金属加工が一番わかる』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【購入】
金属加工は、いろいろな金属を切ったり曲げたり溶接したりして製品をつくる製造業の根幹を成す仕事のひとつであり、加工方法にも切削加工、放電加工、鋳造、粉末整形、鍛造、熱処理、プレス加工、板金加工、溶接加工などさまざまなものがあります。本書は金属加工について、基礎知識から学べるように加工の種類、手順、どのような製品が生まれるのかといったことをわかりやすく解説します。
2023年3月31日の八重洲ブックセンター本店の閉店日に行って購入してきた4冊のうちの2冊目。仕事上、ここまでの金属加工を自分で行う必要はないのであるが、鋳造ぐらいはちょっとやるかもしれないと思ったので、一度全体的な枠組みを理解しておこうと思い、こういう図解書に手を出した。
理解のための全体的枠組みは以下の通りだ。
金属素材の理解
金属原料を金属素材に加工:「鋳造」「粉末成形」
金属素材に施す加工:「鍛造」「圧延」「押出し・引抜き」「切断・切削」「熱処理」
(材料から半製品)
プレス加工、機械加工:「せん断加工」「曲げ加工」「絞り加工」「張出し加工」「切削・研削」
(半製品から製品) 「溶断・溶接」
表面処理:「めっき」「塗装」
以上の各論解説のうち、ちょっと知っておいた方がいいと思ったのは金属素材の理解の部分で、あとは「鋳造」にしても「切削・研削」にしても、実際のところはすでにかじってやったことがある。個人のレベルで雑にやっている間はこれくらいの経験でもいいが、もうちょっと製造業っぽい形で取り組むとしたら、これらの加工技術は知っておいて、素材の性質や作りたいものに合わせて、引出しから出してきて適用できるようになれるといい。もちろん、プロレベルにまで技能を磨けというのではなく、こういうのを知っている方々と一緒に仕事したりする機会があれば、打ち合わせたりする時の共通言語として、知っておいた方がいい内容だと思う。
今はこうして本書をブータンにまで持って来てしまっているが、任期終了した時にこのまま本書を置いて来ても役には立たないと思うので、取りあえずは持って帰るつもり。今働いている会社を辞めたら、もうちょっとちゃんと学びたいと思っている技術領域の1つである。
『演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践』 [仕事の小ネタ]

演奏するプログラミング、ライブコーディングの思想と実践 ―Show Us Your Screens
- 作者: 田所 淳
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2018/12/21
- メディア: 単行本
内容紹介【購入】
ライブで、即興的に、コードを書き/編集しながら、音楽や映像を奏でるライブコーディングは、パフォーミングアートにおける新たな表現形態であり、音楽においては21世紀のパンクミュージックであり、プログラミングにおいてはある意味ラッダイト運動とも言えるものです。
本書は、ライブコーディングの実践者として世界で活躍する田所淳氏による、Sonic PI、TidalCyclesなどを用いたライブコーディングの入門から応用までを丁寧に解説した書籍です。
日本のメディアアート系プログラミングを学ぶ者なら必ず参照するyoppa.orgの運営者である田所氏の解説によって、読者をわかりやすく習得へと導きます。
僕は時々、「テクノロジーをブラックボックス化しない」「テクノロジーの民主化」という言葉を用いて、ファブラボを語ろうと試みることがある。先月機会があって20年来のインドの知人とZoomでチャットする機会があったが、IT業界で名をはせ、今は女性や高齢者、貧困層のエンパワーメントをICTを用いて進めようとする社会事業に取り組む彼も、「わけのわからない技術で自分たちの生活が支配される」という理由で、AIには否定的だと言っていた。
同じようなことは、プログラミングの世界にも言えるのかもしれない。コードをどう書いて「RUN」コマンドを叩いたら、コンピュータはどう作動するのか、そのコードのどこをどう書き替えたら、最初の動作はどう変わっていくのか、そういうのの反復練習がプログラミングを覚えるのにつながる。そして、それを大画面に投影して、他の大勢の人にもライブで見てもらうと、多くの人にもプログラミングに興味を持ってもらえるし、学びにもつながっていく可能性がある。
―――自分なりに、「ライブコーディング」とはそういうものだと理解した。
『ル・コルビュジエ』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【購入】
20世紀を代表する、最も有名な前衛建築家、ル・コルビュジエ(1887-1965)。「全ての建築家にとっての強迫観念(オブセッション)」「近代建築の言語そのもの」……。スイスの若き時計工芸家は、なぜこれほどまでの世界的名声を勝ち得たのか。師との出会いと決別、数多のコンペティション落選や学界との論争、生涯転身し続けた作風の背景――。建築界の巨匠を“人文主義者”という視点で捉え直し、豊富な図版と共に、その全体像をクリアに描き出す!
うちのカレッジには建築学科がある。伝統的な組積造建築よりも、鉄筋コンクリートを使った平滑な壁面処理を行うようなモデル製作の方を見かけることが多いので、モダニズム建築も学んでいるんだろう。学生との話の種にでもなればと思い、本書も読んでみることにしたが、実際のところファブラボCSTを利用している学生の中に、建築学科生とIT学科生は非常に少ないのが現状。コーディング命のIT学科生が実体のものづくりに関心を示さないのも残念だが、模型製作の際だけでも相当利用できそうな建築学科生の利用率が伸びないのはちょっと残念だ。今のところ、ル・コルビュジエの話題を仕入れても、宝の持ち腐れかもしれない。
しかし、本書を手にしたもう1つの理由は、ル・コルビュジエの設計した都市と建造物がお隣りのインドにはあるからだ。きっかけがなくて僕は自分がインド駐在していた3年間のうちに一度も行けなかったのだが、チャンディガルのことである。1950年からル・コルビュジエが都市計画の策定に関わっている。
『学校という「ハコモノ」が日本を救う』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【Kindle Unlimited】
公立学校は、日本中の人口密集地に集中し、しかも全国各地に大量に存在している。しかし、その充実した施設群は、1年のうち170日間も活用されていない。そこで学校を、教員免許を持った教師だけの聖域とせずに地域の共有資産としての「ハコモノ」と考え、塾やスポーツ系企業、警備会社などの民間事業者に運営参入してもらう。すると地域の高齢者やボランティアが集う、まさに地域の「中核」に生まれ変わる! そしてそこは、「教育格差」や「孤食」を解消する、子どもたちの憩いの場所になる!! これは絵空事ではない。なぜなら、この手法は既に日本各地の刑務所の運営に使われ、成功しているシステムを踏襲しているからだ。官民連携の教育、そのために活用すべき学校という「ハコモノ」の可能性を、世界の事例も交えて全ての教育関係者、自治体関係者に問う、渾身の書!!
自分のリサーチが十分でないこともあると思うが、Kindle Unlimitedですぐに読みたい本が見つからない状態が2カ月ほど続いていた。間隔を開けた方がいいかもなと思ってしばらくKindle Unlimitedを使っていなかったのだが、つい先日、読書メーターで僕がフォローしている読書家の方が、本書を紹介しておられて、しかもKindle Unlimitedとあったので、すぐにダウンロードしてみることにした。
廃校の校舎の利活用の話なのかと思っていたがさにあらず、既存の学校でそろそろ建替えの時期が到来している校舎から、民間事業者の運営参入を見越した設計として、建替えにかかる資金も民間から調達しようというPFIのお話しだった。
それはそれで面白かったので良しとする。もう20年も前になるが、当時勤めていた部署で官民連携(PPP)とかPFIとか勉強会を主催してレポートを書いていた時期が僕にはある。当時の文脈ではもっと大きな運輸交通インフラや水道、通信などでのPPPの話が中心だったが、少しだけ教育や保健の話も取り上げた。当時から比べればPPPの余地ははるかに広がっていて、本書の話も、ハコモノとしての学校の活用の話。どこの地域でもコミュニティの中心に学校は存在し、廃校になるとそのコミュニティは廃れていくリスクが相当高いと言われている。
『だれでもデザイン』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【購入】
みんなのためのデザインから、一人ひとりのためのデザインへ。偶然の出会いを大切に、隣の人の脳みそも借りて。スケッチして、観察して、アイデアを伝え合う。Suicaの改札機、美しい義足。人間と新しい技術の関係を考えつづけてきたデザイナーが中高生に語る、物づくりの根幹とこれから。「才能とは無関係。誰もが身につけられる方法を話します」
・ささやかでも、誰かを確実にハッピーに
・まわりのものをよく見る(本当に見てる?)
・言語としてのスケッチは確実に上達する
・楕円が描ければ、人工物も、自然物もなんでも描ける!
・ものを作るために、作り方を発明する
・「誰も見たことがないもの」を描く
・アイデアが生まれる瞬間に触れる
・「うまくいかなさ」をいくつも発見する
・ウケなくてもくさっちゃダメ
・「ひとりのため」のデザインが未来を開く
人間がなにかを作ることの意味を、作りながら手で考える。本書で、一緒に手を動かしながら、体感してみてください。
今から1カ月前の話になるが、東京駅近くの八重洲ブックセンターが閉店した。自分の記憶が正しければ、僕が父に連れられて初めてこの書店に来たのは、1979年3月下旬のことだ。虎ノ門で開かれた英検の表彰式で村松増美先生の講演を聴き、岐阜に戻る前に立ち寄ったこの巨大書店で、父に買ってもらった1冊が村松増美『私も英語が話せなかった』(サイマル出版会)だった。
大学に入ってからも、ここの語学書・洋書階にはたびたびお世話になった。バイトのヘルプで某フロアのエスカレーター踊場で働いたこともある。初めての訪問から44年後、3月31日で閉店を迎えるこの老舗書店で、かなりガラガラになっていた棚を物色し、4冊を購入して、愛着あるこの建物に別れを告げた。
本日ご紹介する本は、その最後に購入した4冊のうちの1冊である。「デザイン」書籍のコーナーに平積みされていた。著者のことはほとんど何も知らなかったが、「だれでも」というタイトルに惹かれて手に取った。閉店前の割引があったわけじゃないが、360頁もある本で税別1900円なら、出してもいいかと思って購入した。今週ようやく読み始めた。結論はというと、お金を出した以上の価値のある本だった。
『異彩を、放て。』 [仕事の小ネタ]

異彩を、放て。―「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える―
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2022/10/19
- メディア: Kindle版
内容紹介【MT市立図書館】
「ふつうじゃない」は可能性だ!
注目のスタートアップ企業ヘラルボニーの双子経営者が語る起業の軌跡!!
「障害」が絵筆となって生み出されるアート作品を世に解き放つ双子の起業家。ジャケット、バッグ、さらには駅や空港のアートラッピングと、その活動範囲はこれまでの常識を軽く飛び越え広がり続けている。「僕らは未来をつくっているんだ」という彼らの原点、そして未来を初めて明かす1冊。
前回に引き続き、「障害」をテーマに取り上げる。ヘラルボニーのことは、またしてもコテンラジオで知った。例の「障害の歴史」の8回シリーズが終わったところで、番外編として「株式会社ヘラルボニーの挑戦 〜障害×アートによるビジネスが描く社会の新たな目線〜」がOAされた。そこで本書の存在を知り、市立図書館で検索してみたら即貸出可能だったので、すぐに借りた。
内容紹介の記述でも多少イメージできると思うが、より詳述すると、同社のブランド事業とは次のようなものだ。
異彩作家と契約を結び、作品をアートデータにし、その管理や契約手続きなどをヘラルボニーが担当する。そしてさまざまな企業や団体とコラボレーションしたり、自社プロダクトを企画制作・販売したり、仮囲いや壁面、車両ラッピングなどまちの風景をミュージアムにしたりする。そうやって得た収益を異彩作家やその在籍する福祉施設へ還元するのだ。
それぞれの作家・福祉施設には、HERALBONYの物販売り上げの5%、ライセンス契約料の約3%、仮囲いアートミュージアム作品使用料の約10%が支払われる。
また、アートデータ提供で契約料の30%、原画販売売り上げの40~50%を支払うことにした。(pp.130-131)
共同創業者の2人の双子は、4歳年上の兄がいて、幼い頃から一緒に遊んでいた。その兄が自閉症で、自分たちはいつも一緒に遊んでいてそういうものだと思っていたけれど、やがて周囲からもたらされるスティグマと直面するようになり、「兄の暮らすこの世界を、少しでもマシにしたい、兄に対する冷たい視線を、ずっと見て見ぬ振りをするのはもうイヤ」だと考えるようになった。
『わたしが障害者じゃなくなる日』 [仕事の小ネタ]

わたしが障害者じゃなくなる日 〜難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中のつくりかた
- 作者: 海老原宏美
- 出版社/メーカー: 旬報社
- 発売日: 2019/06/01
- メディア: 単行本
内容紹介【MS市立図書館】
障害者なんて、いないほうがいいのでしょうか? 難病をかかえ、人工呼吸器とともに生きる著者からのメッセージ。人は、ただ地面が盛り上がっただけの山の景色に感動できるのだから、同じ人間である障害者に感動できないはずがない。必ずそこに価値を見いだせるはず——。重度障害者として暮らす著者が、その半生をふりかえりながら、障害とはなにか、人間の価値とはなにかを問いかけます。
著者は東京都女性活躍推進大賞を受賞し、障害者問題のオピニオンリーダーとしても活躍中。「合理的配慮」など障害者理解に欠かせないテーマも取り上げ、「共に生きる社会」をみんなでいっしょに考えるための1冊です。
本書も、読書メーターで何かの拍子で知った。ブータンでも愛聴している「コテンラジオ」でつい最近まで「障害の歴史」の8回シリーズを聴いていたこともあるし、その前後に自分の勤務しているファブラボで、障害当事者の小中学生とデザインをかじった大学生が混じって自助具を試作するという「メイカソン」を主催してみたりして、ブータンの障害当事者の方々とも接する機会が最近とみに多いので、この際だからとその一環で近々読もうと考えていた。
余談だけれど、そのコテンラジオの「障害の歴史」シリーズの中でも、本書の論点と通じるのは第7回・第8回である。併せて視聴されることをお勧めしたい。
『野生化するイノベーション』 [仕事の小ネタ]

野生化するイノベーション―日本経済「失われた20年」を超える―(新潮選書)
- 作者: 清水洋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/08/21
- メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)【購入(キンドル)】
「最新経営学」で日本企業を復活させる!「米国のやり方」を真似すれば、日本の生産性は向上するはず―そんな思い込みが、日本経済をますます悪化させてしまう。米・英・蘭・日の名門大学で研究を重ねた経営学のトップランナーが、「野生化=ヒト・モノ・カネの流動化」という視点から、イノベーションをめぐる誤解や俗説を次々とひっくり返し、日本の成長戦略の抜本的な見直しを提言する。
2019年に職場で机を並べていた同僚から、昨年突如メールが来て、薦められた本。その同僚と一緒に仕事をしていた当時は、年下なのに平気で人をバカ呼ばわりするそいつに反目し、何度も口論に至った。あまり印象は良くない奴だったけれど、他人がバカに見えるぐらいに仕事は猛烈にできた。付き合いで飲みに行ったりするのは時間の無駄だと公言していて、確かに読書家であった。
そんな彼が、机を並べていた当時僕が言っていた話が最近ようやく理解できるようになってきたと言って、そのきっかけになった本を数冊紹介するのに僕にメールしてきたというわけ。著者が頻繁に用いておられる「ジェネラルパーパス・テクノロジー」(汎用性の高い技術)というのが、僕が当時「やりたい」と言ってたことと通じると彼は感じたらしい。
確かに、最近うちのプロジェクトに来られていた日本人研究者も、デジタル・ファブリケーションを「ジェネラルパーパス・テクノロジー」と表現していた。汎用性が高いという意味では、確かにそうだと思う。