『DXとは何か』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【購入(中古)】
DXで最も重要なのは何か? あらゆる組織で成功させる秘訣を公開する。
デジタルトランスフォーメーション、略して「DX」。現在および近未来のネットインフラを活用した高効率化だ。特に日本は少子高齢化で、人手や税金の不足を補うためにも必要不可欠である。しかし正しく理解し実践されているケースは稀だ。DXを推し進めるために必要なことは何か。世界に先駆けるコンピュータ学者が提言する。
今月の積読蔵書削減計画の一環で読んだ本。先週インドネシアに行く際に持って行き、帰路で読み切った。読了から数日間があいてしまったのは、ブータンに戻って来てから昨日までの数日間が、怒涛の忙しさだったからだ。その間ティンプーはツェチュ(大祭)の祭日だったが、僕のいるプンツォリンは平日。休暇を取っている間に同僚に頼んであったことがほとんど進んでおらず、おかげでそれらを少しでも片付けるのに忙殺されてきた。(僕も休暇を取ってインドネシアでのファブ・チャレンジに参加していたのだから、ティンプーが祭日だったからといって、何か不平を言えた義理ではない。)
さて、本日ご紹介の本は新書。しかも購入は4月初旬の一時帰国の時である。自宅の断捨離で蔵書を数冊ブックオフに持って行った際、もらったお金で新書として1冊購入したものだ。新書だからいつでも読めるだろうと思いながら、読み始めるのに5カ月もかかった。後ろが決まっていなかったら読み始められなかっただろうが、それでもこのタイミングにしたのは、1つには飛行機の旅のお供に最適だったからで、もう1つは9月27日にこのテーマとの関連で、派遣元の主催する研修でオンラインでレクを行うことになっていたからだ。
僕の仕事との関連で言えば、著者が序盤で論じている「オープン」であることの意義のうち、「オープンソース」は特に関連する。GitHubのようなソースコードの共有プラットフォームの話にとどまらず、僕らのものづくりでは、作ったプロセスを文章化して、データとともに公開することが求められる。100%その原則にそって公開するのは時間の関係もあって追いついていないところもあるけれど、少なくとも方向性としてはそれをめざしている。
『問いのデザイン』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【譲渡】
ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等でファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。
初版が2020年6月に出された本。その直後に共著者の1人である安斎勇樹氏がメインスピーカーとして登壇するオンライントークイベントを聴講して、氏が本書を宣伝しておられたのを記憶している。トークイベント自体は、氏を知る人がインタビュアーになっていて、なんだか内輪で盛り上がっているイベントだなという印象があった。僕自身は全然存じ上げない方なので、そのトークイベントで何か学びがあったのかといえば、全然記憶がない。
そんな本を、なぜか2022年4月に日本から来られたうちのプロジェクトの関係者からお土産でいただいた。「関係者で参考にしていただければ」というので置いて行かれたのだが、そもそも日本語の文献を読める人間は現地には僕だけしかいないので、僕が読むことを期待して置いて行かれたのだろう。
人から薦められた本を素直にすぐに読むかどうかは、その時々の自分の問題意識の持ち方にかかっていると思う。いただいてから1年以上積読状態で放置していたのは、本書のテーマ的に緊急性がなかったからだし、今それを読んだのは、急にそれが必要だと感じたからだと思う。もっと早く読んでおけばよかったと思わぬでもないが、そこは忙しさとの兼ね合いもある。
で、なぜ急に今読んでおこうと思ったかと言えば、理由は2つある。1つは毎度のことながら、任期終了時に向けた積読蔵書の圧縮作戦の一環。そしてもう1つは、熟練のファシリテーターが行う地域の課題解決に向けたソリューションのプロトタイピングのイベントを、間近で見る機会があったからだ。
『すばらしい新世界』再読 [読書日記]
内容(「BOOK」データベースより) 途上国へのボランティア活動をしている妻の提案で、風力発電の技術協力にヒマラヤの奥地へ赴いた主人公は、秘境の国の文化や習慣に触れ、そこに暮らす人びとに深く惹かれていく。留守宅の妻と十歳の息子とEメールで会話する日々が続き、ある日、息子がひとりでヒマラヤへやってくる…。ひとと環境のかかわりを描き、新しい世界への光を予感させる長篇小説。【購入】
12年ぶりに本作品を再読することになった。前回は日本にいて読んだが、ヒマラヤの山岳内陸国でのオフグリッド電源開発について考えるにはいい作品だと思ったので、読了後現地に置いて行くことを前提に、今年4月の一時帰国中に中古書籍を購入してブータンに持って来ていた。
ちなみに、前回読んだ2011年3月4日のレビュー記事はこちら。
https://sanchai-documents.blog.ss-blog.jp/2011-03-03
先月から取り組んでいる未読蔵書削減計画の一環で読んだ。本当は9月も初旬から読み始めていたのだが、仕事があまりにも立て込んだため、15日までに読了することがかなわず、私事で向かったインドネシアにも携行し、途中の経由地シンガポール滞在中に読了した。旅のお供は長編小説に限る。
こうして久々の再読を楽しみながら、この本をどこに置いていくのがいいのか、ちょっと悩む事態が生じている。当然、僕の当初の想定はブータンの首都で、日本人のODA関係者が出入りするレストランの文庫本棚にサクッと加えてもらうことだったのだが、10月初旬、2泊3日でネパールの首都・カトマンズを訪問することになった。当然、宿泊先は「サンライズ・ホテル」のモデルになった「ホテル・サンセット・ビュー」を考えている。(さすがに「のり子さん」のモデルにはお目にかかれないかもしれないが。)
日本人のODA関係者に会えるのかどうかはわからない。今僕が関わっている仕事は、ODA関係者からはあまり見向きもされてない。新しい概念を外から持って行くと極端に警戒されるのはよくあることだ。
『Processingなら簡単!はじめてのプログラミング『超』入門』 [仕事の小ネタ]
Processingなら簡単! はじめてのプログラミング『超』入門 (エンジニア入門シリーズ91)
- 作者: 宮田 章裕
- 出版社/メーカー: 科学情報出版株式会社
- 発売日: 2021/03/12
- メディア: 単行本
本書は、プログラムを「使う側」から、「作る側」になるための入門書です。プログラムを作る行為のことを、プログラミングといいます。プログラミングとは、より具体的には、プログラミング言語を用いてコードを書くことです。プログラミング言語とは、プログラムを作成するための人工言語です。 本書では、Java に基づいて作られたProcessing というプログラミング言語を用いてプログラミングの基礎を学びます。Processing は無料で利用できるオープンソースの言語です。容易に描画やインタラクティブアニメーションを実現できるのが特徴です1。同時に、より複雑なプログラミング言語であるJava やC 言語と似た文法で、簡単にプログラムが書けるため、プログラミング初心者の勉強用途にも適しています。【購入】
7月末に仕事が大きなヤマ場を越えてから、僕は来るべき離任の日を目指し、徐々に身の回りの品々の減量を開始している。「減量」としたのは、形を変えて当地に残してくるものや、書籍で言えば当地の日本語書籍の蔵書棚に加えてもらおうと考えているものがある一方で、とっととEMSか何かで日本に返送してしまい、日本に帰ってから引き続き使おうと思っている書籍もかなり多くあるからである。
本書もそんな1冊だ。Processingのことは、以前micro:bitをかじっていた頃に独習で読んだMATHRAX著『プログラム×工作でつくるmicro:bit』の中で知った。micro:bitのジャイロセンサーを用いてビジュアルエフェクトを操作するという連携をプログラムするのが課題としてあったのだが、シリアルポート選択ができずに頓挫し、それ以上先に進めなくなった。仕方がないのでProcessingだけでも先に覚えてしまおうと思い、「『超』入門」というタイトルに惹かれて購入して持ってきた。
アマゾンの書評にも「初心者向けでわかりやすい」とのコメントがいくつかあった。本書が想定読者としている「理工系学部・ 学科の大学1 年生」にとっては、ひょっとしたらわかりやすい記述なのかもしれないが、正直言えば僕にはわかりにくかった。本書に収録されたサンプルコードは、(半角のバックスラッシュ「\」の入力方法がわからずに放置した2つのコードを除いて)ひと通り自分で入力もして、動作確認もしたのだが、それで自分が応用技でコードがスラスラ書けるようになったとは全然思えない。
『カモナマイハウス』 [重松清]
【購入(キンドル)】
内容紹介
空き家の数だけ家族があり、家族の数だけ事情がある――。
不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。両親の介護を終えた妻・美沙は、瀟洒な洋館で謎の婦人が執り行う「お茶会」に参加し、介護ロスを乗り越えつつあった。しかし、空き家になっている美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによって遺体安置所に改装されようとしていることを知り……。元戦隊ヒーローの息子・ケンゾー、ケンゾーを推す70代の3人娘「追っかけセブン」など、個性豊かな面々が空き家を舞台に繰り広げる涙と笑いのドラマ、ここに開幕!
7月下旬に出たばかりの重松清の新作。今週末、特に日曜日だけを費やしてイッキに読み進めた。
主人公・孝夫が会社でのポストオフのあと、関連企業に出向して働いている点とか、妻が実家の両親の介護を経ているところとか、なんだかうちの置かれた状況とよく似ているかもと思いながら読んだ。
厳密にいえばうちの場合は僕の実父だけが他界しており、他の親についてはまだ本格的に介護を必要としている状況ではない点、3人いる子どものうち、上の2人は取りあえずは就職して普通に働いている点とか、違うところもあるのだが、僕も妻も自分たちが生まれ育った家がこれから10年ぐらいの間に居住者がいなくなる事態を迎えるのは確実だし、同じ結婚して構えた新居も、子どもたちがひとりまたひとりと巣立って行き、近い将来、「マイホームをどうするか」という問題にも直面する。
さすがは僕と同い年の作家さんだ。押さえるポイントには共感するところが大きい。
元々雑誌『婦人公論』で「うつぜみ八景」という題名で連載されていたらしい。『カモナマイハウス』への改名が必要だったのかは疑問が残る。扱っているテーマはカタカナ表記できるほどコミカルなものでもないし、内容紹介で書かれているほど笑いが散りばめられていたわけでもない。内容としてはもうちょっと重く、読者に考えさせる内容だと思う。妻が生まれ育った実家が取り壊されていくシーンとかは、やはり涙を誘うものがあった。同じような光景を、僕らも早晩見ることになるのだから。