『Notion 最強の仕事術』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【MT市立図書館】
Notionは「オールインワン・ワークスペース」と銘打っている通り、さまざまなツールの機能を包含したオンラインツールです。使いこなせると便利ですが、機能が多く、どうやって使ったらいいかがわかりにくい面もあります。そこで本書では、「Notionを使ってどのように仕事をするか」という観点でNotionの使い方を解説していきます。メモから始め、タスク管理、議事録、プレゼンテーション、情報収集、社内ポータルなど、実際に著者が所属している会社での具体例をもとに、わかりやすく解説しています。
昨年知己を得た方から、「プロジェクトのドキュメンテーションプラットフォームはいろいろ試してみたが、Notionが最も使い勝手がいい」と勧められたことがある。ここで言う「プロジェクトのドキュメンテーション」とは、短期間で行われるデザインスプリントのグループワーク―——フィールドワーク、アイデア出し、プロトタイピングという一連の作業を、参加者がどのように行い、何が学びでどんなアイデアが出され、どのような検討プロセスを経てグループで取り組むアイデアがまとまったのか、どのようなツールを使ってプロトタイピングは行われたのか、全てを文章に落とし込むというものである。
写真や動画の挿入は大いに結構。当然ながらプロトタイプを作ったら、設計データも併せて共有しようとなる。そしてこれらが公開されると、世界各国で同じような問題意識を持っていた人々がそれを参照し、それに各々の地元の文脈を加味して改編が行われ、それがさらに文章化されることで、さらに拡散していき、小さなイノベーションの輪がどんどん広がっていくのが期待されている。
従って公開は大前提。しかもグループで作業するので、皆が閲覧して、書き込みができると良い。
この、グループワークと公開が両立しているプラットフォームとして、僕はNotionの他に、Fab ManagerやFabble(ファブル)を使ったことがある。どれがいいのかはまだ良くわからないが、自分が関わったプロトタイピングのプロジェクトの情報共有プラットフォームが、あっちにもこっちにもあるというのは結構具合が悪い。自分はどのような人間で、これまで何を作ってきたのか、そのポートフォリオを1つのプラットフォームで見せられたらいい―――そう思っていたところ、GitとGitLabを使って自分のドキュメンテーションプラットフォームを作ってウェブ公開するという演習が始まってしまった。GitLabでバージョン管理している僕のウェブサイトには、自己紹介のページもあるし、グループワークのドキュメンテーションのページもあって、一応共同作業ができるようになってはいる。ただし、英語だ。
だから、少なくとも自分が行った英文でのドキュメンテーションについては、このサイト上でポートフォリオ管理を続けて行くのが自然な流れだと思っている。
ただ、それはそれで価値あるものだと思うものの、日本語でのポートフォリオ管理がどこかでできないものかとも思っていた。僕がSSブログやnoteで書きまくって来たもの、さらにFabble等で掲載した過去のプロジェクトの実績等だ。そうしておくと、将来的に自分の仕事探しの際のアピールにもなる。
今のところ、仕事と直結させるような自分の実績ポートフォリオとして使っているのはnoteなのだが、冒頭ご紹介したこの知人は、Notionでポートフォリオ管理していると仰っていた。
どういうことなのだろうか。実際Notionをダウンロードして試用してみたけど、あまりピンと来ない。個々のプロジェクトの共同作業、ドキュメンテーションと情報公開には確かに便利だと実感できたが、他のプラットフォームに比べてそれほど大きな利点があるとは思えなかった。
そこで、実際Notionはどう使われているのかちょっと知りたいという思いで、市立図書館での図書借出しのチョイ足し図書として本書を追加で借り、パラパラと読んでみた。
結論を言うと、やっぱりよくわからなかった。「どうにでも使える」と言われてしまうと、どう使っていいのかがわからない。また、本書は組織管理にNotionを実際に取り入れたITコンサルティング会社のスタッフが書いているので、基本的にプロジェクトの共同作業のプラットフォームとして使う場合のノウハウ等が収録されていて、あまり個人ユースについては詳述されていない印象を受けた。
それに、ドキュメンテーションの公開については、ほとんど言及がない。
結論を言ってしまうと、この本はある程度Notionを導入して利用模索を始めている企業内組織で、ある程度Notionの基本構造を知った上で、「こう使ったらもっと効率がアップする」というところを狙って書かれた本だと思う。Notionの探求をほとんどしてこなかった予備知識ゼロに近い読者が、個人で使うことを想定して書かれた本ではないので、注意が必要だと思った。
唯一、「これはいいかも」と思ったのは、このところ、いろいろ有用情報のあるウェブサイトを紹介されて、そのたびにブックマーク登録を増やしてとんでもない数に膨れ上がっている状況を管理するのには取りあえず使えるという点か。とにかく、使ってみないとよくわからないので、このあたりから使用を始めてみて、自分なりに機能の探求を進めてみたいとは思っている。
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