再読『ハルロック』 [仕事の小ネタ]
ハルロック コミック 全4巻完結セット (モーニング KC)
- 作者: 西餅
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: コミック
内容紹介【購入(キンドル)】
時代はアプリ?いやいや、電子工作でしょ! 女子大生の向阪晴(さきさかはる)が得意の電子工作を駆使してあれやこれやを一気に解決!? 前代未聞の「電子工作コミック」、待望の第1巻がついに発売!
1つ前のブログ記事でも触れた通り、この土曜日、5カ月間準備を進めてきていた某私大の夏期講座が無事終了した。タダ働きだったわりに3月下旬の準備段階の作業で精神的負担が大きかったことや、講師をお願いしていた方々のレスが直前までほとんどなかったことからハラハラしたこと、そして1週間のプログラムを時差3時間の当地から運営したこと(毎日の講義は朝6時30分スタート)等、終わった時点では非常に疲れた。もっと言うと、僕は先々週の週末からひどい下痢に悩まされ、食べたものが水になって出ていく状態が5日続き、その後ようやく収まってきたと思ったら、お腹は痛いのに何も出ない日がさらに2日続いた。外を歩くとめまいがするような状態で、かなり苦しい中での夏期講座運営だった。
それが土曜午後3時(当地時間)にようやく終了し、僕は一種の「燃え尽き」状態に陥った。何も手に付かない状態で、普通の読書も手に付かなかった。特段娯楽がある国でもないため、そこで僕がやったのは、昔キンドルでダウンロードしてあったマンガを読み返すことであった。
読んだのは、2015年9月に一度ご紹介している『ハルロック』。高校時代に教わった教師から電子工作を習い、身近な課題の解決を電子工作によって次々解決していく女子大生が主人公の、ジャンル的にはコメディである。
プンツォリン、オンライン学習の課題 [ブータン]
プンツォリンの生徒のオンライン学習への対処
Students in Phuentsholing cope with online classes
Rajesh Rai記者(プンツォリン)、Kuensel、2021年8月28日(土)
https://kuenselonline.com/students-in-phuentsholing-cope-with-online-classes/
【要約】
プンツォリンの学校はオンライン授業で多くの経験を積み、改良も進んだといわれているが、生徒も父兄も教員も、オンライン学習での挑戦を続けている。クラス9からクラス12の生徒が最近プナカに移動したが、クラスPPからクラス8の授業は依然としてプンツォリン市内で行われている。
スマホを持たない生徒もいる一方、スマホを持つ父兄も、データパッケージのリチャージでは課題に直面している。オンライン授業は、子どもの父兄が学習支援を行う前提があったが、働いている親にとっては、子どもに教えたり助言を与えたりしている時間は十分ではないという。また、教育を受けていない親は、子どもの学習に助言すること自体が難しい。中には、市内の学校から子どもを市外で対面授業を行っている学校に転校させたいと希望する親も多い。
昨年3月に国境が閉鎖されたのち、市内の学校も閉鎖され、オンライン授業が始まった。2020年9月になって、クラス9からクラス12の生徒はプナカとワンデュポダンの学校に移された。しかし、2021年度の新学期が始まると、この生徒たちはプンツォリンに戻された。対面授業は4月16日までは継続されたが、翌17日、プンツォリン市は3回目のロックダウンが適用され、8月10日までロックダウンが維持された。クラス9からクラス12の生徒は移動したが、クラスPPからクラス8までの計2,750人の生徒は依然市内に残っている。
政府は対面とオンラインを組み合わせて授業を行うと明言しているが、学校は未だ再開していない。教員は、オンライン授業は、平均点以上の生徒、よく勉強する生徒に対してのみ有効だと指摘する。成績の良くない生徒にとっては、オンライン授業はあっても身の入らないものになっているとも。また、オンラインの場合は成績評価も難しく、生徒が他者と課題を協働したり、時に親が子どもの課題を手伝ったりする可能性を排除できないとも指摘する。
(後半に続く)
タグ:プンツォリン
手に入れたい、ナノンのジャゴリ [ブータン]
ナノンのジャゴリ生産、パンデミックで苦境に
Pandemic affects jaggery business in Nanong Gewog, Pema Gatshel
Thinley Dorji記者(ペマガツェル)、BBS、2021年8月25日(水)、
http://www.bbs.bt/news/?p=156194
【抄訳】
ペマガツェル県ナノン郡(ゲオッグ)のジャゴリはとても人気がある。サトウキビ圧搾汁を固まるまで煮て作る。ナノン郡内のパンタン、ツァチ村のほとんどの村民にとって、それは主な収入源の1つである。しかし、現在は主にパンデミックにより需要が減少し、多くの農家がサトウキビ栽培を躊躇している。
ノルブ・デマは、かつて約1エーカーの土地でサトウキビを栽培していた。しかし、パンデミックのため、彼女はサトウキビの作付を減らす必要にかられた。「これまで、私たちのほとんどは大規模にサトウキビを収穫してきました。しかし、パンデミックの中、ジャゴリを仕入れに来る人は多くありません。また、国内移動制限のため、売りに行くこともできません。そのため、サトウキビ栽培を減らす必要がありました。」
ジャゴリ販売により、各世帯は年間5万から30万ニュルタムの収入を得ていた。しかし今、収入はほぼ40%減少している。
別の村民であるゲドップは、自分の収入は約50%減少したと言う。彼は、自分の製品が劣化するのを防ぐために、サトウキビ圧搾汁を樽に保管した。「以前なら、すべてジャゴリにして売る方が簡単でした。でも、国内移動の制限のため、私たちはそれを人々に売れなくなりましたた。集められた15バレルのサトウキ圧搾汁で、私は9バレル分しかジャゴリを売ることができませんでした。」
ナノン郡の2つの村の約100世帯がサトウキビを収穫し、ジャゴリを生産している。ジャゴリは、体を浄化し、消化を助ける機能など健康上の利点で知られている。
シンカル村のメガソーラー発電プラントの行方 [ブータン]
牧草地喪失を危惧する住民の声が、シンカルの大型太陽光発電を混乱に
Community’s fear of losing pastureland puts mega solar project
in jeopardy in Shingkhar, Bumthang
Kipchu記者(ブムタン)、BBS、2021年8月24日(火)、
http://www.bbs.bt/news/?p=156164
【抄訳】
ブムタン県シンカル村の人々は、村に太陽光発電プラントを設置する計画をキャンセルするよう経済省に求めている。これは、国内最大の太陽光発電プロジェクトになる見込みだったが、村の人々はこのプロジェクトのために彼らの牧草地を失うことを恐れている。
シンカル村のすぐ上にある牧草地は、ソーラーパネルが設置される場所だ。 100エーカー以上の牧草地を8万枚以上のパネルでカバーするというもので、サッカー場70面分もの広さになる。
6年間にわたって行われた実現可能性調査により、この土地がこのプロジェクトに最適地であることが明らかになった。しかし、村の人々はこのプロジェクトをキャンセルするため、過去2回経済省に嘆願書を提出した。最近、経済大臣が村の人々と会い、プロジェクトの重要性を説明した。
ロクナート・シャルマ経済相は次のように述べる。私たちは通常、電力輸出国だと言われるが、それは夏の間だけのことで、冬には、国内需要を満たすためにインドから電力を輸入する必要がある。ジグミリングのような工業団地が開発中であるため、まもなく多くの工場が国内に建設されるだろうという。
「従って、私たちの毎日の国内電力需要は、今後約1年で1000MWを超える見込みです。プナサンチュ第1、及び第2発電所が稼働した場合でも、涸れた季節の発電量はわずか600MWにしかなりません。電力貿易の赤字は依然存在します。だからこそ、私たちは代替エネルギー源として太陽光に焦点を合わせているのです。」大臣はこう述べる。
「シンカルの太陽光発電プロジェクトは30MW想定であり、国内最大です。これは、当地の環境が太陽エネルギーを閉じ込めるのに最も適しているからです。周辺の山はそれほど高くないので、パネルに影を差すことはありません。水力発電とは異なり、トンネル工事、道路建設、発破工事はありません。混雑や汚染の影響もありません。」そう言うのは、再生可能エネルギー局のプンツォ・ナムギャル局長だ。
同局では、地域コミュニティはプロジェクトから利益を得るとも指摘する。「プロジェクトには良い道路が必要なので、既存の農道をアスファルトで舗装します。また、村の集会所にも太陽熱温水器を設置します。また、村の街灯も修理できます。このプロジェクトは熟練労働者をそれほど必要とせず、地域の人々もプロジェクトに参加できます。」ナムギャル局長はこう付け加える。
(後半に続く)
QR決済は確かに便利だ [ブータン]
電子取引の普及が進む
Digital transaction gaining popularity in the country
Kelzang Choden記者、BBS、2021年8月21日(土)、
http://www.bbs.bt/news/?p=155975
【抄訳】
パンデミックは、我が国が電子国家フラッグシッププログラム「Digital Drukyl」の実施を妨げている。しかし、こうした障害の中の希望のかすかな光として、電子取引は人々の間で人気を集めている。今日、人々は商品やサービスに現金を支払うことはめったになく、モバイルアプリを介して支払うことを好むようになってきている。
ダガナ出身のビム・バハドゥル・チェトリさん(37歳)は、ティンプーで駐車料金の徴収人として働いている。首都のほとんどのオフィス労働者と同様、彼はまた通行人に目立つよう表示されたIDバッジを付けている。ただし、それはQRコードであり、バッジではない。彼は、人々がモバイル取引での支払いを希望することに備え、準備をしている。
「人々は通常、今現金を持っていません。彼らはモバイル取引を通た支払いを好みます。 mPayとmBoBのQRコードがあります。多くはmBoBを通じて支払います。私たちは確かにデジタル化に向けて進んできています」と彼は言う。
今日、QRコードは、店舗、レストラン、カフェ、さらにはタクシーでもよく見られる。人々は、電子決済は手続をはるかに簡単にし、また時間を節約すると言う。
「タクシー運転手にとって、電子決済は非常に便利です。乗客がスキャンを使用して支払うと、メッセージが直接届きます。しかし、以前は私たちに不正を試みる人がいましたが、今はmPayまたはmBoBがあることに感謝しています。これはまた、パンデミックの中で保健プロトコルを順守するのに役立ちます」――そう答えるのはティンプーのタクシー運転手であるツェゲさんだ。
「現金を持ち歩くのは便利ではありません。家族と一緒に外出するときなど、スキャンして支払うと非常に便利です。私たちは通常、銀行に行く時間がありません。子供たちと一緒に昼食に来るとき、現金がなければスキャンして支払うことができます。とても便利なツールです」――ティンプーの住人であるサムテン・デマさんはこう述べる。
「最近、多くの人が電子決済を使用しており、そのほとんどは現金を持ち歩きません。これは実際には安全だと言われました。たくさんのお客様がいらっしゃる場合、QRスキャンでのお支払いがとても便利です。また、混雑を防ぎます」と店主のテンジン・ツォモは付け加えた。
昨年12月に行われた2回目の全国ロックダウンの最初の3日間、中央銀行は、さまざまな電子決済チャネルを通じて、ティンプーだけで822,000近くもの国内取引を記録した。同様に、QRコードによる取引は61,000件以上を記録し、その取引総額は昨年には7300万ニュルタムにも達した。これは、国のデジタル化の夢に向けた小さな一歩に過ぎない。しかし、それでもそれは一歩といえる。
大人買い、超合本版『頭文字D』 [読書日記]
内容紹介(第1巻分)【購入(キンドル)】
【『頭文字D』1~5巻を収録した超合本!】群馬県の県立高校に通う拓海(たくみ)は車についての知識なんてほとんどない普通のとうふ屋の息子。ある日、拓海は親友の樹(イツキ)と共に、バイト先の先輩である池谷(いけたに)の走り屋チーム・秋名スピードスターズの走りを見に行くことに……。するとそこに赤城最速といわれる高橋兄弟が率いるチーム・赤城レッドサンズが現れ、秋名スピードスターズに挑戦を申し込んできた!!地元で負けるわけにはいかないと燃える池谷だったが……!?
今月に入ってから6勤1休の日々が続いている。それは、土曜日に3Dモデリングの講習会を主宰しているからで、当初は午前中だけで済んでいたのが、先週末から午前・午後の2回、講習会を開く形をとるようになった。平日は平日で仕事しているわけで、毎回の講習会の準備は金曜日の夜ないしは土曜当日の早朝に行う。金曜夜は睡眠3~4時間という時がほとんどなので、土曜日が終わると本当に燃え尽きる感じになり、日曜午前中ぐらいはその余韻が続く。そして日曜午後は、週次活動報告書を作成して配属先の上長に提出するのが日課になっている。完全フリーというわけでもない。
このため、特に8月に入ってから読書らしい読書がなかなかできなくなった。消耗した状態で土曜夜から読書に入るということもなかなかできず、気晴らしにキンドルで元々持っていた漫画を読んでひと息つくというのが定番になっていた。そこに入り込んできたのが『超合本版 頭文字D』、コミック5巻分が収められている。コミックは48巻まであったので、超合本版は全部で10巻ある。僕は超合本版第1巻はずいぶん前にキンドルでダウンロードしていたが、こちらに来て隔離施設に入っている間に誤って第2巻をダウンロードしてしまい、その後抑えが効かなくなった。ほぼ2週間に1巻のペースで続巻のダウンロードをはじめ、8月初旬には残すところ2巻というところまで来てしまっていた。
こうなると、もう最後まで行くしかない。週末ごとに1巻ダウンロードし、とうとう全巻制覇した。
タグ:しげの秀一
『バングラデシュIT人材がもたらす日本の地方創生』 [仕事の小ネタ]
内容紹介【購入(キンドル)】
南アジアに位置し、1億6,000万人の人口を抱えるバングラデシュ。「デジタル・バングラデシュ」を政策目標の一つとして掲げ、IT産業開発・IT人材育成に力を入れている。一方、IT人材不足と高付加価値産業の育成に悩む日本の地方都市。本書は、バングラデシュ・日本を舞台にして、青年海外協力隊が始めたムーブメントから受け継がれてきた、バングラデシュのIT国家資格導入、IT人材・産業育成と、日本のIT人材不足の解消という「地方創生」に同時に貢献する、産官学を巻き込んだ現在進行形のバトンリレー。その軌跡を知る著者が、当時の関係者と共に振り返る。
佐伯印刷出版が手掛けるこのJICA研究所のプロジェクトヒストリーのシリーズも、今は20冊以上になっているそうだ。初期には僕自身も執筆を経験させてもらったし、何冊かは執筆者のサポートをさせてもらった。そうした経緯もあり、初期の刊行物はたいてい目を通していた。しかし、2016年頃から新刊書を後輩から見せてもらう機会も減った。担当者も代替わりし、僕も先輩ヅラして「読ませろ」と言いづらくなった(笑)。
ブータンでの国際協力案件がプロジェクトヒストリーで取り上げられることはおそらくない。採用寸前まで行った企画もあったが、予定していた執筆者の筆が進まず、もたもたしているうちに、その協力案件の当事者だった方が、ご自身で回顧録として本にされた。自費出版だが、内容的にはプロジェクトヒストリーといっても遜色ないものだった。近年、この案件以上にブータンにインパクトを残した協力は思い当たらない。もうプロジェクトヒストリーとはご縁もない、僕はそう思っていた。
それなのに今回このシリーズの最新刊をカネを払ってまで読んだのは、あとがきに僕が登場するからだ。そのあたりの経緯の話は端折るが、いろいろな意味で他人事ではない案件だったのである。
TVET改革承認で今さら思う、日本の「高専」の魅力 [ブータン]
技術教育・職業訓練改革案、閣議承認される
Cabinet approves TVET reform plan
Yangchen C Rinzin記者、Kuensel、2021年8月13日(金)
https://kuenselonline.com/cabinet-approves-tvet-reform-plan/
【要約】
労働省の「国家技術職業教育訓練(TVET)改革計画2021」が閣議決定された。このTVET改革計画は、前の2政権から続く長年の懸案事項で、7月27日の閣議承認され、先週承認書が労働省に充てて発給された。今後実施責任は労働省に委ねられ、併せて改革計画を迅速に進めるため、優先品目またはサービスを調達するため、財務省国有財産局と協議するよう労働省には指示された。
ウゲン・ドルジ労働相によれば、計画は一気に実行されるものではなく、ニーズに基づいて実行に移される見込み。例えば、どの職業訓練校が大規模な改修を必要としているのか、また様々な業界の専門家がTVETカリキュラム改革に関与する必要があるのかなどを見極めて実施に移していくという。
一方、同省はTVET改革計画の具体的内容の共有は拒否している。労働相の説明によれば、これには広範な分野をカバーするアプローチが必要で、同省が調整方法について様々な機関との協議を含め、実施する計画を最終決定する必要があるからだという。戦略を実施する際に計画が変更される可能性が示唆される。
この改革の内容について、大臣は以前、本紙の取材に対し、TVETは多くの人にとって最後の選択であり、改革が対処すべき最も重要なことはTVETを魅力的にすることだと述べていた。TVET改革の第一の目標は、TVET機関を健全で魅力的な教育の場とすることだと考えられる。
また、第二の目標は、国際カリキュラムを参照し、現行カリキュラムがそれを反映したものとなるよう、カリキュラム開発枠組みを改革することだと考えられる。改革では人材育成にも目を向け、インストラクターが国際標準の資格を取得できるよう能力向上の機会を提供するのだという。そのために政府は、すでに韓国、ドイツ、スイス、オーストラリア、シンガポールとインストラクター教育に関して協議を進めている。
さらに、政府は、様々な業界と協力し、TVET機関と連携して修了生に就業機会を提供するよう取り組むことが指向される。現状、業界とTVET機関との連携は乏しく、TVET機関の卒業生は、失業状態にあるケースが目立つ。
一方、TVETを労働省から切り離すという改革の主眼の1つは、改革計画では言及されておらず、棚上げされた可能性が高い。政府は2019年にTVET改革を開始し、首相府が省からTVETプログラムを引き継いだ。しかし、それから2年が経過し、首相府のTVET仮事務所は、改革実施の責任を労働省に戻すことになる。TVET改革は第12次5カ年計画の優先事項であり、21億ニュルタムの予算が配分されている。TVETセクター改革は2000年代初頭に開始、 2003年に労働省の直接管理下に置かれた。
ブータン入りして3カ月が経過したが、この間、あまり「TVET」という言葉を耳にする機会がなかった。僕が今仮住まいにしているホテルのオーナーのご主人が、この記事で出てくる「首相府TVET仮事務所」の代表なので、ここに泊まっていればTVET改革について非公式に情報を聞き出せるかと期待もしていたが、あまりホテルでお見かけする機会もなく、また僕がどのような仕事でこちらに来ているかをご存じであるにも関わらず別に声をかけてもらうこともなかった。
人のうわさで聞いたのは、労働省はもうTVETはやらないというものだったが、この報道を見ると、彼が今TVET改革についてあまりアクティブではないというのも頷ける気がした。彼はそのネットワークを駆使して、諸外国でのインストラクター研修受入れや、逆に外国からのインストラクター派遣の道筋を既に作ったということなのだろう。
小規模零細企業がコロナ禍で低迷している理由 [ブータン]
小規模零細産業、コロナの影響で落ち込み
CSI record shrinks during the pandemic
MB Subba記者、Kuensel、2021年8月13日(金)
https://kuenselonline.com/csi-record-shrinks-during-the-pandemic/
【抄訳】
小規模零細産業(CSI)の登録企業数は、経済成長に向けた様々なイニシアチブにもかかわらず、昨年から今年にかけて数が減った。
「CSI報告書2020-21」によると、6月末現在、国内には20,582の認可CSI企業があり、90,000人以上の雇用を生み出している。前年同月末時点で、認可CSI企業数は21,813だった。しかし、当局は、すべてがオンライン認可更新システムを使用できるわけではなく、多くの事業者が新しい免許を申請できなかったため、新型コロナウィルス感染拡大に伴う更新の遅れが原因である可能性があると説明している。
ロクナート・シャルマ経済相は、免許更新されなかった可能性のある事業者は、有効期限が切れた日から6カ月以内に更新しなければ免許は無効になると述べた。 6月末時点で反映された免許数は、有効な免許のみ集計した結果だという。CSIの事業者数は8月11日時点で21,619にまで増加したという。これは、昨年6月に比べてまだ200社近く少ない。
一部の観測筋によると、パンデミックを含む様々な事情により、損失を被って廃業した事業者がかなりいるという。大臣は、同省が2020年7月から2021年6月までに合計3,998の事業者に新たな免許を発行したと述べる。これには1,132の認可された零細事業者は含まれておらず、その数は実質的に減少していないと付け加えた。
生産・製造、サービス、建設の3つのセクターに分類されるCSIは、国内の全事業者の約95%を占めている。CSI全体の80%をサービス部門が占め、続いて生産・製造部門が12%、建設部門が8%と続く。報告書は、有効なビジネス環境の構築が国内のCSIの力強い成長を促す前提条件だと指摘する。
同省は今年5月、意欲的な起業家がCSI新規登録申請をオンラインで済ませられる、「先ずは許可して後から規制する」アプローチを採用した。既存の事業者も、オンライン登録システムへの切替えが奨励された。同省によると、イニシアチブの一環として、775の零細規模の事業者がオンライン登録サービスを利用し、そのうち460事業者は現在の免許体制からオンライン登録システムに移行した既存零細企業だったという。
報告書によると、CSI事業者の大多数は、必要なビジネススキルを欠いていると指摘。「これは主に、能力開発に投資するためのリソースが限られているか、あるいはその重要性を認識していないという現実によるものである」と指摘する。そのような赤字は、CSIセクターの生産性の低さと成長力欠如の主な理由となっているという。
スタートアップセンター設立は、この問題に取り組むために政府が開始したイニシアチブの1つである。市場へのアクセスは、CSIが直面する課題の1つとして指摘されている。地理的な条件と国際標準を満たす製品のラインナップは限定的で、製品を国際市場に投入する際の障壁の一部だという。
中小零細産業政策2012は2019年に改訂され、新しい小規模零細産業政策として導入されている。
この記事は、毎年経済省小規模零細企業局(DCSI)がこの時期に発表しているCSI報告書の公表のタイミングで取り上げられている。コロナ禍で登録事業者数が減るのはある程度は予想もできただろうから、意外性はあまり感じられない記事の内容だ。
コーディングが進められる環境づくり [ブータン]
学校のデジタル化、始まる
Major digitalisation of schools begins
Yangchen C Rinzin 記者、Kuensel、2021年8月9日(月)
https://kuenselonline.com/major-digitalisation-of-schools-begins/
【抄訳】
教育省は、教育フラッグシッププログラムの一環として、学校のデジタル化に取り組んでいる。拡張教室を含むすべての学校にコンピューターの設置を開始した。フラッグシッププログラムは、生徒が就学前(クラスPP)から情報通信技術(ICT)にふれ、生徒にITの知識を身に付けさせることを目的としている。プログラムでは、教師も訓練を受ける。
全国のほとんどの学校には、ICT教員、PC、インターネット接続環境などの不足、インターネット接続のための予算不足、PC交換など、多くの問題がある。そのため、教育省は、学校のデジタル化実現への第一歩として、ラボとPCの両方が不足している学校にコンピューターラボを建設することから開始した。既存ラボの改装または新しいラボの建設が必要な約120のラボを特定しており、これまでに約33のラボの建設を終えた。
教育省ICT副主任担当官であるイシ・レンドゥップによると、ICTインフラへの投資には費用がかかるという。 「しかし、私たちはラボを建設し、可能な限りPCを供給しようとしています。これにより、すべての小学校に専用のラボと適切なPCが配置されます。」氏によると、クラス4からクラス10までのICTリテラシーカリキュラムも見直され、ITは、コーディングに重点を置きクラスPPからクラス12までの必須科目に組み込まれたという。
同省ではまた、ICTフラッグシッププロジェクトを通じて既存のLANネットワークの刷新も進めている。すべての中等学校と50の初等学校で、改訂されたICTカリキュラム(コーディング)の実装が始まっている。「残りの学校でも、コンピューターラボが完成し次第実装を開始します。既に施工業者とPC・ラップトップの調達業者の選定は終えています」と、イシ・レンドゥップ氏は述べる。
コンピュータラボを備えた学校では、この新学期から利用開始し、改訂されたICTカリキュラムに基づく指導を始めている。また、同省では、ICTインフラを備えていないすべての初等学校と拡張教室に4,696台のコンピュータを提供した。計3,420台のコンピューターが15の県(Dzongkhag)及び都市(Thromde)の中等学校に既に配置され、さらに2,900台が残りの県または都市の中等学校に8月末までに配置される予定だという。イシ担当官によれば、約1,000人の教員が改訂されたICTカリキュラムに基づきコーディングの研修を受講済みだという。 「Pythonの研修は中等学校の教員を対象に実施されましたが、ScratchとCodeMonkeyは私立学校を含むすべての教員を対象に研修が行われた。」
PCとラボの提供が完了したら、同省では、ICT科目に参加する機会がない残りの学校が今年度の第2学期の初めに学習機会を持つことを期待していると付け加えた。 政府では、フラッグシッププログラムに10億ニュルタムを配分している。教育省では今年12月までに9億ニュルタム近くを投入する見込みで、その予算は、ICTラボの完了、PCとラップトップの配布、周辺機器、教員の能力開発に投入される。
一方、教育省は、情報通信省とも協力して、すべての学校のインターネット接続を強化している。この作業は情報技術局(DITT)が担う。「インターネットは重要です。これがなければ、すべてのPCを提供して、ラボ設置を終えたとしても、ICT化は困難にでしょう。同時に、教育省では、コーディングを教える教師の能力をさらに強化する必要があります」とイシ担当官は述べた。
「デジタル」に惹かれて取り上げた記事ですが、今までに断片的には聞いていたことのまとめみたいな感じですね。教育省がこういう方針を取っていて、それに向けて事業を行っているというのを理解しておきたい。