SSブログ

プンツォリン、オンライン学習の課題 [ブータン]

プンツォリンの生徒のオンライン学習への対処
Students in Phuentsholing cope with online classes
Rajesh Rai記者(プンツォリン)、Kuensel、2021年8月28日(土)
https://kuenselonline.com/students-in-phuentsholing-cope-with-online-classes/
【要約】
プンツォリンの学校はオンライン授業で多くの経験を積み、改良も進んだといわれているが、生徒も父兄も教員も、オンライン学習での挑戦を続けている。クラス9からクラス12の生徒が最近プナカに移動したが、クラスPPからクラス8の授業は依然としてプンツォリン市内で行われている。

スマホを持たない生徒もいる一方、スマホを持つ父兄も、データパッケージのリチャージでは課題に直面している。オンライン授業は、子どもの父兄が学習支援を行う前提があったが、働いている親にとっては、子どもに教えたり助言を与えたりしている時間は十分ではないという。また、教育を受けていない親は、子どもの学習に助言すること自体が難しい。中には、市内の学校から子どもを市外で対面授業を行っている学校に転校させたいと希望する親も多い。

昨年3月に国境が閉鎖されたのち、市内の学校も閉鎖され、オンライン授業が始まった。2020年9月になって、クラス9からクラス12の生徒はプナカとワンデュポダンの学校に移された。しかし、2021年度の新学期が始まると、この生徒たちはプンツォリンに戻された。対面授業は4月16日までは継続されたが、翌17日、プンツォリン市は3回目のロックダウンが適用され、8月10日までロックダウンが維持された。クラス9からクラス12の生徒は移動したが、クラスPPからクラス8までの計2,750人の生徒は依然市内に残っている。

政府は対面とオンラインを組み合わせて授業を行うと明言しているが、学校は未だ再開していない。教員は、オンライン授業は、平均点以上の生徒、よく勉強する生徒に対してのみ有効だと指摘する。成績の良くない生徒にとっては、オンライン授業はあっても身の入らないものになっているとも。また、オンラインの場合は成績評価も難しく、生徒が他者と課題を協働したり、時に親が子どもの課題を手伝ったりする可能性を排除できないとも指摘する。
(後半に続く)

別の教員によれば、多くの父兄が、教員が使用する学習アプリをサポートしていないスマホしか持っていないという。スマホを持っていない父兄も。学校と教員が自主的に生徒のスマホ入手を支援してくれるスポンサーを探す動きもあった。

教員と父兄はオンライン授業は昨年と比べたら改善したことを認めているが、教員から見て、生徒が実際に課題に取り組んでいるのか、親が手伝っていないか、判断する術がない。オンライン授業導入前まで成績が芳しくなかった生徒の成績が、良かった生徒の成績よりも改善したケースも見られたという。

校長の立場からすると、最大の課題はすべての生徒をオンラインでつなげることだという。最初は教室に登場するが、しばらくすると退室しているケースも指摘される。これにはネットワーク接続環境やデータパッケージといった様々な理由がある。また、教員は、父兄と面談することもままならず、頻繁に電話を使用する必要もある。

オンラインで課題を配布したり、資料のアップロード/ダウンロードを行なったり、提出された課題の採点を行なったりするには、時間もかかる。長時間PCのスクリーンを見続けることで、視覚の異常を訴える教員も出てきている。<br><br> 父兄も、子どもが長時間オンラインで過ごすことに懸念を抱いている。学校でなら自然と学べる規律やしつけを学ぶ機会がないから、自分の子どもを叱ることが多い。クラス6とクラス8の生徒は今年進級試験に臨むが、子どもたちがしっかりとした成績を残せるか自信がないと訴える父兄もいる。試験会場に座って紙ベースで試験を行う方式でいきなり実施されても、対応できない子どももいる。

プンツォリン市内の公立学校3校の生徒のうち、クラス9からクラス12までの生徒は、今月中旬から順次プナカ県に移動し、そちらで対面方式の授業を受けることになっている。上記の記事は、むしろ市内に残ったクラスPPからクラス8までの生徒の置かれた学習環境の現状と課題に関するレポートである。

こういう時、自分に何ができるのかを考えてみる。オンラインツールは使えない。自分は首都にいるわけで、今すぐ使いたいとしたらオンライン活用のリモート授業のような形でしかあり得ない。でも、それは、スマホを明け渡している父兄にとっても負担だろうし、子どもたちが長時間スマホ画面を見続けることへの懸念も表明されている。かといって、僕が今すぐプンツォリン入りできるわけでもない。

さあどうしますか―――。対面授業がフルに再開された後、それまでの遅れを挽回できるような何か相当インパクトのある特別講座を実施することだろうか。その頃なら僕自身も動けるだろうし、現地入りして、何らか連絡調整はできるかもしれない。

実はこの日、今も引き受けている都内某私立大学の担当夏期講座のオンライン授業が終わった。準備を始めたのは今年3月。父が亡くなった当時、募集要項、告知文案作成等、期限を課せられていた作業と1人格闘していたのを思い出す。某財団法人のインドでの活動との連携が前提にあっての講座だったが、3月下旬の自分にとっていちばん苦しかった時期に、僕を送り込んだその財団法人からは何らサポートもなく、逆に先方大学の事務の方にも相当助けてもらってなんとか乗り切った。

このインドを舞台とする講座を、来年度も財団の尖兵となってコーディネートすることには躊躇があるが、一方で、大学からは、ブータンで同様の学部生向け講座を作れないかと検討打診を受けている。自分の置かれた状況を考えたら、舞台はプンツォリンを想定した方がいいということになる。

夏期講座が終わったばかりだが、次に向けて企画提案書を準備せねばと思いながら、今日の休日を過ごしている。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント