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『ふたつのしるし』 [読書日記]

ふたつのしるし (幻冬舎文庫)

ふたつのしるし (幻冬舎文庫)

  • 作者: 宮下奈都
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
「勉強ができて何が悪い。生まれつき頭がよくて何が悪い」そう思いながらも、目立たぬよう眠鏡をかけ、つくり笑いで中学生活をやり過ごそうとする遙名。高校に行けば、東京の大学に入れば、社会に出れば、きっと―。「まだ、まだだ」と居心地悪く日々を過ごす遙名は、“あの日”ひとりの青年と出会い…。息をひそめるように過ごす“優等生”遙名と周囲を困らせてばかりの“落ちこぼれ”ハル。「しるし」を見つけたふたりの希望の物語。
【購入(キンドル)】
記事更新を5日間も滞らせていたことからもご想像の通り、先週から今週にかけて、僕の仕事は多忙を極めた。サムチに行ったりティンプーに行ったり、土日も何かしらの仕事をしていた。アテンドする相手もいらしたので、息抜きの時間があまりなかった。毎日ヘトヘトになって部屋に帰り着いていつの間にか寝落ち。深夜に覚醒して、慌てて消灯する日々が続いた。今、ようやく1人になり、少しだけひと息つける状態になったので、久しぶりにブログの更新をしようと思い立ったところである。

この間、1冊だけ本を読んだ。「読書メーター」の読友の1人が紹介していた作品で、ちょっと気になって著者の経歴を調べてみると、なんと僕の大学の後輩だった。学部が違うので「後輩」というのは言い過ぎだし、著者の学科は僕のいた学科とキャンパスが違うが、1年だけ学年が重なっており、僕は当時新入生向けオリエンテーションのボランティアもやっていたため、すれ違うぐらいのことはあったかもしれない。余談だが、学科は違うが、著者は早見優さんと同学年である。

そんな親近感もあって、初めて宮下奈都さんの作品を手に取ったわけだ。

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象害はブータンだけじゃない [ブータン]

象の被害が増加:ラモジンカ
Increasing conflicts with elephants in Lhamoidzingkha
Choki Wangmo記者(ダガナ)、Kuensel、2022年7月1日(金)
https://kuenselonline.com/increasing-conflicts-with-elephants-in-lhamoidzingkha/
elephantLhamoidzingkha.jpg
【ほとんど抄訳】
カルマ・バハドゥル・モンガルさん(73)が車いす生活を始めてから8年になる。これだけでも生活は大変だが、象の攻撃から逃れることができ、幸運だったと述懐する。彼は、2014年、ラモジンカのクルル村で牛を飼っているところを1頭の象に襲われた。逃げることはできたが、胃に重症を負った。ラモジンカ病院から、ゲレフにある中部地域レファラル病院に搬送された。手術後、彼は歩けなくなった。

ラモジンカにおける野生動物の被害は主に象の襲撃によるもので、近年増加している。ラモジンカ郡のラクシュマン・チェトリ副郡長は、毎晩のように住民から電話を受け、象を追い払うのを助けてほしいと依頼される。一晩のうちに、異なった場所での襲撃の報告を受けることも。副郡長は森林事務所やレンジャーとともに象を追い払うのに対応を迫られるが、象もより賢くなってきており、ソーラーフェンスやその他のバリケードを難なく乗り越えて行ってしまうという。この郡はインド国境に近く、インド側での狩りから逃れるため、ブータン側に逃げてきているのだという。

2014年以降、象による大きな襲撃は3回起きており、昨年は1人が犠牲になった。最近では、コイラタール村の53歳の男性が自宅で象の襲撃を受け、ティンプーの国立病院に搬送された。

ラモジンカのスルジャ・バハドゥル・リンブー郡長は、獣害対策の新たな戦略でもないと、人口増加とともに人間が彼らの生息地に踏み込んでくるのに伴い、この問題が将来深刻化すると見ている。象は牙を使って電気柵を引き抜く。

数カ月前、パグリ村の7つの世帯が象によってカルダモン畑約7エーカーを荒らされるという損害を受けた。補償措置でもなければ、農民は路頭に迷うと郡長は懸念を示す。住民によると、象は檳榔樹園にも侵入を始めたという。人口の70%近くが檳榔樹からの収入に頼っている地域だ。郡長は、人手不足では獣害のモニタリングもままならないと嘆く。

ラモジンカの郡計画官であるキンレイ・ドルジ氏によると、この地域では獣害が多発しているという。地元の方法では野生動物を撃退することはできなかったという。モンスーンの時期はもっと頭が痛い。街灯の設置は解決策の1つになり得るかもしれないと氏は語った。 .

僕自身が象の被害に遭っているサムチ県に行ったりし始めたこともあるが、象に農地や家屋を踏み荒らされる被害について扱った記事を見かけて、矢も楯もたまらず取り上げてみることにした。

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タグ:獣害 IoT インド
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サムチの機会 [ブータン]

サムチの地域経済は回復途上
Samtse’s local economy improving
Rajesh Rai記者(サムチ)、Kuensel、2022年7月2日(土)
https://kuenselonline.com/samtses-local-economy-improving/
samtse.jpg
【ほとんど抄訳】
最後のロックダウンが終わってから3ヵ月、サムチの町では、ビジネスが通常基調に戻りつつある。ビル建設が終わり、多くの店舗がオープンした。

バル・バハドゥル・ゲレさんは1カ月前に小さな雑貨店をオープンさせた。今のところ業況は順調だ。初めての起業で開店当初はやや不安もあったが、事業は成長を始めている。彼はサムチやプンツォリンの卸売業者から仕入れて自身の店舗で販売している。

県庁所在地として、サムチの町には、タシチョリン、ドロカ、ゴムトゥから買い物客が訪れる。リンズィン・ゲルモさんはレストランのオーナー、ロックダウンが完全解除されてからは、業況は普通だという。7カ月前に開店したレストランには、来店者が多い。

ニドゥップ・ドルジさんは衣料品店のオーナー。衣料品を扱う事業は初めてだという。業況には変動もあるとのこと。しかし、以前と比べると、サムチの町の経済には大きな変化がいくつか見られたという。新築ビルの家賃は月額42,000ニュルタム、ロックダウンがまた来ると、破産に追い込まれるとニドゥップさんは危惧する。

一方、古くから経営している店舗オーナーにとっては、多くの新規参入者があるのはいい変化だと歓迎する声もある。ジャイ・プラカシュ・ショップのオーナーは、商品の品ぞろえや価格帯の違いが、消費者に多くの選択の余地を与えると述べる。顧客が分散されるので、以前ほどは売上げが上がらないが、今売上げが落ちているのはモンスーンの影響で、顧客が買い物のために外出しないからだと分析している。

ゴヤール&サンズ雑貨店のオーナーは、消費者にはプンツォリンでの購入、インド側での購入等の豊富な選択肢があると指摘。ゴムトゥの住民は、以前はサムチの町に買い物に来ていたが、プンツォリンまでのアクセス道路がオープンし、さらにコロナの行動制限が緩和されるにつれ、ゴムトゥの住民でサムチで買い物を済ませる人は、全体の10%程度になったと指摘している。

一方、サムチの町の住民は都市開発事業の完了を待ち望んでいる。旧市街地は廃止され、2階建ての商店街の整備が始まったのは2015年のこと。まだ37の区画が建設待ちだが、そのほとんどが新市街地の中心から外縁部にある。住民と同区画のオーナーはダムダム工業団地の操業開始が大きな経済機会をもたらしてくれると期待している。 .

ブログでも公言していた通り、先週木曜日はサムチの町まで日帰りで行ってきた。大雨の中での訪問で、帰路の土砂崩れと道路封鎖が懸念されたため、5時間程度の現地滞在だった。クエンセルのプンツォリン駐在員のラジェッシュ・ライさんが入れ違いでサムチ入りされていたようで、土曜日の記事でサムチの地元経済がフィーチャーされていた。

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タグ:サムチ
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『緋色の研究』 [読書日記]

緋色の研究 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)

緋色の研究 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/09/11
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
異国への従軍から病み衰えて帰国した元軍医のワトスン。下宿を探していたところ、同居人を探している男を紹介され、共同生活を送ることになった。下宿先はベイカー街221番地B、相手の名はシャーロック・ホームズ―。永遠の名コンビとなるふたりが初めて手がけるのは、アメリカ人旅行者の奇怪な殺人事件。その背後にひろがる、長く哀しい物語とは。ホームズ初登場の記念碑的長編。
【Kindle Unlimited】
このブログを始めたのは2005年2月。それから随分と多くの本をご紹介してきたが、コナンドイルのシャーロック・ホームズのシリーズを取り上げたことは一度もない。それから遡ることさらに10年前——1993~94年頃、僕は新潮文庫版のホームズ・シリーズを全巻読破したことがある。すべて東京の自宅に蔵書として置いてある。この時期二度出張でロンドンに立ち寄る機会があり、空いた時間でベイカー街221番地にも訪れた。ロンドン滞在を盛り上げようと思い、事前にシリーズを立て続けに読んだのである。(ついでに言うと、アガサ・クリスティの『ねずみとり』も読んだ。で、劇場で観た。)

以前、何かの拍子にこのブログでも書いたことがあるが、僕の読書人としての原点は、ポプラ社の古典文学全集と確か集英社だったと思うが推理小説全集だった。推理小説といっても広いが、人から勧められた「怪盗ルパン」は全然受け付けず、「名探偵ホームズ」にはハマった。最初は『バスカヴィル家の犬』だったと思う。ハマった後は小学校の図書館や隣町の市立図書館で借りて読むのがもっぱらだったが、初めて貰った図書券を使って自分で買ったのは『恐怖の谷』だった。(またついでに言うと、大学生になって初めて読み切った英語のペーパーバックも『Valley of Fear』だった。)

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再読『こんにちはPython』 [仕事の小ネタ]

ゲームセンターあらしと学ぶ プログラミング入門 まんが版こんにちはPython

ゲームセンターあらしと学ぶ プログラミング入門 まんが版こんにちはPython

  • 作者: すがや みつる
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2020/04/29
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
だれでも、はじめてでも、ゲームが作れる! エラーなんか怖くない! 作って動かす楽しさを体験しよう! 伝説のゲームマンガでプログラミングが身につく!
【再読(キンドル)】
先週末、土曜午後に急に始まった長時間の停電の中で、事前に充電がしっかりしてあったKindleで、奥田英朗『田舎でロックンロール』を再読した話は前回ご紹介した。実は、この奥田さんのエッセイ集の前に、息抜きなんだからというので再読を始めたのは2冊のマンガだった。1冊は本当に純粋にマンガなので、ブログでの紹介は端折る。でももう1冊は、実益も兼ねているだけでなく、実際にIDLEでコードを打ち込んで、プログラムを動かすところまで試すことで、初読時よりも付加価値を付けられたので、再読でも取り上げることにする。

読み始めたのは土曜午後だったが、こと今回に関してはIDLEでコーディングを実際にやりたかったため、停電明け以降の週末をこれに費やした。ゼロからコードを書かねばならないようなプログラムは全部で10件程度だから、半日あればすべてのコードは入力可能だろう。僕の場合は、たぶんWindowsを英語環境で使っているからだと思うが、IDLEでコードを書く時、#(ハッシュ)を日本語入力すると文字化けするという状況だった。「フィズバズゲーム」や「じゃんけんゲーム」ぐらいなら、それぞれ"Fizz/Buzz"や"Rock/Paper/Scissors"で代用できるが、ハッシュタグの日本語入力ができないのが「じゃんけんゲーム」の途中ぐらいからちょっとストレスになっていった。

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