『1億人のための統計解析』 [仕事の小ネタ]
内容(「BOOK」データベースより)
さよならデータサイエンティスト!「最強」の統計家の課題解決フレームワークがこの1冊に。誰でも「価値ある答え」にたどり着くことができる。明日の仕事にすぐ役立つ、エクセルを使ったデータ解析実践書!
巣ごもりの2カ月の間に、どれだけ自分を変えられるか―――。
以前もご紹介した通り、在宅勤務にシフトしてから、長きにわたって積読状態にしてあった蔵書の取り崩しをスタートさせた。その中で、自己啓発だと思って独習書を幾つか片付けるようにもしてきた。そして、日本政府が緊急事態宣言を一部の県で解除してからはそれもちょっとだけ加速させ、先週末でやり切るよう心がけた。
本書もその1つ。西内啓の著書は、これまでに『統計学が最強の学問である』と『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』を読んだことがある。いずれも2013年の発刊で、統計学者・西内啓を有名にした初期の著作である。そして、この2冊が出た後、あまり間髪入れず、2014年に出されたのが、エクセルを使った実際の統計解析の解説書であった。
当時は既に統計の知識がないとサバイブできない部署から異動していたため、僕は実践編にまで進む気力はほとんど失せていて、すぐに買おうとも思わなかった。購入したのはわりと時間が経ってからで、中古で値段が下がっていた頃合いを見て購入に踏み切った。にもかかわらずさらに数年積読放置したのは、やっぱり緊急性を感じなかったからである。
今がその時なのかどうかはわからないが、次の仕事は2年とか3年とかで成果を出すことが求められるプロジェクトなので、成果を計測し、証明するための方法論を考えておく必要があるかもしれないと思い、巣ごもりを機会に、毎朝の日課の1つとして、毎日取り組んでみることにした。
発刊当時に本書とタイアップして設けられていたサンプルデータのダウンロードサイトは今もアクセスできたので、独習に支障はなかった。ありがとうございました。
10年ぐらい前に配属された前の職場では、ちょうどRCT(ランダム化比較実験)が全盛の頃で、Stataという統合統計ソフトが使用されていた。僕がStataを操作できるという姿は今でもイメージするのが難しいが、エクセルでもそこそこ統計解析が可能なのだというのが本書の発見で、統計解析というものに対する僕の心理的なハードルを相当下げてくれた1冊となった。
読み終わったからすぐに活用できるというものでもなく、先ずはデータを作るところから始めなければいけないと思う。でも、その後になれば必ず参考にせねばならなくなるガイドブックである。次に行く場所へも、この本は携行することになるだろう。