SSブログ

『アイデアソン!』 [仕事の小ネタ]

アイデアソン! アイデアを実現する最強の方法

アイデアソン! アイデアを実現する最強の方法

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: Kindle版
内容紹介
ドコモ、富士通、ソニー、ヤフー、ホンダなどの企業や大学、地方公共団体などで今話題となっているアイデア創発の手法「アイデアソン」。facebookの「いいね!」機能を生んだとも言われ、多様な参加者の多様な知見を総動員することで、画期的なイノベーションを生み出す手法を、日本を代表するファシリテーターの著者が解説! 各社の導入事例も多数収録した、日本で初めての「アイデアソン」本!

僕のことを個人的に知っている方であれば、僕が最近、「アイデア出し」のことを何度も口にしているのをご存知だろう。その片鱗はこのブログでの最近の文言でもチラッと触れている。『プログラム×工作でつくるmicro:bit』(5月12日付)で、「技術の理解を急ぐよりも、アイデアを思い描くことを大切にしてほしい」という著者の見解に「同感」と述べているのである。

アイデア出しを1人でやっていると必ず煮詰まってしまう。それを大勢の人を動員して、組織・所属を超えた集合知として創出を促す仕掛けが「アイデアソン」ということになる。ITエンジニアが短期間で行う開発競争の場合が「ハッカソン」と呼ばれているが、「アイデアソン」はまさにアイデア出しで、そのアイデアを具体的に形にするプロトタイピングの段階になると、先述のMicro:Bitでも書かれているような技術を理解した人の参加も必要となってくる。

続きを読む


nice!(15)  コメント(0) 
共通テーマ:

『国盗り物語』(3) [司馬遼太郎]

国盗り物語(三) (新潮文庫)

国盗り物語(三) (新潮文庫)

  • 作者: 遼太郎, 司馬
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/12/22
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
美濃を征服した斉藤道三は義理の子義竜の反乱に倒れたが、自らの天下統一の夢を女婿織田信長に託していた。今川義元を奇襲して鋭鋒を示した信長は、義父道三の仇を打つべく、賢臣木下藤吉郎、竹中半兵衛の智略を得て美濃を攻略した。上洛を志す信長はさらに畿内制覇の準備工作を進めてゆく…。信長の革命的戦術と人間操縦、その強烈な野性を、智将明智光秀を配して描く怒涛編。

5月は9冊ものコミックスを含んでいるので、26冊(5月30日現在)といっても相当なかさ上げがある。1日200頁を超える過去最速ペースになっているけれど、日本政府がコロナの緊急事態宣言を解除する前後から読書のペースが鈍った。なんか、ちょっと無気力っぽくなってしまったんですよね~。仕事に対してじゃなく、むしろ出勤があるからというので、他のことがあまり手につかなくなったという感じだ。

そんな鈍った自分の読書ペースにネジを巻こうと思い、読んだのが4巻シリーズの第3巻。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で言えば、ちょうど5月放送分でカバーされている時期と重なる。ドラマの方では、信長の稲葉山城攻防戦はもう少し後、放送中断を挟んで描かれることになるのだろうが。

第3巻は、織田信長編の前編という位置付けだが、晩年の斎藤道三も出てくるし、「織田信長編」となっているけれど、どちらかというと道三が目をかけた信長と、そして光秀の、天下統一に向けた足取りの対比を軸に、2人のライバル関係の進展を描いた巻になっている。作者の司馬遼太郎も、あまり光秀を悪者っぽくは描いていない。

時期は、帰蝶の嫁入りから、聖徳寺会談、長良川合戦、桶狭間合戦、将軍足利義昭擁立、稲葉山城攻防戦あたりまでである。個人的には、邸宅が僕の実家から割と近所にある竹中半兵衛の稲葉山城乗っ取りから木下藤吉郎による半兵衛取り込みあたりの、本巻の最後の十数ページが面白かったかな。とかく美濃国で起きていることは、出身地だけに土地勘もあり、地形がイメージしやすかった。

テンポもよく、読み込みにかけた時間は1日足らずだった。金曜夜から読み始め、土曜の夕方には読了した。これで読書ペースを取り戻せた感じだ。これでまた別のちょっと小難しい本にも立ち向かう気力が再び湧いてきた気がする。

nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:

『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』 [仕事の小ネタ]

次のテクノロジーで世界はどう変わるのか (講談社現代新書)

次のテクノロジーで世界はどう変わるのか (講談社現代新書)

  • 作者: 山本 康正
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/01/15
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
新世界はAI+5G+クラウドの三角形で激変する。ハーバード大学院理学修士+38歳ベンチャー投資家にして元グーグル+京大特任准教授がわかりやすく描く、これから必須の「テクノロジー基礎教養」。生き残る会社、消える会社はどこで決まる?

先週末の週末読書で読んだ本。これも、巣ごもり生活が始まった直後に書店で購入していたもので、25日に緊急事態宣言が解除されて、いよいよ巣ごもり脱却が視野に入って来る中で、積読放置は良くないと思い、早めに読んでおくことにした。

僕にとってはいい本だった。半導体やインターネット、人工知能といった基幹テクノロジーの進化の歴史なんて、「ネットで調べればわかるレベル」だと言う評者もいるかもしれないけれど、僕ごときのヘボ読者がそこまで貪欲に情報探索をするわけでもないので、AIや5G、クラウドなど近未来を規定していきそうなテクノロジーについて簡単に学ぶついでにおさらいできたらこんなにありがたいことはない。どのテクノロジーはどこの企業が進んでいるのかとか、そういう情報は僕らにはあまりないので、そういう業界にも造詣があって鼻が利く人がこうやって書いてくれたら読者としては嬉しい。

そもそもそういう目的で購入したんだから、ざっと読んでひと通り頭に入ればそれでよい。テクノロジーは日進月歩だというが、少なくとも定点観測ぐらいにはなると思う。

それにしても、アマゾンの書評欄を見ていると、星1つとか2つとかの辛口コメントが意外と多い。著者の経歴自慢がウザいとか、内容が薄いとかいった声もある。そういうコメントはそういうコメントとして、こういう経歴の人がこれからの世の中には必要なんだろうなという気もしている。

新型コロナウィルス感染対策で、時の政権の対応が手ぬるいとの批判が相当あったが、隣りの台湾の対策と比較してみて、一番残念だと思ったのは、閣僚にその道の専門性があまりなくて、何かというと「専門家会議」というのに諮問しないといけない日本の体制だった。その頃民間では「この時期に自分たちに何ができるか」と考えて、様々な動きが起こった。特に、若い世代の人たちが、テクノロジーを駆使して、中には世界中の人々と問題意識を共有しながらローカルの課題解決に向けて様々なソリューションを打ち出し、実装を試みていた。台湾政府の対応はそれを上手く取り込んでいたように思えるが、日本政府は、メディアに登場する人々が皆お疲れ気味のシニアの方々で、活力ないなという気がしてしまう。

続きを読む


nice!(18)  コメント(0) 
共通テーマ:

『乙女文藝ハッカソン』(全3巻) [読書日記]

乙女文藝ハッカソン(1) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(1) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者: 山田しいた
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/14
  • メディア: Kindle版
乙女文藝ハッカソン(2) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(2) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者: 山田しいた
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/10
  • メディア: Kindle版
乙女文藝ハッカソン(3) (コミックDAYSコミックス)

乙女文藝ハッカソン(3) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者: 山田しいた
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/07/10
  • メディア: Kindle版
内容紹介(第1巻から)
小説執筆は孤独なもの――? 作家志望の安達倉麻紀が入学した地方大学の文藝部には、そんなイメージを覆す奴らがいた! ITエンジニアたちがおこなう開発競争「ハッカソン」(ハック+マラソン)の概念を持ち込み、チームワークによって傑作小説を生み出すヤバい面々! SF、ミステリ、ファンタジー、純文学……独自の創作方法でそれぞれのジャンルを極めんとする乙女たちの文藝青春譚、開幕!

いきなりだけど、毎週土曜日のTBSテレビ『王様のブランチ』の午後12時台のコーナー「語りたいほどマンガ好き♡」を家族で見ていて、「最近のマンガはリアリティがない」とぼやいたところ、子どもたちから総スカンを喰らった。ありえないシチュエーションで登場人物がなんだかわからないバトルをやっていて、それで世界の未来が決まってしまうとか、そういうのを読んだからって読者の生き方がポジティブになれるのかって、オジサンからしてみれば疑問だ。でも、子どもたちに言われたのは、「リアルはリアルとして自分たちはちゃんと生きてるんだから、マンガの中に非日常を求めて何が悪い」ということだった。

まあ、そう言われたらそうかもしれないが、非日常を求めるなら少しは小説でも読んで欲しいよなぁ…。子どもたちの将来を案じる親としては、マンガで現実逃避している子どもたちを見てると不安でしかない。特に、この日の『~ブランチ』で紹介された「ピッコマアワード2020」の受賞7作品のこと、大学生の長男と長女はどちらもすべて知っていた。情報入手の速さについては認めるが、なんだか釈然としないものがある。

続きを読む


nice!(12)  コメント(2) 
共通テーマ:コミック

『「勤労青年」の教養文化史』 [読書日記]

「勤労青年」の教養文化史 (岩波新書)

「勤労青年」の教養文化史 (岩波新書)

  • 作者: 福間 良明
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2020/04/18
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
かつて多くの若者たちが「知的なもの」への憧れを抱いた。大学はおろか高校にも進めなかった勤労青年たちが「読書や勉学を通じて真実を模索し、人格を磨かなければならない」と考えていた。そんな価値観が、なぜ広く共有されえたのか。いつ、なぜ消失したのか。地域差やメディアも視野に入れ、複雑な力学を解明する。

少し前までは日本の近現代史に関連する書籍を集中的に読んでいたのに、この2カ月、読了した本のラインナップが随分変わったものだ。政治とか外交とかいった、なんとなく地に足がついていないフワフワした本を読むのはもういいかと思う一方、もっと短い一時代を切り取って、通史ではなかなか触れられないテーマを拾って読んでみるのはなかなか面白いものだ。これからも、そんな感じの本は時々読んでみたいと思っている。

本日ご紹介する1冊もそんな感じの本。通史で見れば、戦後、日本の教育制度が、小学校6年、中学校3年、高校3年といった感じで交通整理が進み、最終学歴における中卒の割合が減り、高校進学が当たり前になり、やがて大学進学も当たり前の世の中になっていく、そんな姿が描かれるだろう。しかし、「百姓に教育など要らん」「嫁に出す娘に教育など要らん」「次男三男は外に出すんだから高校なんぞ行く必要ない」等といった、家庭の事情や親の先入観等、様々な事情で中学卒業後に全日制の高校に行かなかった当時の若者は、それをどう捉えていたんだろうか―――教育制度の通史では置き去りにされる側面だが、それを知っておくことも大事だと思う。

こういう世代は、昭和20~30年代に10代後半から20代を過ごしていた人々、つまり我々の両親の世代である。自分の父(昭和8年生まれ)は、17歳で1950年代を迎え、母と結婚したのは1960年、27歳の時だった。この10年間のうちに農村で何をやっていたのかといえば、長男だからと実業高校には行かせえもらったけれど、大学進学については許されなかった。青年団の活動の話はよく聞いた。また、近隣の地方都市に茶道を習いに出かけていた。

そして、書棚を見れば、結構な読書量であったことも窺える。山岡荘八『徳川家康』はシリーズ全巻揃っていたし、司馬遼太郎『竜馬がゆく』『国盗り物語』等もあった。今は断捨離の時期だからとそれらをまとめて処分せねばならなくなり、僕も度々帰省して断捨離に加担したが、結構な作業だった。例えば、『徳川家康』の連載が始まったのは1950年、初版刊行は53年であるから、父がこの全集を買い進めたのは50年代後半―――20代前半だったに違いない。

これら父のレガシーを顧みるにつけ、いったい、父がどのような青年時代を過ごしたのかが知りたくなる。(母の話をしてないのは、昭和16年生まれの母は1960年に21歳で結婚しているので、父と同じようなレガシーを持っていないと思われるからである。)

続きを読む


nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:

Sonic Piで楽曲づくり [趣味]

Making Music with Sonic Pi: An Edutainment Factory Book (English Edition)

Making Music with Sonic Pi: An Edutainment Factory Book (English Edition)

  • 作者: Hans Gruendel An Edutainment Factory Book
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2016/02/20
  • メディア: Kindle版

内容紹介
音楽は人類が築き上げた実に素晴らしい功績の1つである。 そして、地球上に音楽が嫌いな人などいない。 ソフトウェアとコンピュータは人類の最近の成果で、多くの加工業や産業が信頼度の高いものになっている。Sonic Piはそのソフトウェアと音楽の間の架け橋となっている。すべての子どもはSonic Piでプログラミングの基本を学べる。 音楽についてたくさん学びながら、プログラミングの基礎を学ぶのは楽しいことである。本書は、Sonic Piの基本を子どもでも理解できるよう解説している。本書は、自己学習だけでなく、教育の伴走者としても適している。

これ、今載せるべきかどうか迷ったけれど…。

以前、『プログラム×工作でつくるmicro:bit』をご紹介した中で、音楽プログラミングアプリ「Sonic Pi」について言及した。この本を読んだ時には、「自分はmicro:bitsを活用した工作について知りたかったんであって、Sonic Piを知りたかったわけではない」というような心理的な拒絶感があった。でも、Sonic PiはRaspberry Pi 3(ラズベリーパイ3、以下ラズパイ3)には標準搭載されているアプリだし、その製作者であるケンブリッジ大学のサム・アーロンはこれでTED Talkに何度か出演し、さらにライブコーディングの様子を動画配信もしている(下の動画をご参照)。



見て、正直、「面白そう」と感じた。

続きを読む


nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:

『1億人のための統計解析』 [仕事の小ネタ]

1億人のための統計解析 エクセルを最強の武器にする

1億人のための統計解析 エクセルを最強の武器にする

  • 作者: 西内 啓
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
さよならデータサイエンティスト!「最強」の統計家の課題解決フレームワークがこの1冊に。誰でも「価値ある答え」にたどり着くことができる。明日の仕事にすぐ役立つ、エクセルを使ったデータ解析実践書!

巣ごもりの2カ月の間に、どれだけ自分を変えられるか―――。

以前もご紹介した通り、在宅勤務にシフトしてから、長きにわたって積読状態にしてあった蔵書の取り崩しをスタートさせた。その中で、自己啓発だと思って独習書を幾つか片付けるようにもしてきた。そして、日本政府が緊急事態宣言を一部の県で解除してからはそれもちょっとだけ加速させ、先週末でやり切るよう心がけた。

本書もその1つ。西内啓の著書は、これまでに『統計学が最強の学問である』『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』を読んだことがある。いずれも2013年の発刊で、統計学者・西内啓を有名にした初期の著作である。そして、この2冊が出た後、あまり間髪入れず、2014年に出されたのが、エクセルを使った実際の統計解析の解説書であった。

当時は既に統計の知識がないとサバイブできない部署から異動していたため、僕は実践編にまで進む気力はほとんど失せていて、すぐに買おうとも思わなかった。購入したのはわりと時間が経ってからで、中古で値段が下がっていた頃合いを見て購入に踏み切った。にもかかわらずさらに数年積読放置したのは、やっぱり緊急性を感じなかったからである。

今がその時なのかどうかはわからないが、次の仕事は2年とか3年とかで成果を出すことが求められるプロジェクトなので、成果を計測し、証明するための方法論を考えておく必要があるかもしれないと思い、巣ごもりを機会に、毎朝の日課の1つとして、毎日取り組んでみることにした。

発刊当時に本書とタイアップして設けられていたサンプルデータのダウンロードサイトは今もアクセスできたので、独習に支障はなかった。ありがとうございました。

10年ぐらい前に配属された前の職場では、ちょうどRCT(ランダム化比較実験)が全盛の頃で、Stataという統合統計ソフトが使用されていた。僕がStataを操作できるという姿は今でもイメージするのが難しいが、エクセルでもそこそこ統計解析が可能なのだというのが本書の発見で、統計解析というものに対する僕の心理的なハードルを相当下げてくれた1冊となった。

読み終わったからすぐに活用できるというものでもなく、先ずはデータを作るところから始めなければいけないと思う。でも、その後になれば必ず参考にせねばならなくなるガイドブックである。次に行く場所へも、この本は携行することになるだろう。

nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:

『メイカーとスタートアップのための量産入門』 [仕事の小ネタ]

メイカーとスタートアップのための量産入門 ―200万円、1500個からはじめる少量生産のすべて (Make: Japan Books)

メイカーとスタートアップのための量産入門 ―200万円、1500個からはじめる少量生産のすべて (Make: Japan Books)

  • 作者: 小美濃 芳喜
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2019/08/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
 潤沢な資金はなくても、趣味の「ものづくり」は「商品化」できる! ArduinoやRaspberry Pi、micro: bitなどの安価かつ高性能なツールの普及によって、個人でも高機能、高品質のプロトタイプが作れるようになってきました。そういったプロトタイプを作るメイカーの中には、そのプロトタイプを元に製品化し、ビジネスにしたいと考えている人も多いのですが、プロトタイプから量産までには多くのハードルがあります。
 本書は、学研「科学」「学習」「大人の科学」のふろくの企画開発に40年間関わってきた著者が、その経験をもとに、プロトタイプを元に量産化までこぎつけ、ビジネスとして成立させるためのノウハウを紹介します。工場での量産、というと、多額の資金が必要で、大きな企業でないとできないと思われがちですが、本書では、個人レベルでも可能な少量生産の極意を教えます。商品企画、プロトタイプから、原価計算、企画書の書き方、安全設計、金型知識、知的財産や法律知識、海外工場との交渉術まで、さまざまなノウハウが詰まっています。

今年1月末、当時の職場の本来業務とは別の仕事で嬉しい出来事があり、その嬉しさで財布の紐が緩んで、三省堂書店神田本店で大人買いした4冊のうちの最後の1冊である。残り3冊は全て読了。今ならMicro:Bitのことも多少はわかるし、直近で中国・深圳のメイカーコミュニティの話も少しばかりかじった。本書を読むなら今でしょ。ということで、1週間ほど少しずつ読み進め、週末に読了した。

昨年8月のMaker Faire Tokyoの会場では、オライリーの書籍販売ブースで多分最も売れていた本であり、神田三省堂でも、地元のちょっと大きめの啓文堂でも、平積みになっていた本である。その道40年という技術者が、モノづくりの実践ノウハウを余すところなく書き込んだ良書で、類書がないと専らの評判だ。

アイディエーションからプロトタイピング、量産企画立案、原価計算、発注、量産に必要な金型知識、電子部品知識、さらに中国を想定した出張時のノウハウ、安全配慮や知的財産権の問題、さらには少量生産に関するコツへの言及もある。およそ僕らの知りたいことはだいたい網羅されている。

加えて、巻末サイドストーリーとして、本書とのタイアップ企画で、Micro:Bitで制御するツインドリル・ジェットモグラ―の量産を実際に行った際の経験が30頁弱のボリュームでまとめられている。



続きを読む


nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:

罪作りな国語入試問題 [備忘録]

大学入試 ステップアップ 現代文(基礎): 入試基礎固め! (大学入試絶対合格プロジェクト)

大学入試 ステップアップ 現代文(基礎): 入試基礎固め! (大学入試絶対合格プロジェクト)

  • 出版社/メーカー: 増進堂・受験研究社
  • 発売日: 2013/10/25
  • メディア: 雑誌
内容紹介
◆各単元には、「読解のコツ」を設け、扱っている文章全体の構成や読解のポイントが解説してあります。「重要語句」「重要漢字チェック」では読解に必要な知識を整理してあります。また、「参考事項」では、著者の略歴や作品名を掲載しています。 ◆全部で26単元あるので,、日1単元を学習し,約1か月で終えられるようになっています。また、「評論」「随筆」「小説」などのジャンルを示してあるので、ジャンルごとに集中して学習することもできます。 ◆解答編には、実際に問題を解く際の「着眼点」と、くわしい「解説」がついているので、解き方や考え方がわかりやすくなっています。

先日、「梅原猛『いま何が問われているのか(モダニズム信仰)』」という記事を書いた際、冒頭で言及した国語の問題集というのがこれである。我が家の次男坊の国語の勉強にオヤジも付き合おうと一緒に購入したが、問題集にありがちな途中挫折で10日目ぐらいでいったん休止してしまった。ただ、さすがに2冊購入してしまった罪悪感もあったので、コロナの巣ごもりを契機に、取りあえず残りの問題を全部解いてしまおうと僕は考えた。毎日朝食後、リモートワークに入るまでの時間帯で、1日1題のペースで片付けていくことにした。早朝ウォーキング、朝風呂、朝食でだいたい7時頃なので、それから8時のNHK朝ドラの時間までの約1時間を埋める日課として、コツコツやっていけた。いいペースメーカーになったと思う。

自分の高校時代と比べたら、読書の習慣は付いたし、新聞も含めて論説文を読むことにも結構慣れてきていると思う。僕も高校時代は国語が苦手で、特に現代国語では赤点スレスレで踏みとどまる3年間を過ごした。あの頃は論説文の読解は特に苦手で、文脈が読めないからいい回答がなかなか書けなかった。あの頃と比べたら、問題集で出題されている文章はそれほど難解ではないから、きっと息子に対しても恥ずかしくない高得点が挙げられるとたかをくくっていた。

しかし、結果は、それほど良くはなかった―――。

続きを読む


nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

『アフターデジタル』 [仕事の小ネタ]

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/03/23
  • メディア: 単行本
内容紹介
デジタル化する世界の本質を解説。経済産業大臣の世耕弘成氏など、多くのリーダーたちが絶賛!
現在、多くの日本企業は「デジタルテクノロジー」に取り組んでいますが、そのアプローチは「オフラインを軸にしてオンラインを活用する」ではないでしょうか。世界的なトップランナーは、そのようなアプローチを採っていません。
まず、来るべき未来を考えたとき、「すべてがオンラインになる」と捉えています。考えて見れば、モバイル決済などが主流となれば、すべての購買行動はオンライン化され、個人を特定するIDにひも付きます。IoTやカメラをはじめとする様々なセンサーが実世界に置かれると、人のあらゆる行動がオンラインデータ化します。つまり、オフラインはもう存在しなくなるとさえ言えるのです。そう考えると、「オフラインを軸にオンラインをアドオンするというアプローチは間違っている」とさえ言えるでしょう。
筆者らはオフラインがなくなる世界を「アフターデジタル」と呼んでいます。その世界を理解し、その世界で生き残る術を本書で解説しています。デジタル担当者はもちろんのこと、未来を拓く、すべてのビジネスパーソンに読んでほしい1冊です。

近頃社内でも「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を唱える人が相当増えてきていて、今の仕事柄まったく無知でもいられないことから、時の本は時々読むよう心掛けている。本書も、ここ数週間、興味があれば聞くことにしている外部のオンラインセミナーで、何人かの登壇者が言及しており、読んでおいてもいいかなと思って購入した。

「アフター」と付くぐらいだから、たまにはデジタルから身を切り離してオフラインの時間を作ることも必要だとでも言われるのかなと思っていたら、著者の主張は真逆で、もはやデジタルから身を切り離すことなどできない、常につながっているオンラインの状況が「アフターデジタル」だということらしい。また、オンラインセミナーで聞いていた感じでは中国のデジタル化社会の様子がある程度のウェートで描かれているのだろうなと予想はしていたけれど、実際のところはさにあらずで、ほぼ全てのページが中国の勝ち組プラットフォーマーの話だった。

続きを読む


nice!(15)  コメント(0) 
共通テーマ: