再読『ハッカソンの作り方』 [仕事の小ネタ]
内容紹介
ハッカソンはイノベーションをおこす、新たなしくみ。その解説、つくりかた、運営方法の全てをここに! オープンイノベーションを起こす1つの方法として注目の高まるハッカソン =hack+marathon。もともとはエンジニアが集中してプログラムを書くというイベントなのですが、IT 業界だけでなく、今ではメーカー企業や地域コミュニティにも広がり、各地でさまざまなテーマで行われています。それは、何か新しいものにチャレンジしようとするとき、ハッカソンのもたらす迅速な開発、スキルの研鑽、コミュニティデザインといった効果がとても大きなメリットになるからです。本書は、そのハッカソンの取扱説明書です。ハッカソンに何ができるのか、どう運営するのか、自分にどう活用できるのか、事例とともにハッカソンの可能性と魅力をお伝えする一冊です!
2015年8月8日に一度紹介した本の再読である。前回ご紹介した『アイデアソン!』が、アイデア出しにフォーカスしたハウツー本だったのに対し、『ハッカソンの作り方』は、そのアイデアを具体的な形にしてみる、プロトタイピングも取り込んだハウツー本である。本書の方では、ハッカソンのイベントのプログラムの一部がアイデアソンになっているような紹介がなされており、2つの共通性と相違性が、2冊を続けて読んでみることでクリアになって来た気がする。
もう1つの違いは、『アイデアソン!』の方はアイデア出しの技法に相当踏み込んでいて、要すればファシリテーターやコファシリテーターとしてのノウハウも詳述しているのに対し、『ハッカソンの作り方』の方は、主催者としての心得というところに相当なウェートを置いている点だろう。2冊は相互補完関係にあると言ってもよい。そして、この2冊はいずれも、僕が近い将来関わる仕事の中で、ハードのモノづくりのパートを除けば中核を占めるであろう活動の、貴重なネタ本となってきそうだ。(もう1つのネタ本は4月にご紹介した『市民自治の育て方』なのだが、これをどうアイデアソン、ハッカソンと組み合わせていくかは、まだ自分の頭の中で混沌としている。)
『ハッカソンの育て方』に話を戻すと、前回の紹介記事はそれなりに書き込まれており、何か付け足すにしても、前回書いた内容は今も生きているものと思っている。今さらながらに気付いたのは、僕は本書を読んだ後、次の勤務地で「ハッカソン」と勝手に名付けたイベントを開催しており、その点では既に主催経験者だと言える。今日はそこから話を展開してみたい。