『オープンデータ』 [仕事の小ネタ]
内容紹介
本特集は,「自由に使えるデータ」であるオープンデータの活用を通じて社会的なデータ活用の将来を展望するものである.具体的なビジネスの可能性や経済効果の展望,アジアや欧米諸国の動向,国内で活用を進めるためのビジョンや先行事例等を,最先端で活躍する方々に論じていただいた.このテーマを社会科学的な観点から11人もの論者が議論したものはこれまでになく,多様な知見を集めることができたと考えている.一人でも多くの読者の方にお役立ていただければ幸いである.
アマゾンの本書の書評欄には、「これを読めば、オープンデータ政策の背景をほぼ理解できます。関係者は必読かと」とある。まったく同感である。多分、理解のベースとして、今でも必読の書だと思う。
本書は2014年10月に出ている。発刊当初にすぐに本書に出会っていれば、2014年末から16年初頭にかけての仕事の上での過ごし方もちょっと変わったかもしれない。まさにオープンデータ、オープンガバメントの政策導入で、社内の大勢がなかなか理解してくれていない中、孤軍奮闘していた同僚を近くで見ていたから。
でも、それを6年後の今理解できるようになってきたとはいえ、社内に理解者が増えたかというと、そうでもない。理解できつつあると自負する僕も、じきに今の組織を去る年齢だし、かといって僕よりもっと若い社員が、承知しているとも思えない。
そもそも本書刊行から6年が経過していても、日本政府はオープンデータパートナーシップに加盟していない。2014年、15年当時、あれだけ社内で大騒ぎしていたAid Transparency Indexも、2018年の数値でJICAは「Poor」、日本の外務省に至ってはさらに超低空飛行の「Very Poor」である。その下には、アラブ首長国連邦と中国しか存在しない。
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多分、この評価ランキングを上げようという努力自体を放棄してしまったんじゃないかと想像する。