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『ハッカソンの作り方』 [仕事の小ネタ]

ハッカソンの作り方

ハッカソンの作り方

  • 作者: 大内 孝子
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2015/02/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
みんなでハック!それがオープンイノベーションの第一歩。ハッカソン/アイデアソンは、エンジニア、デザイナー、プロデューサー、そしてユーザーによる、多様なスキル・属性の混合チームで行われる「ものづくり」の場。その取扱説明書。
僕のオープン・イノベーション勉強の一環で、7月下旬に読んでいたもの。読了から2週間近くが経つが、その間仕事の方が忙しすぎて、早出残業を繰り返した上に、自宅でも持ち帰り残業を少しやっていたこともあり、読んでいた本をブログで紹介するところまでなかなか辿り着けなかった。

縁あって市民向けのデジタル工房を幾つか見学させてもらい、実際に見学することで創作意欲をかき立てられたところも結構あったが、実はその一方で、ヘビーなユーザーになっていくためには結構ハードルも高いなと感じるところもあった。ユーザーの知識や工作機械操作の習熟度にはけっこうバラつきもあって、初めて訪れて施設の見学の際に同じ見学者に知らない単語を並べたてられてしゃべられたら、無知なこちらとしては一気に委縮してしまった。

市民工房において、利用開始初期は各ユーザーとも工房のマネージャーとの1対1関係の中でユーザーが作ってみたいものを仕上げていくというところからスタートするのだろうが、それが各々がアイデアを持ち寄って、相互に問題点を共有してアイデアを教え合ったりするような今日的な「コミュニティ」に発展していくためには、引っ込み思案な後発の創作者でもコミュニティに入って行ける何らかの仕掛けが必要だと思う。各工房ではそういうタイプの工作教室を時々開いたりしていると思うが、それをもう少し専門性の高いところで、各工房の垣根を越えた個々の創作者の交流の場としてやってみようとするのが、「ハッカソン」や「メイカソン」、「アイデアソン」といったイベントなのだと理解した。

ものづくり愛好者向けのデジタル市民工房の増殖は日本で見られる傾向で、今や僕の近所にもいくつか存在する。でも、そうした現象への注目とは別に、引っ込み思案な市民でも「やってみよう」という気にさせる、救いの手をさしのべてくれる、あるいは潜在的な利用者を持続的な利用者にまで引き上げてくれる仕組みにも要注目だ。

この本にもオープン・イノベーション的要素はあるものの、そういう意味では前回ご紹介した『オープン・イノベーションの教科書』で言われていた、「自由参加のコンソーシアム型」のイノベーションを指向しているものなのだろう。但し、ハッカソン自体はやっぱりある程度のスキルや感性を持っている人じゃないと他の参加者に迷惑をかけちゃいそうで、参加へのハードルはこれを読んでもなかなか下がらないというのが正直なところだ。

また、この本を読んでいると、ハッカソンの国内での仕掛け人というのはやっぱりどこかでお互いにつながっており、ある人がハッカソン開催を仕掛けたら、それに協力した人が今度は別の場所で、他の人の構想したハッカソンに類するイベントの企画や開催に関わっていたりする。その意味ではまだまだ狭いコミュニティなんだろう。

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