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ついに発売!『セルフ・デベロップメント・ゴールズ』 [シルク・コットン]

ついに発売!
僕自身、制作にかなり協力した本がついに出ました。インドの生産地と日本の消費者をオーガニックコットンでつなぐ「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」の十二年史。発案した葛西龍也氏の口述にて本になります。多くの方に読んで欲しいと思います。

セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語

セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語

  • 作者: 葛西 龍也(一般財団法人PBP COTTON代表理事)
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2021/02/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
<内容紹介
サラリーマンがボトムアップで取り組むSDGsのケーススタディとなる1冊!自分の関わる仕事の延長線上に、誰かが苦しんでいるという事実を知った時、そこから目を背けず、何かできることはないか。1人のサラリーマンが、そんな思いから、インドのオーガニックコットン栽培支援を開始、みんなが幸せになれる循環を生み出すために奔走した。SDGsへの取り組みが広く叫ばれるなか、本当の支援とは?持続可能な社会とは?という命題に向き合う1冊。
【購入】
この本のリンクを辿り、アマゾンのHPのレビューコメント欄をご覧いただければ、すでに僕のコメントは投稿済みである。以下がその内容だ。

発刊と同時に読んだ。基本的には著者のライフヒストリーが中心で話が展開していくが、一部の章末にはその道の専門家で著者の構想実現を周辺から支えた人々が寄せたコラムもあり、それが独りよがりになりがちなライフヒストリーに冷静かつ客観的な視点を提供している。これらも含めてこの価格というのは相当コスパがいい。SDGsビジネス開発のケースストーリーとしては最適で、事業を構想した当事者としてどう動くかというだけでなく、そういう人と接した時に、自分ならどう動くかを考えさせるいい教材になっている。

著者が構想から常に苦労しながら12年やってこられて、どうやって今の事業の姿になっていったのかが描かれている本である。フェリシモという会社の社風がこういうリーダーを育ててきたんだなというのも感じる。いい会社だと思う。

でも、課題はこれから。常に事業の存続が危ぶまれる事態と直面してきたということは、これからもまた新たな事態と直面する可能性もあるだろう。事業の黎明期を支えた人たちも新たなライフステージに向かっていくだろうし、本書を読んで共感した若い人がどんどん事業に参加して、これを発展させていくような仕掛けも必要だろう。

10年後にこの本の続編が生まれていることを今から期待したい。

以前アマゾンが予約受付開始した段階で本書をご紹介した際、僕自身もこの中で登場していることについてもふれた。各協力者が各々の組織の中でその有する権限を少しだけ踏み越えて、無理して協力したという形で、著者には謝意をご表明いただいているのだけれど、僕は今でもその組織に所属している人間で、当時自分に与えられていた権限の中でできることを工夫してやって協力したけれども、越権行為を行ったわけではない。本書がこのような形で世に出たことにより、自分がいる組織の中で、当時の僕の対応ぶりがどのように捉えられるのだろうか?その点は心配している。再度強調しておくけれど、僕はできることをやったに過ぎない。

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『新型コロナ 7つの謎』 [時事]

新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 (ブルーバックス)

新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 (ブルーバックス)

  • 作者: 宮坂昌之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: Kindle版
内容紹介
免疫学の第一人者が、最新の科学データで正体不明のウイルスの謎に迫る。これぞ新型コロナ解説書の決定版! 新型コロナウイルスが中国で発生したのは、2019年12月。それからわずか半年の間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は瞬く間に世界に伝播し、10月末には全世界の感染者数は4400万人を突破し、死者は120万に迫ろうとしている。このウイルスは過去にパンデミックを引き起こしたインフルエンザウイルスとは明らかに違う性質を持っており、得体の知れない様々な謎を秘めている。「あり触れた風邪ウイルスがなぜパンデミックを起こしたのか?」「幼児は、感染しても軽症が多いのに対して、高齢者が感染すると重症化しやすい。なぜかくも症状に差が出るのか?」「なぜ獲得免疫のない日本人の多くが感染を免れたのか?」「有効なワクチンは本当に開発できるのか?」など誰も知りたい新型ウイルスの7つの謎に、最新の科学的知見に精通した免疫学の第一人者が果敢に挑む。本格的流行期を前に必ず読んでおきたい「読むワクチン」。
【購入】
某全国紙の科学部記者をやっていた大学時代のサークル同期が、Facebookで本書を薦めていたので、だまされたと思って昨年末に購入した。お正月休みの読書のつもりでキープしてあったのだが、これまでに図書館などで追加で借りた本の点数も多く、先送りを繰り返すうちに、1カ月以上が経過してしまった。

ただ、今読んでよかったとも思う。今はちょうど世間では新型コロナウィルスのワクチン接種がホットな話題として取り上げられており、本書で7つめの謎として掲げられている、「有効なワクチンを短期間に開発できるのか」で書かれていることが、とても腑に落ちたからだ。ワクチン開発には通常3年ぐらいはかかると思っていたので、パンデミックになってから1年も経たないうちにどんどん登場して接種が進められようとしているワクチンが、本当に効くのか謎で仕方がなかった。日本はワクチン接種が遅れ気味だけれど大丈夫なのかとメディアも不安を煽っている気がするし、僕も外国の友人から、「日本は大丈夫なのか」と訊かれることもあるけれど、拙速にならないようにしたいと改めて思った。

その他の謎については、エッセンスだけ拾えば確たることは未だわかっていないのだというのがわかったけれど、挿入されている図表を見ながら読み進めても、書かれている専門的なことはなかなか頭に入ってこなかった。優しい文体で書かれているけれど、内容が易しいわけではないから要注意。そこはさすがにブルーバックスだと思う。

免疫学者である著者は、今回のコロナ騒ぎでメディアの取材を何度も受けて来たそうだが、そこでわかったのは、日本のメディアの自然科学に関するリテラシーがほとんど醸成されていないという実態だったとあとがきで指摘されている。よくわかってないからパニック論調で報じる。するとそれに読者の僕らも踊らされてしまう。新聞記者である僕の友人がいみじくもFacebookで何度も発言しているが、ちゃんと理解していれば極端に恐れることもないし、だからといって極端な楽観論も危険だという。

メディアの報道を鵜呑みにせず、どこからどこまでは信じていいのか、自分なりのものさしを作ってリテラシーを高めていかないといけない。ちょっと深呼吸して、こういう分析の効いた時事ものも読まんで勉強しないとなぁ。

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『軍師の門』(下) [読書日記]

軍師の門 下 (角川文庫)

軍師の門 下 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2011/12/22
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
有岡城から生還した黒田官兵衛は、竹中半兵衛の死を知ると同時に、その遺志と豊臣秀吉の軍師の座を引き継ぐ。稀代の謀略家として恐れられる一方、信義を重んじ、敵将からも信頼される官兵衛。しかし秀吉は、おのが権力が強大になればなるほど、彼を恐れ、遠ざけてゆくのだった。秀吉亡きあと、官兵衛(如水)は、はじめて自らの野望を関ヶ原に賭すが―男たちの戦国絵巻を圧倒的スケールで描く傑作歴史長編。
【コミセン図書室】
上巻に続き下巻もご紹介する。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』はいよいよ今週末が最終回、本能寺の変が描かれる。でも、事前報道によると、黒田官兵衛役を濱田岳クンが演じるというので話題になっていて、羽柴秀吉による備中高松城水攻めから中国大返しのシーンもちょっとだけ描かれるのかなという期待がある。濱田岳クン、以前の大河ドラマ『軍師官兵衛』では官兵衛側近の栗山善助役だった。今回、それが官兵衛役に「昇格」したというので話題になっているのだ。

そういうタイミングなので、あえて戦国ものの歴史小説。金曜夜から読み始めて、土曜夕方までには読了した。元々、この時代を扱った歴史小説としては、今のところは司馬遼太郎の『播磨灘物語』がいちばん好きだという人間なので、黒田官兵衛主人公で、信長・秀吉・家康の天下人三代を客観的に捉えている作品が自分にはフィットしていると思っている。ましてや光秀の行為が第三者の目線からはどう映るのかを考えてみるのも面白い。

そういう意味で、今『軍師の門』上下巻を読めたのは良かったと思う。官兵衛の描き方が、作者によって大きく変わるところは稀で、結局誰が描いたとしても、「天下」が目の前にちらついて以降の秀吉が変わってしまって、それで官兵衛が遠ざけられるという展開には大きな差はないかもしれない。だが、本作品は前半の竹中半兵衛が主人公で官兵衛が半兵衛の遺志を継ぐというストーリー展開があるので、最後の九州平定戦の手じまい方のところに半兵衛を夢の中で出してくるという、ちょっとだけひねりが加わっている。本当にそうだったのかは今となってはわからないけれども、そういうところで作家のオリジナリティを出しているように思える。

それに、黒田官兵衛目線で描いているので、蜂須賀小六とか、羽柴秀長とか、安国寺恵瓊とか、小早川隆景とか、なかなか主人公になりにくい人々もうまく活写できていると思う。大河ドラマになるとどうしてもキャストから落とされてしまうことが多い人々も含まれるので、そういう人々にも光を当てる描き方には、上巻同様に好感が持てた。

さあ、こうして現実逃避的に小説を1冊読み切ったので、今週末の残りの時間は、もうちょっと時事ネタや実用書を狙っていきたいと思う。勿論、大河ドラマの最終回は、しっかり観させてもらうつもり。


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『ジョブ理論』 [読書日記]

内容(「BOOK」データベースより)
イノベーションの成否を分けるのは、顧客データや(この層はあの層と類似性が高い。顧客の68%が商品Bより商品Aを好むetc.)、市場分析、スプレッドシートに表れる数字ではない。鍵は“顧客の片づけたいジョブ(用事・仕事)”にある。世界で最も影響力のある経営学者が、人がモノを買う行為そのもののメカニズムを解き明かす、予測可能で優れたイノベーションの創り方。
【コミセン図書室】
昨年11月、同著者の『繁栄のパラドクス』を読んだ時、「ジョブ理論」という見慣れぬ言葉を目にした。『繁栄のパラドクス』自体は読んでてすごく有益だったので、当初は図書館で借りていたが、その後1冊購入して自宅の蔵書に加えた。

その中でも「ジョブ理論」についての概説はされていたので、あえてその出所となった原典に当たらなくてもいいのに、コミセン図書室の書架に『ジョブ理論』が収まっているのを見つけて、ついつい借りてしまった。著者はジョブ理論の説明によく朝の自動車通勤の際に、ミルクシェイクを購入するビジネスマンがなぜ多いのかというのをよく用いるが、『繁栄のパラドクス』で見かけたのと同じ説明が、『ジョブ理論』にもあったので、僕の読み進めるモチベーションが相当下がってしまった。

自分の仕事の文脈で読むなら、『繁栄のパラドクス』の方がニーズにフィットしている。『ジョブ理論』も読むには読んだが、紹介されているケースは「ふ~ん」という感じで、あまり響かなかった。すみません。つくづく、同じ著者の著作物を読むには順番をよ~く考えた方がいいと反省させられた。

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『江戸の陰陽師-天海のランドスケープデザイン』 [読書日記]

江戸の陰陽師―天海のランドスケープデザイン

江戸の陰陽師―天海のランドスケープデザイン

  • 作者: 宮元 健次
  • 出版社/メーカー: 人文書院
  • 発売日: 2001/11/01
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
徳川幕府の宗教担当ブレーンとしてその政権の礎を築いた天海。天台密教は言うに及ばず、陰陽五行思想や道教、さらに陰陽道を駆使して、日本的風水による江戸の町づくりを「陰陽師」さながらに実践した大スケールの人物を、遺された神社や寺院の建築群を主軸に、ランドスケープデザインの実態を通して解明する。
【市立図書館MI】
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』も、今週末がいよいよ最終回。本能寺の変が描かれる。なぜ明智光秀が織田信長に対して謀反を起こしたのかについては諸説あり、いったいこの大河はどの説に基づいてドラマを描くのか、ネット上での議論が喧しいが、どうやらその諸説をうまく取り込んだ形で展開していきそうだと、エンディングの輪郭が見えてきたところかと思う。

何週か前の放送で、徳川家康と三河の忍びである菊丸とのやり取りの中で、京でいちばん信頼が置けるのは「明智様」だという話が出てきたが、あのシーンが入ったことで、ひょっとしてこの大河は「明智光秀=天海僧正」説というのを取るのではないかと、一時ネット上で騒然となった。時代考証上あり得ないという反論もあるものの、源義経がジンギスカンになったという伝説並みにロマンを感じさせる説だと言える。

で、「天海」って何やった人なんだろうか?僕は時々この南光坊天海と金地院崇伝がゴッチャになる。いずれも徳川家康の宗教政策面でのブレーンだった僧侶だが、何をやった人かがよくわからない。ちょっとだけ風水に造詣のあるうちの妻が、市立図書館で『江戸の陰陽師』を借りてきてそのまま積読にしてなかなか読み進めないのに気付き、僕は横取りして本書を読み始めた。

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『セルフ・デベロップメント・ゴールズ』 [シルク・コットン]

予約受付開始!
僕自身が執筆したわけじゃないけれど、制作にかなり協力した本が間もなく出版されます。インドの生産地と日本の消費者をオーガニックコットンでつなぐ「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」の十二年史。発案した葛西龍也氏の口述にて本になります。多くの方に読んで欲しいと思います。

セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語

セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語

  • 作者: 葛西 龍也(一般財団法人PBP COTTON代表理事)
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2021/02/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
<内容紹介
サラリーマンがボトムアップで取り組むSDGsのケーススタディとなる1冊!自分の関わる仕事の延長線上に、誰かが苦しんでいるという事実を知った時、そこから目を背けず、何かできることはないか。1人のサラリーマンが、そんな思いから、インドのオーガニックコットン栽培支援を開始、みんなが幸せになれる循環を生み出すために奔走した。SDGsへの取り組みが広く叫ばれるなか、本当の支援とは?持続可能な社会とは?という命題に向き合う1冊。
先ほど、自分自身が執筆したわけではないと断っていますが、実のところ、本書では序盤の結構重要な役どころで僕自身が実名登場していますし、原稿作成段階での情報提供もしてますし、また章末コラムを1つ書かせてもらっています。僕自身の名刺代わりにも使える1冊だと思っています。

「持続可能な開発」を「永続的発展」と言い換えているセンスはすごくイイと思う。

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