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『ジョブ理論』 [読書日記]

内容(「BOOK」データベースより)
イノベーションの成否を分けるのは、顧客データや(この層はあの層と類似性が高い。顧客の68%が商品Bより商品Aを好むetc.)、市場分析、スプレッドシートに表れる数字ではない。鍵は“顧客の片づけたいジョブ(用事・仕事)”にある。世界で最も影響力のある経営学者が、人がモノを買う行為そのもののメカニズムを解き明かす、予測可能で優れたイノベーションの創り方。
【コミセン図書室】
昨年11月、同著者の『繁栄のパラドクス』を読んだ時、「ジョブ理論」という見慣れぬ言葉を目にした。『繁栄のパラドクス』自体は読んでてすごく有益だったので、当初は図書館で借りていたが、その後1冊購入して自宅の蔵書に加えた。

その中でも「ジョブ理論」についての概説はされていたので、あえてその出所となった原典に当たらなくてもいいのに、コミセン図書室の書架に『ジョブ理論』が収まっているのを見つけて、ついつい借りてしまった。著者はジョブ理論の説明によく朝の自動車通勤の際に、ミルクシェイクを購入するビジネスマンがなぜ多いのかというのをよく用いるが、『繁栄のパラドクス』で見かけたのと同じ説明が、『ジョブ理論』にもあったので、僕の読み進めるモチベーションが相当下がってしまった。

自分の仕事の文脈で読むなら、『繁栄のパラドクス』の方がニーズにフィットしている。『ジョブ理論』も読むには読んだが、紹介されているケースは「ふ~ん」という感じで、あまり響かなかった。すみません。つくづく、同じ著者の著作物を読むには順番をよ~く考えた方がいいと反省させられた。

著者はイノベーション論の大家だから、「ジョブ理論」についても、ウィキペディアどころかそもそもの解説を試みたウェブサイトが相当数存在する。例えば、著者の興したイノサイト社の日本パートナーの代表を務め、本書にも日本語版解説を付けておられる津田真吾氏は、自身のブログで、「ジョブ理論とは、人がどのようなものを買い、どのようなものを買わないのか、を説明する理論」であると述べている。

また、僕の集中力がまだ途切れていなかった本書の序盤で、著者はその章のまとめとして、以下の通り述べている。
本書では、(中略)「片づけるべきジョブ」理論を展開していく。ジョブ理論の中核は、顧客がなぜ特定のプロダクト/サービスを生活のなかに引き入れるのか、その理由を説明することである。顧客がプロダクト/サービスを引き入れるのは、彼らにとって重要なジョブが発生し、まだ満たされていない時に、それを解決するためだ。このなぜを理解するかどうかが、あるイノベーションは成功し、別のイノベーションはそうでないかの分岐点となる。(p.48)

イノベーションの成功の秘訣は、顧客のジョブスペックに対応する体験を創造し、届けることである。これを一貫しておこなえるようにするには、それぞれの体験に結びつけて適切なプロセスを構築して統合する必要がある。これにより、他社から簡単に模倣されない競争優位の強力な源が手に入る。
・顧客のジョブを中心にプロセスを統合することには価値があるものの、多くの企業にとって自然にできることではない。どの企業にも当然プロセスはあるが、ほとんどの場合、効率をあげることや、特定の機能を使って狭い範囲の成果を達成することを目的としている。ジョブを解決する体験を正しく提供するには、新しいプロセスを慎重に定義し、通常はサイロ化している機能群を調整する新しいメカニズムをととのえる必要がある。
・ジョブを中心にしたプロセスの開発と統合を推進するうえで強力なてことなるのは、顧客のジョブを解決することに沿った新しい尺度に基づき、成功を測ることである。マネジャーは、顧客が求める体験のどの要素が最も重要かを問い、それのパフォーマンスを追跡する測定基準を定めておくべきである。(p.265)

ところで、書く言う僕の片づけるべきジョブは何なんだろうか、ふと僕は思った。新年一発目の大口の買い物として、僕は卓上3Dプリンターを遂に購入したのだが、週1、2回しか使用できていない。在宅勤務で少し時間ができたので、仕事しながら気長に印刷が終わるのを待とうと考えたのだが、やっている仕事の手順がまったく初めてのものが多くて、しかもその手順を解説している手順書が細かすぎてラップトップで該当箇所を探し出して読むのも大変、そしてその記述を理解するのも大変な状況だ。正直言って逃げ出したくもなる。おかげで気持ちよく3Dプリンターにさわれないでいる。

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