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『未来政府』 [仕事の小ネタ]

未来政府―プラットフォーム民主主義

未来政府―プラットフォーム民主主義

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2016/09/30
  • メディア: Kindle版
内容紹介
今の政府は、40年前のOSで動いているコンピュータのようなものだ。遅くて、処理できる問題の範囲もせまい。こんなに世界がつながっているのに、誰も政府とつながろうとは思わない。では、どうするか。シリコンバレーを擁するカリフォルニア州の副知事であり、自らも起業家としてビジネスを手がける著者が、起業のビジョナリーたちとの対話を通じて、未来の政府の姿を描く。

少し前に、稲継裕昭編著『シビックテック』をご紹介したが、そこからの派生で、次に読んでみたいとして挙げていたのが本書であった。そもそも『シビックテック』の編著者がこのテーマを追いかけるきっかけになったのが、大学サバティカルで訪れていた米国カリフォルニア州オークランド市で、たまたま本書と出会って感銘を受けたからで、そこから知り合いの編集者に本書の訳本刊行を持ちかけたという経緯があるらしい。

本書のことは、『シビックテック』の中でも随分語られているので、編著者が非常に役に立ったという「クライムスポッティング」と同様の、アプリを通じた行政サービス開発の事例が沢山出てくるのかと期待に胸を膨らませて読み始めた。確かにオークランドの「クライムスポッティング」の誕生ストーリーは詳述されているが、本書はお役所仕事の変革というよりも、テクノロジーによって市民の政治への参加が進んで行く姿を描いた本で、政治への参加意識の醸成に役立つアプリのケースは結構豊富かつ具体的だが、行政サービスへの参画という点では、それほど多くの具体例があるとは思えなかった。

本書も図書館で借りて読み始めたが、さすがに読んでみて、本書は参考にこそなれ、実際に購入して座右にまで置いておきたいとは思えなかった。

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