『国境をこえた地域づくり』 [仕事の小ネタ]
出版社からのコメント
「究極のよそ者」である途上国の研修員と日本のまちの人々の対話と協働から紡ぎだされる、地域づくりと国際協力の新しい指針!
この本、発刊からあまり日が経ってない時期に入手していたのだが、編著者に学者が並んでいたこともあって、読み始める勇気をなかなか持てずに6年近くが経過してしまっていた。今年の目標はこうした長年積読状態にして根雪のようになっていた本を片付けることにあるので、何か小さなきっかけを作ってとにもかくにも読むことにしている。
本書の場合は、1月25日から延期されていた「地域おこし」に関する「大きな面談」が2月14日に再設定されたことから、自分の書棚にあった関連書籍をもう1冊ぐらい読んでおこうと思ったのが1つ、もう1つは15日に地方行政に関する別の打合せが入っているからであった。振り返ってみると1月は地域おこしに関して様々な本を読んだが、その多くは「行政をあてにしない、住民のことは民間の手で」という姿勢で論じられていたように思う。それに比べて、本書の場合は地方行政に携わる人々がわりと頻繁に出てくる。但し、行政主導での地域おこしという文脈でではなく、住民主導での地域おこしに行政側が応えるという文脈の中で出てくるのだけれど。また、行政側の特定人物が大きく取り上げられているが、これも町長や助役などの役職ででは必ずしもなく、一職員が「媒体者」になるという形での登場の仕方であった。
本書では、滋賀県甲良町、長崎県小値賀町、山口県阿武町、群馬県甘楽町の地域おこしの事例が大きく取り上げられている。どこもJICAの研修員や青年海外協力隊予備軍といった「よそ者」を受け入れ、彼らとの交流を通じて、彼ら自身の学びや行動変革だけでなく、受け入れた住民自身の気付きや行動変革も促されている。いわば国際協力を通じた地域振興が語られている。