『新ヒットの方程式』 [読書日記]
内容(「BOOK」データベースより)
SNS分析の第一人者が解き明かす、ヒットの仕掛け方。SNSで話題をつくりたい方必見の、ヒットのお手本が満載!知っておきたい用語もわかる!
以前、自分の名刺代わりに本を出すという方法論があることを知ったが、本書はその典型ではないかと思う。著者はスパイスボックスという会社の副社長だが、本書で使われているソーシャルメディア発のヒットの分析に使用したツールは、同社が開発したものである。その集計ツールを使えば、なぜそれがヒットしたのかというのをエビデンスで示すことができそうだ。同社のビジネス拡大には貢献する1冊だろう。
自分が今置かれている文脈の中で、今この本を読むのがどれだけ妥当性があったのかというと、1つだけ言えるのは、著者が終盤でちらっと言及しておられる通り、アジアの開発途上国は、マスメディアが発達する前にソーシャルメディアが普及してしまったので、マーケティングの考え方もソーシャルメディア中心で行かなければならないという点だろうか。確かに、この国の場合、ブータン国営テレビ(BBS)のCM枠はあまり大きくないし、クエンセルの広告欄も、あまり有効に使われているような感じがしない。「売ろう」という熱気もあまり感じない。一方でソーシャルメディアの利用の仕方はマナーもへったくれもなくて、重要な会議の最中でもスマホに目をやっている出席者が目立つ。本気でものを売りたいなら、ソーシャルメディアをうまく駆使したマーケティングのやり方はあり得るかもしれない。勿論、「本気でものを売りたいなら」という条件が付くが。