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『インクルーシブデザイン』 [仕事の小ネタ]

SDGs時代の課題解決法 インクルーシブデザイン

SDGs時代の課題解決法 インクルーシブデザイン

  • 作者: 井坂 智博
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/12/21
  • メディア: Kindle版
内容紹介
アップル、MS、アマゾンも……グローバル企業で活用されるイギリス発祥のデザイン思考。独自ワークショップの威力とは? イノベーションを起こすための力をどのように鍛えていけばいいのか―。本書では、今後我々が直面する超高齢社会などを見据えて、SDGs(持続可能な開発目標)時代における「イノベーション力」を向上させるための方策、課題解決法について紹介します。
【MT市立図書館】
市立図書館で「インクルーシブデザイン」で検索して、ヒットした本を3冊借りた。最初のジュリア・カセム『「インクルーシブデザイン」という発想』が自分にとってバイブルともいえる本だったので、気持ちをアゲアゲにして2冊目の本書に臨んだ。中盤のインクルーシブデザイン・ワークショップの実践について語っておられるあたりまでは良かった。だが、その後中1週間の中断を挟んで第3章「「未来志向型リーダー」になるために」あたりから読書を再開すると、「あれ?」と思うことが多くなった。

何か違う―――これが率直な思いだ。良い意味でも悪い意味でも、この本は経営コンサルタントが書いた、自社で主宰しているワークショップへの「誘導」を目的としている。こういうワークショップがあるのはいいことだと思う反面、結局本書は企業組織の変革を推進するため、商品と市場とのフィットを高められる環境づくりを進めるためのワークショップを売っている。「インクルーシブ」という言葉で「誰も取り残さない」というところも担保してますよと言いつつ、ターゲットは企業であるように思えた。

高齢者や障害者を「リードユーザー」としてデザインワークショップに巻き込んでいくのはいい。でも、ステップが進むにつれ、「リードユーザー」の存在が希薄になっていく印象だ。結局、その高齢者や障害者をユーザーとしたカスタマイズドデザインを考えるワークショップの提案ではない。その点において、ジュリア・カセムが述べている「インクルーシブデザイン」とはかなり違う。

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『音のない世界でコミュ力を磨く』 [仕事の小ネタ]

音のない世界でコミュ力を磨く

音のない世界でコミュ力を磨く

  • 作者: 難聴うさぎ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2023/04/26
  • メディア: 単行本
内容紹介
世界一周旅行、YouTube、起業・・・やりたいことは全部やる!生まれつき耳が聞こえず、補聴器をつけて生活。現在YouTuber、会社経営、タレントとして活動し、SNS総フォロワー55万人を超えるインフルエンサー・難聴うさぎの初エッセイ。障がいを抱えながらも、「自分の人生を前向きに生きる」がモットー!体は左右非対称だったため、左足の骨を強制的に伸ばすためにたくさん針金を通したり、目はひどい斜視で手術をしたり…、現在も聴覚障がいとともに、突発性睡眠障がいも抱えて生活している。
【コミセン図書室】
この難聴のYouTuberのことは全然知らなかった。本書を読んだこともあって彼女のYouTubeチャンネルも少しザッピングしてみたけれど、本書も含めて自己プロデュースの上手い人なのだろうなと思う。聴覚障害を持つ方とのコミュニケーションの取り方について、多くのヒントをいただける1冊で、文章だけでも相当有用な本だと思う。写真はもうちょっと少なめでもいいのかもだが…。

今時この本を手に取った理由は、本書が近所のコミセン図書室の新着本の棚に置いてあったからだという非常にシンプルな理由にすぎない。軽く読めそうな、文庫版から四六判サイズぐらいでページ数200頁前後という基準で物色していて、その中で引っかかった。後付けでならいろいろ言えるかもしれないが、軽い本もたまには読みたかったのだ。

また、このブログでもたびたび話題として言及していることではあるが、1月下旬から僕は米国の某財団が主催している6カ月の研修を受講している。これの毎週出される課題がかなり厳しく、寝る時間も惜しんでウェブサイト上での課題への取組結果のアップに取り組んでいる。

読書は、基本的に電車での移動の時間とか、寝る前のちょっとの時間とか、課題への取組みの合間の空き時間だけしか充てていない。だから、セクション毎でストーリーがまとまっていて、前後関係を気にせず読めるものがよくて、しかも読み進めるスピードも遅い。しかも、同時並行で何冊かの本に目を通している日々なので、その時々に優先させて読んでいる本が別にあったりもする。

本書も、結局読了までに2週間かかった。しまいは、返却期限を過ぎてしまったので慌てて読んだ感じ。申し訳ないと思いつつ、まあ大まかには内容はつかめたかなと思う。

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『月3万円ビジネス 100の事例』 [仕事の小ネタ]

月3万円ビジネス 100の実例

月3万円ビジネス 100の実例

  • 作者: 藤村 靖之
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2015/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
「月3万円ビジネス」とは月に3万円しか稼げないビジネスのことだ。いいことしかテーマにしない。このビジネスはたくさん有る。なにしろ月3万円しか稼げないから、競争から外れたところにある。奪わないで分かち合う。みんなで愉しみながら仕事を創る……。2011年刊行の『月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法』でこのアイデアを発表したところ、日本各地でワイワイガヤガヤ仕事創りが始まった。自然の恵みで生きる、オシャレなエコ、人と人を温かく繋ぐ、孤独でなくする、農村に人を惹きつける……など、カテゴリーに分けて100個の実例を紹介する。
【購入(Kindle)】
記録によると、この本は昨年10月初旬にダウンロードしたことになっている。ちょうどインドに出張していた頃で、移動の機内ででも読もうかと考えたのだろう。確かに機内では読書で費やしていたし、その時点でかなり読み進めていたと思う。それが、インド出張から任国に戻ってからの忙しさの中でなかなか次に進めなくなり、50%程度のところで年末の本帰国を迎えた。昨年10月から12月までの3カ月は、僕のこれまでの人生の中で、もっとも読書に時間を割くことができなかった3カ月だった。

このまま放置しておくのは心苦しかったし、僕も早期退職の日まで残り2カ月を切ってきたところだったので、せめて本書は最後まで読み切っておこうと思い、読み込みを再開した。それでも読み切るのには苦戦を強いられた。「事例集」と銘打っているぐらいだから、本書はレファレンス目的の本であって、最初から最後まで通読するようなタイプの本ではない。ページをめくれば次々と面白い事例がいっぱい出て来るけれど、その事例を読み終わった後には結構忘れているというのも多いだろうし、何よりも文脈がつかめなくて、「あれ?この話以前も出てきたのでは…」なんてセクションもあった。

ただ、参考にできる事例集としては示唆が多く、読んでいて参考にできそうな話もいくつかあった。

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『Markdownライティング入門』 [仕事の小ネタ]

Markdownライティング入門 プレーンテキストで気楽に書こう! (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

Markdownライティング入門 プレーンテキストで気楽に書こう! (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

  • 作者: 藤原 惟
  • 出版社/メーカー: インプレスR&D
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: Kindle版

内容紹介
【プレーンテキストでらくらくライティング!Markdownを使いこなそう!】
本書は、文章を書く=ライティングを「気楽に」行うための道具としての「Markdown」形式を紹介し、その使い方を詳しく解説しています。Wordなどのワープロソフトに限定されることなく、テキストエディタやMarkdown専用エディタ、ポメラなどの文書入力専用機、さらにはスマートホン上でも「見出し」や「強調」といった文章執筆に必要な情報を共有するための書式であるMarkdownの書き方やその定義や起源を、初心者でもわかりやすく紹介しています。
【Kindle Unlimited】
『聲の形』の大今良時先生が表紙を描かれているのが特徴的な本。Markdown言語についてはあらかたネット上の情報で使いこなせるようにはなってきていたので、復習ぐらいのつもりでサラッと読んでみた。HTML形式よりもはるかに簡単なので、わざわざ解説書を買って読まないと使いこなせないという言語ではない。それを丁寧に140頁以上にも膨らませて書かれている。

そこまで詳述しなくても…と思ったところも相当あるし、記述に重複も所々見られる。けれど、本書を書くのにもMarkdownを使うのにこだわったそうだし、全体を通じて、著者のMarkdownへの愛は感じられる。それと、この著者は書くのが好きなんだろうなぁというのもひしひしと感じる。

ちなみに、僕も先々週くらいから、必要に駆られてMarkdownを用いて独自のウェブサイトを構築すると言う取組みに着手した。僕の場合はVisual Studio Codeをテキストエディターとして使っているので、本書にVS Codeへの言及がなかった点にはちょっと物足りなさはあった。

本書に書かれているようにやってみたけれど、VS Codeではうまく行かなかったケースとして、「強制改行は「行末にスペース2つ」」というのがある。僕は元々半角英数字を使ってウェブサイトを書いているが、それでは何も起こらなかった。

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『一番わかりやすい!メタバースざっくり知識』 [読書日記]

一番わかりやすい!メタバースざっくり知識 (KAWADE夢文庫 K 1192)

一番わかりやすい!メタバースざっくり知識 (KAWADE夢文庫 K 1192)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2022/10/13
  • メディア: 文庫
内容紹介
進化のカギを握る技術とは? 私たちの仕事や暮らしは今後どう変わる? ……仮想空間の“今”と“これから”を解説。
【MT市立図書館】
市立図書館で別の本を予約していたのだが、いずれもちょっと厚めの実用書だったので、1冊ぐらいさらっと読める文庫か新書サイズの本を加えようと考え、蔵書棚を物色して気になった本を選んだ。こういう借り方は今後もするかもしれない。

どうして本書だったかというと、先月藤井太洋『オーグメンテッド・スカイ』を読んだ際、その感想として、「実際にVRゴーグルを装着して、誰かが没入しているところをメタで見るような経験があればもっとイメージしやすかったかもしれない」と書いていたからだ。VRゴーグルを装着してVR体験をしたことが全くないというわけではないが、なんかイメージしづらかったのだ。たぶん、この作品では、ゴーグルを装着していた生徒とそうではない観客としてその場にいた生徒がいたと思うのだが、最大の疑問は、ゴーグルを装着していなかった生徒がどれくら没入できるのか、それとそもそも彼らはゴーグルを付けずに何を見ているのかということだった。

よくわからないので、取りあえずVRも含め、「メタバース」の現在位置を知っておきたいと思い、こういうざっくり知識の本を読んでみることにしたのである。

結論から言うと、ゴーグルを装着しない領域での話であっても十分「メタバース」の定義には入って来るのだというのが理解できた。いや、そうじゃなきゃJR東日本とか三越伊勢丹とかが本書で取り上げられることはなかったのではないかと思う。それに、「あつ森」や「マインクラフト」もこの執筆チームの定義では「メタバース」として引っかかって来る。僕は思うところがあって最近マイクラ(マインクラフト)の教育版をダウンロードしてちょっとだけかじってみたが、こういう場で自分なりのコミュニティを作ることも「メタバース」なんだと気付かされた。

『オーグメンテッド・スカイ』のような、東大合格者が毎年1人出るか出ないかという程度の進学校であってもVR作品で全国や世界と戦ったりできるというところまでは、まだVRも一般普及はしていないということなんですかね…?

で、類は友を呼ぶというか、こんな本を読んだ後先週末横浜に行ったら、YOXO Festival(ヨクゾフェスティバル)というお祭りが行われていて、時間の制約上唯一訪れることができた横浜ハンマーヘッドの会場では、VR関連の展示がものすごく多かった。これまた時間の関係で、僕はある特定のブースに出かけて出展作品とその製作者と話をするので多くの時間を費やしてしまったが、そのブースの後ろで親子連れがラップトップで格闘していたのが「マイクラ」であった。主宰されている方とお話しして、「ゲームとしてではなく、自分なりの建造物をデザインしてアップできるという点で、オジサンでもマイクラには興味があるのです」とアピールしておいた。

今はあまりマイクラにかけるだけの余力はないのだけれど、今受講中の研修が7月に首尾よく卒業を迎えることができたら、ちょっとばかしかじってみたいと思っている。


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『「インクルーシブデザイン」という発想』再読 [仕事の小ネタ]

「インクルーシブデザイン」という発想 排除しないプロセスのデザイン

「インクルーシブデザイン」という発想 排除しないプロセスのデザイン

  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2014/06/26
  • メディア: 単行本

【MT市立図書館】
2022年10月に一度読んでブログでもご紹介もしている本なのだが、少しまとめてインクルーシブデザインを扱った書籍を読みたいと思い立ち、手はじめに市立図書館で借りて読むことにした。

前回「ハードカバーでも電子書籍でもいいので原書でも1冊手元に置きたい」と感想で述べているのだが、読み直してみて改めて同じ感想を抱いた。中古でもかなり高価で、そんなに簡単に手に入る本ではないので、迷った時にまた図書館で借りて読むしかない。

前回(2022年10月)と今回とでは、自助具のデザインというところでの自分の経験値がちょっと上がっており、またデザイナーと医療従事者(介護従事者も含めて)との間での緊張関係というのも目の当たりにした。1年数カ月の間に起こったこと、見てきたこと、そして実践したことが、本書を読み返す時にも新たな視点を用意してくれていて、読みながら腑に落ちるところが多かっただけでなく、前回読んで響いたところとは違う箇所の記述に共感を覚えたというのも多かった。

面白いことに、前回のブログでの紹介記事でも何カ所かの引用をそのまま掲載していたのだが、今回の再読で付箋を付けた箇所が、1ヵ所を除いてことごとく前回と重複していなかった。前回の記事でもしかなり本文に踏み込んで紹介している場合は、再読時の紹介記事ではそれほど詳しく記事を書いたりしないことが多いのだが、本書のついては勝手がちょっと異なる。今回自分が共感を覚えた箇所を改めてご紹介していきたい。

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