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『オーグメンテッド・スカイ』 [読書日記]

オーグメンテッド・スカイ (文春e-book)

オーグメンテッド・スカイ (文春e-book)

  • 作者: 藤井 太洋
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/06/22
  • メディア: Kindle版
内容紹介
僕たちは、テクノロジーで世界(CODE)を「書き直す」。片田舎の少年たちが、世界を向こうに仕掛けるゲリラ戦。武器は〈知恵〉と〈友情〉、報酬は〈自由〉。SF小説の旗手が、VR世界大会を舞台に紡ぐ青春ハック小説。2024年、鹿児島。県立南郷高校に通うマモルは、男子寮の次期寮長に指名される。下級生の指導や揉め事の解決など、マモルの負う役割は大きいが、なかでも、学生VR全国大会出場に向けてチームをまとめるのが最重要ミッションの一つである。昨年敗れた先輩たちの雪辱を果たすべく、準備を進めるマモルだったが、大会事務局の対応にある違和感を覚える。同じ頃、アマチュアVRの世界大会「ビヨンド」の存在を知り、自分たちの進むべき新たな道を見出していく。
【コミセン図書室】
昨年後半はほとんど本が読めない状態が続いたので、年末を迎える頃には、極端に読むスピードが落ちていた。この1月はそこからのリハビリだとばかりに読書に力を入れ、かなりの冊数の本を読むようにしてきた。

ジャンルも問わず、気になった本はなるべく手に取るようにしてきた。歴史小説もあれば、新書もある。直木賞候補作品もあれば、僕の住む町ゆかりの作家の最新作というのもある。一昨年だったか、「今年はもっとSF作品も読むぞ」と宣言し、藤井太洋の作品を何冊か読んでいたが、振り返ると昨年は『プロジェクト・ヘイルメアリー』ぐらいしか読んでいない。

今月久々に近所のコミセン図書室に行ったら、新着本の棚にいきなり藤井太洋の新作が陳列されていたので、内容はよくわからなかったけれど、取りあえず借りてみることにした。冒頭の内容紹介にもある通り、今回のテーマはVRである。実際にVRゴーグルを装着して、誰かが没入しているところをメタで見るような経験があればもっとイメージしやすかったかもしれないが、残念ながらそういう経験が僕にはないので、十分理解できたわけではない。でも、高校生が1つの目標に向かって数カ月にわたって取り組む姿を追いかけるだけでも十分楽しめるので、SFに造詣がなくても読める作品にはなっている。

なんで鹿児島?なんで鹿児島弁?という疑問は当然あった。でも、ちょっと調べてみたら作者自身が鹿児島で高校生活を送っていて、おそらく鹿児島弁が飛び交う環境だったのだろう。僕は鹿児島の高校の学力とかあまり知らないが、毎年東大合格者がなかなか出せない高校なのに、やたら3D CADやVRができる生徒がいたりとか、仮想通貨を仕込む生徒がいたりとか、そのギャップには違和感を覚えるところもあった。それくらいエッジの利いたことをやっているなら、東大と言わなくてももっとその異彩を伸ばせる進路があるのではないかと思えるのだが、受験で失敗して浪人生活を送るとか、第二、第三志望の学部に進むとか、なんかもったいないトーンダウンだ。

そういうコントラストを見せるために著者はあえてそんな描き方をしたのかもしれないけどね。

なんか、高校時代いいな~。そんな感想です。あまりSFっぽくない。



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