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『国際協力と想像力』 [仕事の小ネタ]

国際協力と想像力 イメージと「現場」のせめぎ合い

国際協力と想像力 イメージと「現場」のせめぎ合い

  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2021/03/24
  • メディア: 単行本
【内容紹介】
援助の現場においてイメージと現実はなぜ乖離するのか。 援助国・被援助国の視点から要因を考察し、ギャップを超える方法を探る。
【購入(キンドル)】
今週はいろいろな事情があって時間に追いまくられて過ごしたから、本書は読了してもすぐに感想を述べる記事はなかなか書き始められなかった。そうこうしているうちに記憶が薄れてきていて、書くのも少し面倒になってきている。

本書の表紙オビには、「コロナで現場に行けない!どうする?――途上国を訪れることが難しい今だからこそ、想像力を働かせ、固定観念から自由になろう」とあった。幸いなことに僕自身は今少なくとも任国には入れてもらっている。任国には入れれども任地である地方には行かせてもらえておらず、そういう意味では「現場に行けない」もどかしさは今の僕にもあるが、少なくとも日本で1年以上スタンバイ状態にあった中で悶々としながら考えていた現地のイメージからすると、今は、「あ、こういう活動の機会もあるのか」と気付いて、首都でそれなりに動けていることもあるのでまだ良い。これが、短期派遣の方々だと、強制隔離期間のことを考えたらなかなか渡航の決断もしづらく、今も悶々とされているに違いない。

今まで開発途上国での駐在は4回経験した。僕らももう少し若い頃は「現場主義」と上から厳しく言われ、実際長期の駐在機会をいただいた時には心をときめかせたものだが、現実はというと駐在することがイコール現場に近かったわけでもない。場所は変わってもデスクワークは多かったし、ややもすると本社からのメッセージに理不尽さを感じることも多かった。僕らよりもよほど現場に近いところにいらっしゃる方々からも「〇〇は冷たい」的な厳しいお言葉を浴びせられたこともある。

その時にはわからなかったことが、4回目の駐在となる今回は、今までとは立場が変わったために、「なるほどそうか」と得心させられる場面が結構多い。とは言っても自分の派遣元の組織に対してひと言言いたい場合、相手は自分の元同僚だったりするので、自分が浴びせられたような厳しい言葉を投げかけるつもりはない。ただ、「このままでいいのか」という疑問は常にある。相手が自分をどう見ているのか、そして自分が相手をどう見ているのかのすり合わせは、できるだけ頻繁にした方がいいとは思っている。

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