『森の生活』 [持続可能な開発]
内容紹介【購入】
ボストンの近郊、コンコードの町に近いウォールデン池のほとりに、ソローは自ら建てた小屋で、2年3ヵ月、独り思索と労働と自然観察の日々を過した。人間の生活における経済の理念をはじめ、人生のあるべき姿や精神生活の大切さ、森の動植物への情愛などを語りながら、彼は当時のアメリカ社会と人間を考察し続けた。物質文明の発展が問い直されている今日、ソローの思想の持つ意味はますます大きい。
隔離施設収容が21日間もあると、普通は読めないような大部の本を読むいい機会かもと思い、今回携行したのがこの古典の邦訳であった。新型コロナウィルス感染が始まった頃から、日本では「ソロキャンプ」とかいうのが流行り始めたが、そこで期待される効能を今から170年以上前に訴え、米国ニューイングランド地方で、2年以上にもわたるソロキャンプを敢行した人がいた。19世紀半ばというのは、米国文学の黄金期だと思うが、その中でも代表的なのが、ヘンリー・デビッド・ソローの『ウォールデン、または森での生活(Walden, Or Life In The Woods)』(以下、森の生活)である。
確か、昨秋ロバート・B・パーカー『初秋』を読んだ時にも、『森の生活』には言及されていたなと思い出す。パーカーのスペンサーシリーズの舞台もボストンだし、確かスペンサーがポールを連れて行ってログハウスを作った森というのはメイン州だったと記憶しているけれど、ウォールデン池の写真を見ると、『初秋』の舞台もきっとこんな感じだったんだろうなと想像してしまう。