『フォン・ノイマンの生涯』 [読書日記]
内容(「MARC」データベースより)【MT市立図書館】
量子論、ゲームの理論、原水爆、コンピュータ、数値気象学…を立ち上げ、20世紀後半の科学と社会を基礎付けたユダヤ人天才科学者の足跡を追った伝記。
現在受講中のグローバルディプロマコースの冒頭で紹介されたのがフォン・ノイマンも関わった黎明期のコンピュータの話だったので、この際だから一度フォン・ノイマンの電気でも読んでおこうかと思って手に取った。毎度のことながら、そのセレクションは衝動的なもので、他の蔵書を借りるために市立図書館に出向いた際、何かもう一品付け加えようと思い、文庫・新書の棚を物色し、パッと目に止まったというのが実態に過ぎない。
500頁以上ある分厚い文庫。しかも、3月末でそれまで勤めていた会社を辞めたため、通勤もしなくなった。読書に充てられる通勤時間がなくなったことで、集中して読書ができるのはディプロマコースのローカルセッションに通う毎週土曜日ぐらいしかない。幸い、ここ2週間は土曜日以外にも横浜に出向いた日があったため、なんとか読み進め、4週間かけてなんとか読み切った。
とんでもなく多産な人で、多くの、今なら相互に関連性がなさそうな領域で大きな功績を残された20世紀の偉人である。今なら、アカデミー賞を最近受賞した『オッペンハイマー』でロスアラモス研究所が出てくるので、その時代背景を知る上でも参考にできる評伝だと思う。但し、僕は『オッペンハイマー』を観ていないのでわからないのだが、Wikipediaの記述を見ると、作品の登場人物リストにフォン・ノイマンの名前はないため、映画には登場していない可能性もある。その辺は、作品編成上の事情や思惑もあるのだろう。映画の方で原爆開発者の苦悩が描かれているようだが、フォン・ノイマンは「必要悪」の立場から開発には積極的に関わっていたようだから。
原水爆のことも、コンピュータのことも、ゲーム理論のことも、それぞれある程度理解していればもっと味わえる評伝だと思う。僕は断片的かつ中途半端な理解の上に立って本書を読み、このブログも書いているので、稚拙な記述があると思うがどうかお許しいただきたい。