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『この世界が消えたあとの科学文明のつくり方』 [仕事の小ネタ]

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)

  • 作者: ルイス ダートネル
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/09/06
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
文明が滅びたあと、あなたはどのように生き残るのか?穀物の栽培や紡績、製鉄、発電、印刷、電気通信など、人類が蓄積してきた厖大な知識をどのように再構築し、文明を再建するのか?日々の生活を取り巻くさまざまな科学技術と、その発達の歴史について知り、「科学とは何か?」を考える、世界15カ国で刊行の大ベストセラー!

いやぁ、面白かった。450頁もあるから読むのも大変だったけど、面白かった。河出書房、ホント目の付け所が違う。今年読んだ本の中でも、出色の面白さだ。

今、ここで急に大地震でも起きて、何もかも倒壊してしまって、でも自分を含めて数人で辛うじて生き残った時、生きのびるために何からどう手を付けていったらいいのかはにわかには思い付きにくい。そういう、当面を生き残るための知識から始まって、長く生きのびるための様々な知識、科学的裏付けのある様々な知識がこの1冊に詰まっている。

まあ、そんな極端なケースが本当に起きるのかどうかは定かではないが、僕らが開発途上国で仕事していれば、日本にいる時よりもものがないのが当たり前の世界なので、実はこういう本が座右にあるだけでもものを見る時には非常に役立つ。農業を考えてみても種子のこと、肥料のこと、水のことなど考えなければいけなくなるが、実際に日本で農業に従事していたわけでもないので、にわか知識で渡り歩かなければならないことだってある。石灰のような鉱物資源なんてのも同様で、何をどう使っていったら自分達の生活を良くして行けるのかというのを考えるにあたり、鉱物資源をどう加工したら活用可能なのか、恥ずかしながら僕らはネットで調べたにわか勉強で対応しなければならない。

その肝心のネットすら使えない状況にある開発途上国の地方の村でそういう知識が必要になったとしても、多分調べられなくてろくな知識共有もできないだろう。僕らは先進国に生まれ育ったからといって、文明が崩壊してしまった状況やなにもものがない状況にポンと置かれた時には全くの無力で、そこには先進国だ途上国だといった区分は意味をなさなくなる。知識を持っていて、使いこなせる奴が強いのだ。

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