「功名が辻」(第1回) [テレビ]
『義経』もタッキーの下手な演技に結局途中でヘタって見なくなってしまった僕も、気を取り直して今年の大河ドラマ『功名が辻』」の第1回放送「桶狭間」を見ることにした。なんていっても戦国モノだもんね。その印象を書いてみたい。(『功名が辻』の公式HPはこちらから!)
どうもこの年末年始に武田鉄矢を見過ぎたので、正直「またか!」という印象。『里見八犬伝』では敵役の1人、籠山逸東太(こみやまいっとうた)を演じていたので、いきなり山内一豊の家臣・五藤吉兵衛役と言われても、すぐに気持ちが切り替えられなかった。これからTBSの『白夜行』でもヤバそうな役をやるもんね。金八先生からのイメージチェンジを図っているのだろうか。
次に、藤吉郎役・柄本明、少年時代から演じるのはツライぞ。信長に「サルはおらぬか!」と言われて駆け回っている姿がとても痛ましかった。僕はドラマとしての『利家とまつ』は金沢-大坂間のまつのワープとかが平気で行なわれていてあまり評価していないのだけれど、香川照之のサル役のイメージが強いので、どうもフットワークが必ずしも軽くない柄本サルが不憫でならなかった。
さらに信長役・舘ひろし。『義経』における平清盛役・渡哲也に続く石原軍団のお館様役であるが(こう考えると、最近の大河はジャニーズと石原プロでもってる感じだね)、僕の中での信長といったら緒形直人や反町隆史なので、未だ青年時代の桶狭間合戦当時の信長を舘ひろしがそのまま演じるのは相当キツイと思った。それに、低音の魅力の人だけに、織田家臣軍団に号令を下す際に声を張り上げるシーンはものすごくつらそうだった。迫力なかった。(いや、ちょっと待て。渡哲也も信長演じてたな。『秀吉』で。)
家康役は西田敏行。この人、大河の常連だね。昔は『おんな太閤記』で秀吉やってたかと思えば、二代将軍・秀忠もやり(『葵-徳川三代』)、吉宗もやった(『八代将軍・吉宗』)。正月のテレビ東京の10時間時代劇『天下騒乱』では家康家臣・土井利勝役やってたね。そういやおね役の佐久間良子も一豊の母役で再登場だ。家康はもう少し登場が先だろうから、違和感というほどのものはなかったけど、「あれ?最近どこかで見たよな」と思ってしまった。
『利家とまつ』でサル役を演じていた香川照之が六平太役で大活躍だった。この人、フットワークの軽いこういう役はものすごく合っているような気がした。
蜂須賀小六役はプロレスラー高山善廣。『利家とまつ』じゃ将来の長崎県知事(?)大仁田厚君がやっていたね。格闘系の決まり役になろうとしている。
大河ドラマは主人公の少年少女時代というところで、時々登場人物の年齢と演ずる役者の実年齢が合わなくておかしなシーンがどうしても生じてしまうのだろうが、それにしても、一豊役・上川隆也と幼年期の千代役・永井杏って、実年齢は幾つ違うんだろうか。実際以上に年の差があるように感じられて(贔屓目に見ても15歳は違う)、違和感あるんだよね。
最後に、千代の父役・宅間伸、第1話だけで戦死させるには惜しいキャストだと思うが、「たわけ!」のイントネーションが違うぞ!母役・木村多恵も第1話でいなくなるには惜しいキャストだと思った。この女優さん、歴史ものの着物姿の女性を演じたらかなり美しいと常々思っているのだけれども(妖艶という言葉がぴったりで現代女性を演じさせるとちょっとアブナイ役になってしまうような…)、百姓の母上役じゃまだまだ過小評価されていると言わざるを得ないな。
それにしても、NHKも大河ドラマの役者の使い回しをもう少し抑えて欲しいよ。西田敏行や武田鉄矢、津川雅彦、江守徹を何度大河で使っていることか…。仲間由紀恵も『武蔵』に出てたし。
地元・亜細亜大学、箱根駅伝優勝おめでとう [テレビ]
いやぁ、驚いた。戦前、下馬評にも上がっていなかった亜細亜大学が、箱根駅伝総合優勝を果たした。区間賞を取ったのもたった1人と、ブレーキになる選手がいなかった総合力の勝利だと思う。5連覇を阻まれた駒澤大学の全盛期を見るような思いだった。戦前、優勝候補として挙げられていた東海大は5区・伊達がブレーキ、日大は2区・サイモンがブレーキ、順天堂大は8区・難波が脱水症状で大ブレーキ、駒沢大はアンカー10区・粕谷が同じく脱水症状でブレーキと、とにかく期待された選手が予期せぬブレーキでうまく区間をまとめられずにタイムを落とした。ずば抜けた選手がいなくても、調子の悪い選手を使わないような選手層の厚さがあればそこそこ箱根では戦えることを実証したのではないかと思う。
箱根駅伝を観戦しながらいつも思うのは、調子が良いからといって入りの数kmを1km2分40~50秒のペースで入ってしまうと20km以上の長丁場はなかなか持たないということだ。10区の亜細亜大・岡田と駒沢大・粕谷の駆引きなどまさにその典型だ。何年か前の9区での山梨学院大・黒木(だったと思う)と早稲田大・櫛部の戦いの再現だった。最初は追い上げるチームが早めに差を詰めようとするが、余裕を持って序盤を走った先行チームの方が最後には突き放すという展開に終わる。また、今年の花の2区で山梨学院大・モグスが驚異的な追い上げを見せた時、これは空前絶後の区間新記録が生まれるのではないかとTV中継が煽っていたが、蓋を開けてみれば区間歴代4位に過ぎず、やっぱり最初飛ばしすぎると後が大変というのがよくわかった。
もう1つは、現代みたいに10分以内で上位争いからシード権争いまでを繰り広げるようなレベルの高い接戦になった今日の箱根駅伝では、やっぱりモノを言うのは山登りの5区と山下りの6区に絶対的なエースを揃えているチームはかなり戦えるということだった。往路の順天堂大は5区で襷が渡る時点で6位だったところから往路優勝を果たしている。(まるで、ツール・ド・フランスでアルプスの山登りでマイヨ・ジョーヌの行方が決まってしまうのとよく似ている。昨年までツール7連覇という偉業を達成したランス・アームストロングは、タイムトライアルだけではなく、山登りも強かった。)
「ドラゴン桜」を見て我が子を東大に? [テレビ]
東大人気「ドラゴン桜」が一役?志願者2割増
来年の大学受験に向け、東京大学を目指す志願者が前年より2割程度増えている。東大が今年初めて大学説明会を開くなど積極的に情報発信をしていることも一因だが、受験関係者などの間でささやかれているのが、東大受験に挑む非進学校の生徒を描いた漫画「ドラゴン桜」の影響だ。
駿台予備学校が11月に実施した東大入試実戦模試の受験者数は前年より20%増加。代々木ゼミナールの東大入試プレテストは前年比9%増、河合塾の「東大即応オープン」も前年比23・6%増で、予備校関係者は、近年になく東大志望者が増えていると見ている。
こうした「東大人気」について、河合塾進学事業推進部の藤橋研二チーフは〈1〉少子化による「大学全入時代」に向け、受験生の上昇志向が高まっている〈2〉東大が説明会を始めるなどPRに乗り出した――などをまず指摘する。それに加えて無視できない要因として挙げるのが、漫画「ドラゴン桜」の影響だ。
「ドラゴン桜」は週刊モーニング(講談社)連載の人気コミックで、元暴走族の貧乏弁護士が、倒産寸前の私立高校をエリート校に生まれ変わらせるため、偏差値30台の高校生たちに東大受験テクニックを伝授するというお話。カリスマ教師が説く独特の勉強法が話題となり、今年TBS系でドラマ化もされた。 (読売新聞) - 12月25日
こんな記事が出た途端、TBSテレビがドラマ『ドラゴン桜』 の再放送を始めた。TBSもなかなかしたたかだと思う。僕が今年まともに見ていたテレビドラマといったら『ドラゴン桜』と『電車男』ぐらいしかない。再放送されたらどうしても見てしまうだろう。(テレビドラマ『ドラゴン桜』公式HPはこちらから)
それはともかく、元々は金曜夜10時からの放送枠だったテレビドラマは、僕は仕事が遅くて見れなかったので、たいていの場合はビデオ録画して翌日土曜日の日中に再生して見ていた。当然、小学校2年生のミッキーも一緒に見ていて、親が果たせなかった東大進学を今から少しでも意識してくれないかなと密かに期待していた。
英語の学習法は高校時代に僕自身も実践したものだし、歴史の学習法として紹介されていた「メモリー・ツリー」の制作とそれに基づく相互学習というのも、今年僕が覚えた「マインド・マップ」とよく似ているなと思った。右脳の潜在能力をフル活用しようとする理にかなった学習法であるので、若い子供達にも覚えて欲しいと密かに期待している。東大を志望するかどうかはともかく、東大を含めた進路の選択肢を拡げることができるのではないか。
「ハルとナツ―届かなかった手紙」 [テレビ]
先週NHKで5夜連続放送されていたNHK80周年記念ドラマ『ハルとナツ 届かなかった手紙』をご覧になった方は多いのではないかと思う。僕は案の定仕事が遅くて第2話から第4話までを見損ねてしまったのだが、第1話と最後の第5話はしっかり見た。(第5話の時は、たまたま偶然、本当に偶然に頭痛で会社を早退してしまったので、ゆっくりと見ることができた。)
あらすじは、およそ以下の通りである。
70年ぶりに日本に帰った高倉ハルが、孫と共に、生き別れとなった妹ナツを探し出す。しかし、大手製菓会社社長となっていたナツは、「自分は家族に捨てられた」と冷たく言う。ハルとナツは、北海道に住む高倉忠次の子として生まれた。1934年、凶作続きで生活に困窮した一家6人は、ブラジル移民を決意。だが7歳だったナツは乗船直前、病気(トラホーム)のため日本に残される。ブラジルでは、「農奴」に近い暮らしがハルたちを待ち受けていた。ようやく落ちつた頃には、日米開戦となる。ハルの兄は日本の予科練に入り、特攻隊員となって戦死する。忠次は日本の敗戦が信じられず、苦難のまま生涯を閉じる。一方、北海道で天涯孤独の身となったナツは、牛飼いに拾われ、戦後は菓子作りで成功する。(毎日新聞、9月5日より引用)
脚本を手がけた橋田壽賀子によれば、「ブラジル移民の資料を読んで、これは棄民政策だと感じた。でも捨てられた日本人が一番日本を愛していたのだと思った」のだそうだ。
僕は初回と最終回しか見ていないが、ブラジル移民の歴史は、2年半前に訪れたサンパウロの日系移民資料館で随分と勉強させていただき、かつその時に、ドラマの高倉忠次のエピソードのように、日本が戦争に勝った負けたで当時の日系人社会が「勝ち組(日本の敗戦を認めない者)」と「負け組(日本の敗戦を認める者)」とで真っ二つに割れ、 それが後々まで尾を引いたという話がとても印象に残った。晩年の忠次が死ぬ直前、入植地の日系人会会長の中山と酒を酌み交わしながら、日本は戦争そのものには負けたかもしれないが、戦後の急速な復興と経済成長を聞かされると、日本は勝ったとも言えるのではないかと訴えるシーンがあったが、そこまで引きずるほどに日本の敗戦というのは大きな出来事だったということがよくわかる。
最終回のお話の中で印象的だったもう1つのシーンは、長男の嫁(ブラジル人)をどうしても認められなかったハルが、大切な菊が市況の暴落で売り物にならなくなって廃棄せざるを得なくなり、菊を抱きながら悔し涙を流す嫁を初めて嫁として認め、抱きしめるシーンだった。海外に住むからこそ日本人としてのアイデンティティを大事にしたい、だから息子の嫁は日本人でなければいけないという頑ななハルの心が初めてブラジルという異文化に対して開かれるという感動的なシーンだったと思う。米倉涼子の長身に若干の違和感を覚えつつも、思わず目頭が熱くなった。
『ドラゴン桜』放映終了 [テレビ]
「世の中に越えられない壁なんてねえんだ」
大事にしたい桜木弁護士の言葉だと思う。結局、特別進学クラス5人のうち、東大合格者は3人だったわけだけれども(現実的な落しどころだと思う)、自分には無理だという壁を勝手に作らずに1年間東大合格目指して取り組んできたらこの成果だという点には、親子ともども納得しながら見ることができた。親としては、所詮自分の子供はこの程度なのだなどと思わずに、どうせ挑むなら最も高い目標設定をしてみるのみいいのではないかと思う。(個人的には東大よりも京大の人間に魅力を感じるけれども。)「おまえら、自分の可能性を否定するなよ」
人間の環境適応能力はすごいと思う。とても付いていけないと思っていても、1年もいれば体も頭も環境に慣れて、普通にできるようになっていく。だから、自分ではとても到達できないという高い目標設定をすることは良いことだと思う。
僕の周りにも東大出身者は何人かいるが、すごい勉強をしたか、余裕で合格したかはともかくとして東大に入った人間が、その後の過ごし方でより社会的に評価されるようになるケースと、評価がされなくなるケースと両方あり得ると感じる。従って、高い目標設定をして実際に目標を達成できたとしても、そこから先の生き方がさらに問われてくるようにも思う。桜木弁護士は、ドラマの中で、東大合格を「プラチナチケットを手に入れること」と例えているが、実際にそのチケットを手に入れてそこからどこに向かうのかは、乗車できた各人によるところが大きい。
そんなことを感じながらドラマを見てきた。
最後に、このドラマを見て、暫くお休みしていた「マインドマップ・ノート術」の実践をこの際もう一度再活性化させたいと思うようになった。子育ての話だけではなく、僕自身の生き方についても、このドラマに背中を押されたところがあった。
窪塚クンが羨ましい―アリゾナの旅 [テレビ]
自宅に仕事を持ち帰り、前夜2時間半しか睡眠を取っていなかった僕は、この日は帰りの電車の中でつり革につかまりながらウトウト。とても眠かったので、折角録画したこの番組は、昨日と今日と2日かけて見た。
さすがモニュメントバレー、空の青さと大地の赤さが対称的で、どちらもとても眩しい。そして、風の通る音以外は何も聞こえない静けさ。丁度2年前にモニュメントバレーを訪ねた時の記憶が蘇る。ナバホインディアン居住区はニューオリンズ周辺とは別の意味で貧しい土地だったけれども、何か心が洗われていくような土地だった。番組を見ながら、また行ってみたいなと思ってしまった。
今週の「ドラゴン桜」 [テレビ]
そして、今週の世界史の勉強法――桜木弁護士が出してきたのは「スクラム学習法」と「メモリーツリー」の作成だった。おやおや、「メモリーツリー」というのは、色使いといい、派生概念を枝葉が放射線状に伸びていくように書き綴っていく手法といい、「マインドマップ」とそっくりじゃないですか?左脳でなく右脳にメモリーを収納すれば、脳の機能のうち使われていない96%を活用して、相当な記憶が可能である。その原理も「マインドマップ」そっくり。但し、「マインドマップ」の場合は大きな横長用紙の中心にテーマを添えるのに対して、「メモリーツリー」は用紙を縦に使い、テーマは中心よりやや下に添えられているという点はちょっと違うが…。そして、自分で作ったメモリーツリー/マインドマップに基づき、他人にも説明することによって、自分の咀嚼と相手の効率的記憶作業の両方に貢献できるという点も、非常によく似ていると思う。
しかし、現実はドラマほどシンプルではない。