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ゴミ焼却は許されないらしい [ブータン]

医薬品焼却炉が必要
Drug incinerator needed to dispose expired medicines
Kuensel、2017年7月8日、Dechen Tshomo記者
http://www.kuenselonline.com/drug-incinerator-needed-to-dispose-expired-medicines/

【ポイント】
使用期限を過ぎた医薬品や没収した薬物の安全で効率的な廃棄のために、医薬品焼却炉が必要――6月5日にティンプーで開催された、医療技術へのアクセス促進に向けた知的財産の法制と政策の一貫性のレビューワークショップにおいて、この点が強調された。この提言を以って、ワークショップに参加していた医薬品規制機関(DRA)当局者は、近々全国環境コミッション(NEC)と会う予定。

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記事のボリュームからして、ポイントで挙げた要約が極めて短く端折ったが、結局この記事で述べられているのはこれだけの話だし、しかも元々のワークショップは1カ月以上前に開かれたものなので、紙面を埋めるためにクエンセルが持って来た記事なのだろう。それにしても1カ月というのは間が空きすぎのような気もするが。

それで、なぜこんなシンプルな記事を今回ブログで取り上げたかというと、この記事では触れられていないが、なぜNECと話し合わねばならないかというところにポイントがある。

NECは、ゴミの焼却を禁止しているのである。

山がちな内陸国、しかも国土の半分以上が国立公園などで保護されており、耕作に利用可能な土地は10%にも満たない。現実的に今後利用可能な国土面積は4%弱。これを、宅地や工業用地等が奪い合う構図だ。一方で近代化の進展によって廃棄物の性格が変わった。プラゴミが増えて、生化学分解ができないゴミが多くなったのである。そのしわ寄せは各自治体のゴミ処分場に行く。ゴミ処分場が満杯に近づいてきているのである。

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モノづくりの狼煙 [ブータン]

ファブラボ、イノベーティブマインド育成に一役
FabLab Bhutan to foster innovative minds
Kuensel、2017年7月8日、Phurpa Lhamo記者
http://www.kuenselonline.com/fablab-bhutan-to-foster-innovative-minds/

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【ほぼ抄訳】
ブータンの21世紀型教育システムは、7月20日、ファブラボ・ブータンの開所により新たな勢いを得る見込み。ファブラボはイノベーティブなアイデアを具体的な形にする場所を提供してくれる。発明やイノベーションの近代的な手段へのアクセスを保証してくれる場となるだろう。

ファブラボ・ブータンの創立者であるデビッド・クール氏は、ファブラボに多くの若者が来て欲しいとの期待を明らかにする。「こんなラボがあれば、アイデアを大きく前進させることが可能です。これで残された唯一の制約は皆さんのイマジネーションにあることになります。」

マサチューセッツ工科大学のファブラボ国際普及プログラム、Center of Bits and Atomsのシェリー・ラシター代表は、ファブラボをブータンに作ることで、地元の人々が自身の課題解決に取り組み、また世界的なモノづくりコミュニティと交流を図ることによって、持続可能なソリューションを見つけ出すことに役立つだろうと述べる。「世界中のラボがブータンと協働してソリューションを見つけ出すとともに、ブータンも世界中の人々とその知見を共有することができるでしょう。」

シェリー代表によれば、ブータン人をインスパイアするため、モノづくりコミュニティのためのいくつかのプロジェクトを計画中だという。ファブラボ・ブータンのマネージャー、ツェワン・テンジン・ラブテン氏は、ブータン・トイレット機構(BTO)との協働による、ポータブルトイレの生産を計画中だという。このポータブルトイレではプラスチック素材を用い、この国のプラスチック廃棄物の削減にも貢献するものだと付け加えた。

MITから5人のファブラボ専門家がブータン入りし、ティンプー市内バベサ地区で機材の設置を木曜日から始めている。機材の中には、レーザー加工機やCNCミリングマシン、3Dプリンター、デジタルミシン、鋳造機、鋳込み成形機等が含まれる。これらの機材は、MITのファブラボ普及プログラムとNPOソリッドワークスが供与したもの。

ファブラボ・ブータンでは、7月12日より、登録した若者向けのオリエンテーションプログラムを開始する。今のところ68名の学生が登録済み。うち15名はウッドクラフトセンターの学生。受講者はここで様々な機材の操作法を学ぶ予定。

2016年、ブータンは「ファブ・シティ」憲章に署名。原材料のリサイクリングや地元ならではの発明を通じて地元のニーズに応える、都市内での生産活動の推進で合意した。「この署名において、ブータンはこれから40、50年の間に、自身が消費するものの半分以上は自身で生産できるようになると述べた」とデビッド・クール氏は述べた。

Center for Bits and Atomsのニール・ガーシェンフェルド教授がブータン入りし、ファブラボの開所式に出席する予定。ファブラボというアイデアも、MITの同センターで2001年に形成されたもので、今では地元の発明や、工学教育、起業家精神の醸成等に貢献する世界的なプログラムに成長している。現在、世界100カ国以上の国々に1200のラボが設置されている。


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