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要注目、西部の国境地帯 [ブータン]

インドの中国非難にブータン参戦(後略)
産経新聞、2017年6月29日、岩田智雄記者(ニューデリー)
http://www.sankei.com/world/news/170629/wor1706290041-n1.html

【記事全文】
インドと中国の越境をめぐる非難の応酬に、両国にはさまれる小国ブータンが加わった。中国がインド部隊が侵入したと非難する地域は、中国とブータンの紛争地「ドクラム高地」にあるからだ。緊密な関係にあるインド、ブータンが中国と対立する構図で、問題はさらに悪化している。

ブータンのナムギャル駐インド大使は28日、PTI通信に「中国人民解放軍が最近、ドクラムにあるブータン陸軍の兵舎に向かう道路の建設を始めた」として、中国側に抗議したことを明らかにした。

中国外務省はこれに先立ち、「インド国境警備隊がシッキム地域の中印境界を超えて中国領に入り、ドンラン(ドクラムの中国名)で、中国国境部隊の通常の活動を妨害した」とインドに抗議していた。

ドクラム高地はインド領に突き刺さる中国領チュンビ渓谷に隣接する。南のインド主要部と北東部を結ぶ細長い「シリグリ回廊」に中国軍が侵入すればインドは東西に分断されるため、一帯は戦略的な地域だ。インドはブータンに支援を与え、軍を駐留させている。(後略)

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「ドクラム高地」がどこだかわからない方もいらっしゃるかもしれないので、地図を追加で添付しておく。ブータンと中国とは国境画定でもめている地域が4つあると聞いたことがあるが、添付の地図では3つしか確認できない。(もう1カ所はガサ北部らしい。)

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雇用のミスマッチ解消に求められるものは何か? [ブータン]

職業訓練は時代の変化と歩調を合わせるべき
TVET must keep apace with change: Symposium
Kuensel、2017年6月23日、Yangchen C. Rinzin記者
http://www.kuenselonline.com/tvet-must-keep-apace-with-change-symposium/

2017-6-23 Kuensel01.jpg

【ポイント】
22日、ティンプーにおいて、技術職業教育訓練(TVET)に関するシンポジウムが始まった。2日間のシンポジウムの共通テーマは「ブータンにおけるTVETの歴史を祝う~持続可能な開発に向けたTVETの貢献」。国内各地にある技術訓練校(TTI)、伝統工芸院(ゾリグ・チュスム)の校長、副校長、民間の訓練実施機関の代表等、40名以上が参加した。

初日のパネル討論では、技能労働の軽視が労働市場における職のミスマッチにつながっているとの指摘が相次いだ。技能労働者はブルーカラー労働だと見下されている。討論では、技能訓練を修了したワーカーが、その技能と合っていない分野で働かされ、それが雇用のミスマッチにつながっているのだという。

こうした状況が起きるのは、TVETで行われる教育が旧態依然としているからだとの指摘も。あるパネリストからは、ブータンのTVETは1965年には始まっているが、テクノロジーの進展が急速なのに、商業訓練校の機械は1965年に導入されたものをいまだに使用している、これでは雇用のミスマッチが生じるのは当たり前だとの辛辣な指摘も。

また、ブータンにはブータン人熟練労働者がいるのに、かなりの数の外国人労働者が雇用されていることにも話が及んだ。地元建設大手のCDCLのCEOは、この問題は即座に解決ができるほど単純ではなく、同社で行う入札では、最低30%の労働者はブータン人とするよう応札業者に求めていると述べた。

ブータンには、公営、民営、NGO、企業形態を含め、労働人材省登録のTVET実施機関が99ある。

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タグ:職業訓練
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『武曲Ⅱ』 [読書日記]

武曲II

武曲II

  • 作者: 藤沢 周
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/06/05
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
天才ラップ剣士、高校三年生の冬の陣。恋と、受験と、さらなる剣の高みへ。青春武道小説シリーズ第2弾!

今、日本では映画『武曲』が公開中なんじゃないかと思う。原作となった藤沢周の『武曲』は今年1月に読み、難解な漢字や剣道の手拭いに使われる四字熟語の多さに戸惑いながらも、その圧倒的な筆力に攻め込まれながらなんとか読み切ったものだが、映画公開に合わせて、その続編が出たというので、さっそくキンドルでダウンロードして読んでみることにした。

表紙がはんにゃの金田かと思ってしまった(笑)。この表紙はどうかなと首を傾げる。前作を振り返ってみても、上段使いがいた記憶はない。百歩譲って羽田融が素振りをやる姿をイメージしているのかなとも考えたが、彼は確か光邑先生から譲られた重い木刀を使っていたんじゃなかったっけ?それに、この表紙の高校生は明らかに左上段の構えを取っている。最初から上段に構えているわけで、そういった怪訝な思いを抱きながら読み進めたが、結局劇中登場する上段使いは融の後輩の端役でしかなかった。思わせぶりな表紙だ(苦笑)。

前作は画数が多い漢字がやたらと目立ったが、続編はそれほどでもなく、読みやすかった。前作ほどの暗さはない。この部分は読者側の期待値とのギャップがあったのではないかと思うが、僕の好みで言えばこれくらいの軽さになってちょうど良いと思う。前作は「超」が付くほどの硬派な作品だったので、それだけでもちょっとした戸惑いがあったので。

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『ユーザーイノベーション』 [仕事の小ネタ]

ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来

ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来

  • 作者: 小川 進
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: 単行本
これまでイノベーションというものは、メーカーや研究機関からの専売特許と見られてきたが、インターネット技術の進歩に伴い、広く消費者にイノベーションの道が開かれるようになってきている。この「イノベーションの民主化」によって、企業の製品やサービスづくりが大きく変わり、多様なイノベーションが一気に広がろうとしている。それはまた、「消費者の叡智」をうまく取り込むことで、企業は少ない費用で魅力的な製品を開発できるようになることを意味している。本書は、消費者イノベーションについての世界最先端の研究成果をもとに、新しい製品・サービス開発と経営のあり方を説いたものである。マウンテンバイク、マスキングテープ、クックパッド、カヤック、初音ミク、レゴ、無印良品、エレファントデザイン、イノセンティブ、3Dプリンターなど、多くの先進事例も取り上げられている。>

1年半積読にしておいた本をようやく読んだ。元々この本は、当時会社の先輩から「オープンイノベーションを集中的に勉強する研究会を立ち上げないか」とお誘いを受け、自分の勉強用にと購入した文献のうちの1冊だが、その前に本書の著者の米国留学先での指導教官だったエリック・フォン・ヒッペルの著書『民主化するイノベーションの時代』を読んでしまい。それでかなりのエネルギーを使い果たしてしまい、その間に研究会自体は何度か行われたので、なんとなく読むタイミングを逸したのである。

『民主化するイノベーションの時代』については、二度読んでこのブログでも読後の感想を述べている。わりとしっかり書いているので、これを機にこちらの記事も読み直してみていただきたい。今回ご紹介している本の中で、最も自分的に「ピンと来た」のは、第4章「消費者はイノベーションを無料公開する」の記述である。しかし、改めてフォン・ヒッペルの著書を紹介したブログの記事を読み直してみると、その時にも僕自身がこのイノベーションの無料公開にポジティブに反応していることがわかる。

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『第四次産業革命』 [仕事の小ネタ]

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

  • 作者: クラウス・シュワブ
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2016/10/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
人類の生活と常識は、根底から覆される!ダボス会議(世界経済フォーラム)の創設者として世界の経済と政治を40年間にわたって中心から観察しつづけてきた著者が、ダボス会議でグローバルエリートと行ったディスカッションを基に、来るべきメガトレンド=第四次産業革命を詳細に解説!
・AIやロボットに代替されるリスクが低い職業は?
・企業が移行を迫られる新たなビジネスモデルとは?
・ロボットによる労働者の代替は、不平等を拡大し、社会不安を生むのか?
・人間の行動が予測可能になった時、そこに個人の意思やロボットとの違いは存在するか?
・ゲノム編集や合成生物学は、人類をどう変えるか?
・自律型兵器やサイバー戦争は、戦争の定義をどう変えるか?

イッキ読みではない。50頁付近でなかなか先に読み進められなくなり、それでも先週末を三連休にしてグダグダしていた中で、残りの180頁をなんとか一気に読み進めた。読了してホッとしたというのが正直なところだが、多分この本は必要な時に二度三度ともう一度必要箇所を読み直して、しかも何かの機会にはここから引用したらいいような内容が含まれている。

今は国外で生活をしているので、「何かの機会」というのは殆どが英語で行われるものだと思う。実はこの本自体も、元々は原書の方を先に購入していた。特に、新しい技術を示す英語表現は、これまでの僕らの使ってきた英語のテキストでは出てきていないので、単に読み物で終わらせるだけではなく話のネタにすることを想定すれば、英語でどう言うのかを意識しながら読む必要がある。

そういうことを考え、日本語で読んで、「ここは」と思った記述にはマーカーを引く。そのマーカーの箇所を原書の方にもマーカーする。そんな方法論を想定していたのだが、序盤の50頁とその後の180頁で間が空きすぎたこともあり、全く線が引けなかった。通読自体ももう一度やらないといけない。

今まで別の書籍を読んで出てきた文献の引用がこの本には多い。「どこかで聞いた話」というのが1冊の本の中でまとまって出てくる点ではコストパフォーマンスも大きい。それならこの本1冊を座右に置いておけばいいなと。世界経済フォーラム向けのレポートなので、この本自体も引用の価値が相当にあると思う。

The Fourth Industrial Revolution

The Fourth Industrial Revolution

  • 作者: Klaus Schwab
  • 出版社/メーカー: Portfolio Penguin
  • 発売日: 2017/01/05
  • メディア: ペーパーバック

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火を噴くダージリン [インド]

インド(西ベンガル州ダージリン):大規模デモに関する注意喚起
【ポイント】
◆西ベンガル州北部のダージリンでは、ネパール系住民が自治州の設立を求めるデモを拡大させており、死傷者も出ておりますので、不要不急の渡航を控えるとともに、既に滞在中の方は十分注意してください。
◆現地治安当局は同地に滞在中の旅行者に対して、宿泊先のホテル等に待機し、極力外出は控えるよう呼び掛けています。
【本文】
1.西ベンガル州ダージリンでは、「ゴルカ人民解放戦線」(GJM)を支持するネパール系住民が自治州の設立を求めてデモを拡大させており、警官隊との衝突による死傷者が発生しています。今後、これらのデモが更に過激化する可能性も排除できません。また、同地域では継続的にゼネストが実施されており、病院、学校、銀行を除く公共機関、交通機関、商店等の営業が停止しています。
2.現地治安当局は同地に滞在中の旅行者に対して、同地に留まる場合は宿泊先のホテル等に待機し、極力外出は控えるよう呼び掛けています。
また、同地からの退去を希望する旅行者に対してバス等の移動手段を提供しています。
3.つきましては、西ベンガル州ダージリンへの不要不急の滞在・渡航は控えるとともに、既に滞在中の方は、無用なトラブルに巻き込まれることのないよう、決してデモに近づかないようにしてください。外出の際にはデモが行われている場所を避け、デモに遭遇した場合には速やかにその場から離れるなど、安全確保に十分注意を払ってください。また、現地治安当局等からの指示がある場合にはこれに従うと共に、報道等から最新の関連情報の入手に努めてください。
(以下省略)
外務省海外安全ホームページより(http://www.in.emb-japan.go.jp/files/000266077.pdf

以前、インドに駐在していた時、「独立できるかテランガナ」という、当時のテランガナ州独立運動について情報整理してブログで紹介したことがある。この時はなんだかとんでもないアクセス数を記録してしまい、通算PV数約3,500件というのは、僕のブログの中でも五指に入る、最も読まれたブログ記事の1つとなっている。

その後テランガナ州はアンドラプラデシュ州からの独立を果たしたが、本来テランガナ州独立運動よりももっと長い歴史のあるゴルカランド州独立運動も、いつ火が噴いてもおかしくない状況の中にあったと思う。僕がこの記事を書いたのは2009年。その時点で102年の歴史があるといえば、ゴルカランド州独立運動は、今年で110年目という長い歴史のある議論なのである。

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理解不能の新教育政策 [ブータン]

政府、学校教員の修士号取得を義務化へ
Every teacher must have a master’s degree: Govt.
BBS、2017年6月19日、Passang記者
http://www.bbs.bt/news/?p=74485

2017-6-19 BBS.jpg

【抄訳】
政府は教育省傘下の学校教員は全て修士号を取得せねばならないとの方針を決めた模様。教員の資格要件の引上げはブータンの教育の質をより高いところに引き上げることを目的にしていると首相は述べた。

現在、ブータンの学校教員8,869人のうち、修士号を取得しているのはわずか1,130人である。首相によれば、政府は現在の教員の資格を修士以上にするための計画と政策を用意していくことになるとの由。「例えば、この7月から、ヨンフラ教育大学(Yongphula Centenary Institute of Education)に30人の現職教員が修士課程に入学予定である」――首相はこう述べた。

さらに、首相は政府がパロとサムツェの教育大学とも協議し、現職教員の資格要件の引上げに向けた協働を働きかけていくと述べた。今年、政府は教員研修に向けて1億800万ニュルタムの予算を配分している。

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タグ:大学 教育
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『アキラとあきら』 [池井戸潤]

アキラとあきら (徳間文庫)

アキラとあきら (徳間文庫)

  • 作者: 池井戸潤
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/05/17
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(あきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった―。感動の青春巨篇。

この小説、読み始めたのが金曜日の夜、読了したのは土曜日の夕方。文庫本ながら720頁もある超大作、起きている時間のほとんどはこの読み込みに充てた。当地で17日(土)の午後といったら、韓国・ブータン国交樹立30周年記念事業の一環だった韓国K-POPスーパーコンサートというのがティンプー・チャンリミタン国立競技場で開催されており、僕ら外国人でも入場できたのだが、普段馴染みのないK-POPよりも池井戸潤だとばかりに、コンサート開始時刻15時を過ぎても自宅で読み込みを続け、16時には読み切った。こんなに時間の経つのも忘れて読んだのは実に久しぶりだ。

池井戸潤といったら銀行を舞台とした作品がもともと多い作家だが、これまで読んできた作品は、たいていの場合は銀行の内部を舞台にした勧善懲悪ものか、或いは銀行と、銀行と結託した大企業に翻弄される町工場の経営者や従業員を描いた勧善懲悪ものかのどちらかということが多かった。それが、今回はかなり長期間にわたる2人の青年の成長過程を描いていて、初期は銀行に振り回される町工場の悲哀、一大企業グループ内での親族間のいざこざで翻弄される本家経営者とその息子というのが描かれ、そこで少年時代を過ごした2人の「あきら」が、進路を銀行に定めて、その後力を合わせて企業とそこで働く人々の救済に奔走する話となっている。

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『イノベーターたちの日本史』 [仕事の小ネタ]

イノベーターたちの日本史

イノベーターたちの日本史

  • 作者: 米倉 誠一郎
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2017/04/28
  • メディア: 単行本
内容紹介
彼らはどのように未来を切り拓いていったのか?従来の史実では描かれなかった躍動感あふれるストーリーがここにある。高島秋帆、大隈重信、笠井順八、三野村利左衛門、益田孝、岩崎弥太郎、高峰譲吉、大河内正敏――アヘン戦争、開国、財政政策、秩禄処分、士族授産、三井と三菱財閥、理化学研究所――。
本書は、明治から昭和初期にかけての日本のイノベーターたちが、津波のように押し寄せる大変化にきわめて創造的に対応し、思いもよらない独創性を発揮していった過程をたどる試みである。そこには、これまで歴史の片隅に追いやられていた重要な事実の再発見もある。たとえば、アヘン戦争で解任された中国の高級官僚が残した西洋に関する文献や著作が、さまざまな偶然を経て国境を越え、江戸幕府が開国決断へと至るストーリー、勤王の志士がわずか数年にして明治政府の経済政策を作り上げていくストーリー、研究所から新興財閥を作り上げた理研の創業者のストーリーなど、従来の日本史では注目されることの少なかった人物と、彼らが突破した難題と、それらが社会にもたらしたインパクトを紹介していくものである。

最近、僕がこのブログで本の紹介をあまりしてないのに、「読書ブログ」と言えるのかと怪訝にお感じになられていた読者の方は多いのではないかと思う。誠に申し訳ないことです。先月中旬以降、忙しすぎたこともあるのだが、とにかく読書に割いている時間を持てなかった。それと、300頁を超えるような大部の本を同時並行的に読んでいたこともあって、読了するまでに時間がかかったというのもある。前の記事で書いた通り、大きな仕事がほぼひと段落したので、今週末はグダグダしている。写真撮影ドライブのようなアホな企画もやったけど、一方で読みかけのまま放置していた本を一気に片付ける、よい休日となった。

この週末に読了した1冊目の本が、前回『2枚目の名刺 未来を変える働き方』に続く、一橋大学イノベーション研究センター特任教授、米倉誠一郎先生の著書。実は今回ご紹介する本も含め、この2冊は同時に購入していたのだが、日本史に関する後者の方が後回しになった。僕の仕事自体がこの本の内容との間で即座にシナジーを見い出しにくいと思ったので、立て込んでいた仕事がひと段落してから読み始めることにしたものだ。

なにしろ日本の歴史の話なので、今ここで働いていることとの接点があまりなく、話のネタにもしづらい。などと思っていたら、読み進めるうちにこの本、幕末から明治にかけての日本の政策制度構築の話から、それに対する民間のレスの話にまで展開し、著者もそう言及されているけれども、今の開発途上国の話にも通用するネタがかなり豊富に含まれているのがわかった。

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ダンタック路肩看板写真展(ティンプー~パロ) [ブータン]

インド工兵隊『プロジェクト・ダンタック(DANTAK)』は、日本のブータン向け国際協力よりも長い歴史を持ち、ブータンにとって最大の恩人であるともいえる。ティンプーから南部国境の町プンツォリンまでの国道だけでなく、途中のチュゾムからパロまでの国道、チュゾムからハまでの国道、さらには、シムトカから東に延びる東西ハイウェイの維持管理も請け負っている。モンスーン期に限らず、土砂崩れが多いのがブータンの道路だが、それをあっという間に復旧工事をやって開通させてしまうダンタックの力はすごい。

それをまざまざと感じさせられたのが、昨年7月に崩落したチュカ県カムジ村近くで起きた大規模な土砂崩れの時だった。国道がそのまま流され、復旧するにもベースとなる地盤がないこの地で、ダンタックは崩落から4日間ほどでベイリー橋を仮設した。あれから10ヵ月が経ち、先月久しぶりにプンツォリンまで出かけたところ、仮設橋だった場所は完全に道路に生まれ変わっていた。

国際空港があるパロと首都ティンプーの間の道路は、土砂崩れが頻発する危険地帯だが、万が一崩れても、その後の復旧はダンタックが威信を賭けて取り組む。ダンタックの駐屯地はそこら中にある。すぐに出動できるようなへき地にでも設置されている。先週の公共事業省が主催した会議で、「道路維持管理センター」の設置が政府への提言として挙げられていたが、これはダンタックの駐屯地に倣って考案されたものだと思う。

そんなブータンにとっての心強~い味方、ダンタックは担当道路の路肩に多くの一風変わった標語を書いた看板を敷設しているのに気付いたのは、赴任してきてすぐのことだった。特に面白いメッセージが多いと思ったのはチュゾム~ハ間の道路で、暇があればその看板を写真におさめ、自分のコレクションにしたいとひそかに思っていた。今月前半で大きな行事は終わり、今週末は久しぶりに何にもない休日をグダグダ過ごせそうだったので、かねてから密かに狙っていた写真撮影旅行を敢行した。

取りあえずはティンプーからチュゾム橋を経由してパロまで行き、パロの街までの間で見かけたダンタックの看板を片っ端から写真におさめた。合計すると60枚にも及ぶが、それを全部ブログで紹介するのは大変なので、ブログにアップする前にFacebook上で友人に人気投票してもらい、1票でも入った16枚をここでご紹介する。

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