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再読『田舎でロックンロール』 [奥田英朗]

田舎でロックンロール 角川書店単行本

田舎でロックンロール 角川書店単行本

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
英米ロックが百花繚乱の様相を呈していた70年代。世界地図の東端の、そのまた田舎の中学生・オクダ少年もその息吹を感じていた。それはインターネットが登場する遥か前。お年玉と貯金をはたいて手に入れたラジオから流れてきた音楽が少年の心をかき鳴らした。T・レックス、ビートルズ、クイーン…。キラ星のごときロック・スターたちが青春を彩り、エアチェックに明け暮れた黄金のラジオ・デイズ。なけなしの小遣いで買った傑作レコードに狂喜し、ハズれレコードを前に悲嘆に暮れる。念願のクイーンのコンサート初体験ではフレディ・マーキュリーのつば飛ぶステージに突進! ロックのゴールデン・エイジをオクダ少年はいかに駆け抜けたのか?
【再読(キンドル)】
今月、ホント精神的余裕がなかったんだろうね。振り返ってみても、本書を含めても現時点で5冊しか読んでいない。最終週の週末にひと仕事を終えて、次の仕事との間にようやくつかの間の休息をつける1日半を迎えた。但し、土曜午後は停電。徐々に暗くなってくる屋内にこもりつつ、昼寝以外にできたことといったら、キンドルのバックライトを使って既読の本でももう一度読むことぐらいしかなかった。

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《こ~んな感じ。あたりが暗くなると、心も暗くなる…》

そこで手に取ったのが奥田さんの自叙伝的エッセイ。その雰囲気は7年前に読んだ時に書いたブログ記事で、結構包括的に語っているのでそちらもご参照下さい。。奥田さんのエッセイは奥田さんが中1だった1972年から、高3になられた78年ぐらいまでをカバーしておられる。ご出身は各務原市立蘇原中学ですか?県内の何かの集まりで、蘇原中学の同学年の生徒と交流したことがあったが、なんかあか抜けてたという記憶があった。奥田さんにとってはド田舎なのかもしれないが、僕は郡部なので、4年のギャップはあったとしても、もっとド田舎です(笑)。

で、ロックのブームは1977年あたりでひと段落ついていて、その後は商業主義が鼻について奥田さん本人もあまり聴かなくなったと語っておられる。この頃僕は中2。奥田さんにとっては1976年年末発売のイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」は一種ロックの終焉のような捉え方だったようだが、僕らにとってはある種洋楽への入り口で聴いた曲の中の1つだったような気がする。特に、週末の「鶴光のオールナイトニッポン」の午前4時台、朝ぼらけの頃に耳にして、なんだか夜通しのパーティーももうすぐ終わりだという寂しさを感じた。

僕が父に個人用のラジカセを買ってもらったのは小6の冬(1975/76年)だ。買ってもらってわりと初期の段階で映画「ジョーズ」のサントラとか、ビージーズの「メロディ・フェア」は聴いた記憶がある。でも、今調べてみたら、「ジョーズ」は1975年公開なのでいいにせよ、「小さな恋のメロディ」って結構昔の作品(1971年)だったんだね。ただ、僕はこの「メロディ・フェア」で映画のことを知り、中学生になってから金曜だか日曜だかのテレビのロードショーで「小さな恋のメロディ」を見た。奥田さん、僕もトレーシー・ハイドは可愛いと思いましたよ。異性に対する憧れみたいなものを抱くちょうどその時期だったから。

もう1つ、再読して感じたこととして付け加えると、僕の2、3年上の大学の先輩の洋楽トークにはついていけないものを当時も今も感じているのだが、その理由がわかった気がする。彼ら、元々東京近辺で中高生時代を過ごしていただけでなく、世代的にも奥田さんに近く、ロックの全盛期を比較的リアルに体験していた世代なのだ。ド田舎育ちでしかも奥田さん的に言われる「ロックの全盛期」を過ぎるか過ぎないかの時期に中学生になった僕には、それこそ商業主義化したロックの影響しか受けていないことになるのである。

それと、前回まったく言及していないが、本書には短編小説もサービスで付いている。これが、当時の田舎の中学校の雰囲気をものすごくよく描いていて、懐かしくてたまらなくなった。

タグ:岐阜 各務原
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