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地元宗教界もステークホルダー [ブータン]


5月11日のシャブドゥン命日を前に、ジェ・ケンポがプナカ入りされたという報道は、僕には正確に記事を日本語に訳すのは自信がないし、中途半端な訳し方をするとよくご存知の方から「それは違う」とお叱りも受けるかもしれない。今回は抄訳・要約も付けず、BBSのFacebookからの切り抜きを貼り付けるだけにさせて下さい。お許し下さい。

ちょうど、仏教絡みの報道が出たので、これを機会に自分の仕事とも関連したエピソードを、今日は1つ紹介してみたい。

先日、CSTで朝学長室を訪ねた時、パサカの僧院(たぶん、ウゲンドルジ僧院)の方が来られて、学長と談笑されていた。王様からの指示で、僧院も科学技術イノベーションを取り入れて、新しい仏教修得のあり方確立や僧院生活の改革が求められているのだそうだ。王様からの指示があったのはパンデミック前のことで、僧院では近所にある工科大学CSTと組んだら何かできるのではと考え、CSTへのアプローチを開始していた。ロックダウンも解除され、通常生活に戻りつつある中、CSTとのダイアログを再開したい、それがこの時の訪問の趣旨だったらしい。

学長からは、ファブラボCSTができたら僧院から2人ほど研修に来てもらうことを考えているのでよろしく頼むとも言われた。

僕は僧侶の方々とゾンカ語オンリーでのコミュニケーションすることがまったくできない。これまでも接する機会はあったが、笑顔と笑顔だけの「阿吽の呼吸」だけでなんとなくのコミュニケーションを済ませてきた。ましてや普段の僧院での生活を知らないから、ファブラボで必要とされるスキルセットや配備されるデジタル工作機械のうち、何がどう彼らの文脈にフィットするのか、皆目見当もつかない。研修に来てもらうとしても僕1人ではとても無理で、CSTの教員や学生ボランティアにインストラクターとして前面に立ってもらった方がはるかにいいように思えた。

学長によると、初期のダイアログの中では、僧院側から「こんなことできないか」と幾つかアイデアを提案されていたようだが、具体的に試作の検討までは未だされていないのだという。ファブラボに限らず、CSTの既存設備や人材を用いればいろいろできそうな気もするが、本格検討はこれからというところなのだろう。また、やるならやるでもそういう視点からの現地調査は必要なのではないかと思う。

前回の記事でも述べた「地元産業界とのリンケージ」というので言及された「産業界」は、広くとらえればスピリチュアル系も含めて捉える必要がありそうだ。

それにしても、地元宗教界に対してファブラボって何ができるのだろうか。先日の薬物中毒回復者の社会再統合とファブというテーマに加えて、1人で考えていても妙案がなかなか思い浮かばない新たな掛け合わせであるように思う。もっとも、1人でアイデア出しの責任を負うのもおかしい話で、ユーザーさんにも入ってもらい、いろいろな背景や関心、専門性を持った人が集まってワイワイやる中からアイデアは生まれてくるべきなのだとも理解している。

考えてみれば、地元宗教界にまでカバー範囲を広げられる可能性があるということであれば、開発屋が普段慣れ親しんでいる分野・課題の狭い枠組みの中で物事を考えているよりも、いろいろできて面白いかもしれない。

妙案が浮かばなければいっそのこと、来年のFAB18のサイドイベントとして、メイカソンでもやったらいい。仏教とファブというテーマは、外国からくる参加者には受けるだろうし。ファブラボCSTにとっては、外国のファブラボとの関係性強化の1つの切り口になる可能性が高い。

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