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ゲレフの女性塗装工 [ブータン]


近年になって、ブータン人女性が、これまでは男性中心と見られていた仕事の世界に進出して名を成すケースが出てきた。政治の世界でのリーダーシップからホワイトカラー、さらにはブルーカラー職に至るまで、ブータン人女性は次に続く若い世代のために、長い旅を続けている。

ゲレフでは、1人の女性が、自動車整備工場唯一の女性塗装工になっただけでなく、その地区でも最も技能を有した塗装工の1人として認められるまでになっている。

言われてみれば当たり前のことでも、外国人にとっては言われるまでは気付かないということが、日常生活を営んでいてもたびたびある。この報道も、BBSが「女性」という点で取り上げてくれたおかげで、僕は塗装工というのが自動車整備工場にいるんだというのがわかった。

塗装工と自動車整備工場とはどういう関係にあるのだろうか。1人の塗装工は、1つの整備工場と完全にペアになっていて、整備工場から賃金を受け取っているのだろうか。それとも、塗装工は一種のフリーランサーで、複数の整備工場から声がかかって、塗装工程部分でのみ報酬を得ているのだろうか。このBBSのテレビ報道の動画には、近隣の複数の塗装工がインタビューで出てくる。彼らがしゃべっている内容は僕には理解できないのだけれど、ひょっとしたら塗装工というのは各整備工場に所属しているのかもしれない。というか、自動車整備工に塗装のノウハウもセットで求められているのかも。

ゲレフのケースは僕はすぐには確認できないが、自動車に限らずさまざまな塗装を手掛けることができるのなら、近郊のジグミリンにあるジグミワンチュク電気工学訓練校(JWPTI)にファブラボができたあかつきには、こういう塗装工とはネットワークを築くべきだ。

他所のファブラボのやるべきことを話していてもしょうがないが、翻って自分のいるCSTのファブラボの所管地域を考えた時、ゲレフに関するこのBBS報道で抱いた疑問を、プンツォリンではどうなのかと調べてみる枠組みにも使えるのではないかと思えてきた。もし塗装工がフリーランサー的立ち位置で、自動車の塗装以外にも仕事を請け負える余地があるのなら、例えば塗装のワークショップのインストラクターを務めてもらうとか、逆に彼らの作業場を利用させてもらうとか、win-winの関係を築くことができないか、探ってみる必要があるように思う。

ここ数日、新しくできる「ファブラボCST」の地元産業界とのリンケージをどう築くかで思案を重ねてきた。一発で満額回答となるような妙案は正直言ってないと思うが、うまく表現できないけれど、この報道を見ていたら、僕の捉え方が狭すぎたのだと気付かされた。プロダクトの出来上がっていく工程にはいくつもの段階があって、その総てをファブラボ内でできるわけではないし、CSTの学内でできるわけでもない。今回紹介した塗装に限らず、他にも外部の小規模零細事業主と連携しないとカバーできない工程があるかもしれない。

「地元産業界」といった場合、僕は出来上がったプロダクトの実装先としてしか見ていなかった。でも、そのプロダクトの生産工程の幾つかの段階で、一緒に組める地元産業というのもあるのだということに気付いた。そういうマッピングをしないといけないのだなぁ。次に踏み出す一歩が何なのか、少しイメージが湧いた気がする。

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