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『逃げの起業で小さく自由に生きていく』 [仕事の小ネタ]

逃げの起業で小さく自由に生きていく: 消極的起業のすすめ

逃げの起業で小さく自由に生きていく: 消極的起業のすすめ

  • 作者: 石崎 悟司
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2021/07/08
  • メディア: Kindle版
内容紹介
逃げるために「起業」を選んでもいい!みんなが「志」や「大きな目標」を持って起業しているわけではありません。嫌な事から逃れるための消極的な起業もアリだと思います。努力も必要ですが「やらされる」のと「自らやる」仕事は全く違います。独立しても大変な事はありますが、インターネットの恩恵により、リスクの小さいビジネスを行う事がやりやすくなりました。「自由」に自分に合った仕事の形を作る事ができます。逃げの起業で救われた、そんな筆者の実体験から、何かのヒントをお伝えできれば幸いです。『逃げの起業で小さく自由に生きていく』の1巻。
【Kindle Unlimited】
昨年12月、佐々木紀彦『起業のすすめ』をご紹介した際、「50代後半のオジサンが読むべき本ではない」とコメントした。アマゾンの書評にも「地方での起業やスモールビジネスくらいのスケールの起業を目指す方には参考にはならない」とのコメントがあった。そういう起業の規模感でいえば、本日ご紹介の著者の「逃げの起業」とか「消極的起業」っていい感じである。但し、著者は20代か30代前半と思われるが。

デカい起業の話は、それ1本である程度食っていこうとするものなのだろうが、本書で扱っている起業は、複数の収入源を組み合わせて、時には現金収入ではない別の形のベネフィットも組み合わせて、ほどほどの生活ができるぐらいでちょうどいいというもの。「身の丈起業」と言ってもいい。僕には、これくらいの規模感でちょうどいい。

そもそも100頁もない本なので、あまり内容を書きすぎると、本書に書かれていることを全部しゃべっちゃうことになってしまうので注意が必要だが、現金性の高さや再現性の高さから、初めは物販からスタートすべきとか、ふだんからお金を稼げる手段を常に考える習慣をつける とか、収入源を複数持つことで生活の安定や心のゆとりを手に入れるとかが、僕にとっては有用なアドバイスだった。

しかも、収入源となり得る可能性について、いくつかの具体的提案もある。特に、この著者は相当数の電子書籍を出していて、電子書籍の個人出版も収入源、事業多角化の一環と割り切っている。本書の内容も、「第1巻」というぐらいだから当然だが、ネタをチラ見せしておいて、「詳しくはこの拙著で」という形で他の著書への誘導を図っている。

なんでもかんでも1冊にぶち込もうとすると、とんでもない分量になってしまうことがある。著者としてはあれもこれもと欲張りたくなるのだが、出版社側にはページ数はある程度抑えたい。そこには葛藤があるし、それで執筆者側ではストレスを溜めて、かつ売上の結構な割合を出版社に持って行かれる。それだったら分冊化して、電子書籍で出版すればよい。例えばKindle Direct Publishingを使っても、売上金の相当な割合は著者の懐に入って来る。

僕は過去に一度Kindle DIrect Publishingを使って電子書籍を出したことがある。その時は想定読者の購買力を考えてかなり安めの価格設定にしたが、需要の価格弾力性が低い想定読者であれば、遠慮して安めの価格設定にはしなくてもよいだろう。書くネタがないわけではないので、今後のことを考えたら、こういう手段はもっと賢く使った方がよい。その点は本書から学ばされた。

但し、個人出版のリスクもある。校閲作業は自分一人でやらねばならないので、誤字脱字を見落とす可能性が高い。また、自分では筋が通っている文章表現であっても、一般読者が読んだら何言ってるかわからないということは十分あり得る。編集者が間に入らないだけに、そこはかなりの責任を持って著者が自分でやらなければならない。

「逃げの」とか「消極的」とか言っているわりにはかなり前向きな内容だと思う。僕は、この仕事を終えて帰国したらやりたい仕事が徐々にイメージできつつあるところであるが、その背中を押してくれるような内容で、分量が少ない割には読後感は良かった。

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