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ガソリンスタンドの移転計画 [ブータン]

市、ルンテンザンパのガソリンスタンドを移転へ
Thromde to relocate Lungtenzampa fuel station
Kuensel、2016年11月5日、Rinzin Wangshuk記者
http://www.kuenselonline.com/thromde-to-relocate-lungtenzampa-fuel-station/

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【ポイント】
ティンプー市は、「ティンプー構造改革計画2002-2027」に基づき、ノルジンラム大通り入口に位置するルンテンザンパのガソリンスタンドの移転に踏み切る。このガソリンスタンドはタシ・グループに属する。この地域は、ジグミ・ドルジ・ワンチュク記念ゲートウェイとして再開発される予定。

ガソリンスタンドの移転先としては、2カ所が候補地に挙がっており、市はこれから移転交渉に入る。2007年土地法によれば、政府は公共の利益にかなう用地の収用が可能であり、収用にあたって代替用地の提供ないしは現金による補償を行うことが求められる。

このガソリンスタンドの用地は、ティンプー市とタシ・グループとの間で6年間にも及ぶ法廷闘争の結果、タシ・グループに利用を認められた経緯がある。しかし、「ティンプー構造改革計画」では、このエリアは「E-2(環境保全区域)」に指定されており、緑地として利用する以外の土地利用が認められないことになっている。

この区域がE-2指定されていることは、同様にE-2指定されていた旧タクシー駐車場の土地利用権についてタシ・グループと市が係争した際に初めて確認された。市側は25年間のマスタープランを盾に緑地化を押し進めたい考え。

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ルンテンザンパのガソリンスタンドは、ブータンを旅行してティンプーにも訪れたことがある人であれば、「あああそこか」とすぐに場所がご想像つくのではないかと思う。パロからティンプーに走ってきたハイウェイが、ガード手前で左に折れ、急坂を少し上ったところがティンプー一番の目抜き通り、ノルジンラムの入り口に当たる。ガソリンスタンドはまさにこの急坂を上りきって、右に自然にカーブしていく道路の右側に位置する。

市内で給油を行う場合、たいていの人はこのガソリンスタンドに行く。ここは極めて入りにくい道になっていて、給油もちょっとしたスリルを味わえる。このガソリンスタンドは、僕が初めてブータンを訪れた2007年には既に存在しており、ティンプーを象徴するランドマークの1つだと、僕は勝手に思っている。ただ、記事の冒頭でも指摘されている通り、このエリアは東西南北から流れてくる自動車が全て集まるポイントでもあるため、時には非常に混雑して、思ったように移動できないこともないことはない。また、ここに集まるのは車だけじゃなく、特にルンテンザンパ橋を渡った対岸にある学校に通う生徒が朝と夕方このエリアを徒歩で通過するため、歩行者にとってもかなり危ないエリアだとも言える。

そのガソリンスタンドを撤去するという市の決定だが、ここを緑地化しようというマスタープランが2002年の段階で既に存在していたというのは知らなかった。それから15年も経ってからこの話を持ち出してきた市の姿勢もどうかと思うが(このエリアがE-2指定区域だというのすら知らなかったわけだし)、なんだか長年のタシ・グループとの係争に決着を付けるための格好のネタが見つかったから今からやっちまおうということになったように思えてならない。

ティンプー市役所とタシ・グループとのやり取りの経緯が記事には細かく描かれている。ちゃんと調べたわけではないのであくまで印象だが、市当局ですら知らなかったマスタープランというのが、どういう経緯で作られたのか、誰が策定委員会のメンバーだったのか、誰が何を実施することになっていたのか等、この記事ではわからないことが多い。こういう、長年埋もれていた文書が脚光を浴びるのは悪いことではないと思うが、仮に中央の公共事業省がステークホルダーとのコンサルテーションも不十分な中で作ってしまったというものであるとしたら、タシ・グループとしてもたまらんだろうなぁと同情はしたくなる。

タグ:ティンプー
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