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「ジョブ・プラン」とは何か? [ブータン]

政府、若者向けジョブプラン策定へ
Govt. creates Jobs Plan for youth
Kuensel、2016年11月4日、Rajesh Rai記者(プンツォリン)
http://www.kuenselonline.com/govt-creates-jobs-plan-for-youth/

2016-11-4 Kuensel.jpg

【ポイント】
ツェリン・トブゲイ首相は、11月2日、遊説先のゲドゥ経営大学(Gaeddu College of Business Studies)で開かれた学生との対話集会において、政府が現在、「ジョブ・プラン」と呼ばれる新しいプロジェクトを準備中であると述べた。民間セクター、公的セクター、スポーツ、農業、中小企業における就業機会をリストアップし、若者が妥協することなく自分に合った仕事を探すことができるようになるという。また、政府は現在、省庁や企業でその必要に応じて就活中の若者に一時的に就業機会を与える方策についても検討中だという。

一方で、首相は、政府にとって雇用政策として最も重要なのは経済の持続的な成長を実現させることだとも述べた。2011年から2013年頃までの経済の低迷から現在は脱しており、民間企業の活動が活発化しつつあるとも力説した。企業活動のやりやすさを高めていくことも、政府のできる重要な政策だとも強調した。

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ブータンで働いていて、この数カ月で強く感じた変化は、職場で学生インターンを受け入れて欲しいという要望を、大学から受けたり、あるいは学生本人がアプローチしてきたりということが出てきたということである。

ブータンでは、政府の方針もあるからなのか、王立ブータン大学(RUB)傘下の9つのカレッジは、結構首都から離れたところにある。この記事で出てくるゲドゥなんて、ティンプーからプンツォリンに行く途中にある高原の町だが、およそビジネスとは無関係の場所に立地しており、キャンパス内で勉学にいそしむにはいいが、企業活動の現場からは離れているために、なかなかナマのビジネスを体感する機会がない。プンツォリンには科学技術カレッジCSTがあるが、ここは将来水力発電事業や電気通信事業で働くであろう学生が多くいるのに、実際の水力発電所や通信会社の仕事ぶりを学生が見る機会がほとんどない。

これらは単に地理的に離れているから教育と仕事の現場との接点が少ないのだろうと考えられがちだが、ロベサにある農学系のカレッジCNRに至っては、農業省の試験場があるバジョからも近いのに、交流機会があまりないとも聞く。単に地理的な問題なのではなく、そもそも大学側の意識の問題もあるように思えるのである。

学生に実際の仕事の場を経験してもらうのは悪いことではないと思うが、どうもこの「ジョブ・プラン」たるもの、新聞記事の記載からでは想像しにくいが、どうもそういう、「雇用の枠を増やせ」と各政府機関や主要な事業所に求めていくような圧力につながっていくのではないかという気がしてならない。ちょっと注意が必要かもしれない。

個人的には、これを本当に進めたら、ティンプーへの若者の集中を助長することにならないかと心配だ。片や地方では若者の流出で農業生産の確保自体が難しくなりつつあるのに、必要なのは地方にももっと雇用機会を作ることなんじゃないかという気がするのである。(勿論、公務員になれば、採用はティンプーであっても実際の配属先は地方を転々とするというのはあり得ることではあるが。)
タグ:雇用
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