『2020年、日本が破綻する日』 [読書日記]
内容(「BOOK」データベースより)最近、日経プレミアシリーズの新書を読む機会が増えたが、どうもこのシリーズ、新進気鋭のエコノミストに先行研究のレビューや自身の実証分析の結果を開陳させて、新たな視点や政策含意を引き出そうという意図が相当ありありで、一般読者を想定していないのではないかと感じる。日経新聞の「経済教室」あたりをそこそこちゃんと読み込んでる人ならサクサク読めるかもしれないが、少なくとも僕には理解が難しい。「大学のテキストのようだ」という批判もあるようだが、それはわかる気がする。
公的債務が膨らみ続ける日本…。財政は債務超過状態に陥り、破綻の危機が迫る。残された時間は少ない。どんな手を打つべきなのか。気鋭の研究者が、財政危機の現状を詳細に説明し、社会保障制度改革など再生のプランを具体的に提案する。
さすがに著者や出版サイドも難しい内容だと思ったのか、各セクションの末尾に「要点(Point)」というのが挙げられており、これだけを拾って読むだけでも本書の内容は理解できるだろう。それだけ拾い読みするだけである程度の納得感は得られると思う。また、さすがは政策論争に切り込もうという新進気鋭のエコノミストだけに、それなりのユニークさはある。ちゃんと理解しようと思うならそれなりの熟読が必要になるので、ある程度の覚悟を決めてじっくり読み込んで欲しい。
政策提言としてはかなり有用なんだけど、こういうのを一般読者に読ませて何を期待するのだろうか。政治家も政府もあてにならない今、自分の身は自分で守らなければならないと思うのだが、何をどうしたらいいのか、本書を読んでもあまりよくわからなかったのは少し残念。
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