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『シェアハウスかざみどり』 [読書日記]


シェアハウスかざみどり

シェアハウスかざみどり

  • 作者: 名取 佐和子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/11/26
  • メディア: 単行本

内容紹介
あなたの人生の転機はどこですか?
海を臨む小高い丘に建つ洋館。好条件、好待遇のシェアハウスキャンペーンで集まったのは、ちょっと風変わりな人たち。就職活動がうまくいかない大学生、自分のこだわりと作り話を愛する老女、通販好きの子持ち主婦、方向音痴の訳あり運転手。何の共通点もない4人は、無愛想な黒ずくめのイケメン管理人とともにクリスマスまで共同生活を営む。他者との交流を経て少しずつ変化していく5人だったが、台風の日に洋館のシンボルの風見鶏が吹き飛ばされたことで、平穏な生活の歯車が少しずつ狂い始めて――。
【MT市立図書館】
超朝型生活から超夜型生活にパターンをシフトさせた。オンライン講義を受講する水曜夜だけじゃなく、他の曜日も午前零時を過ぎても起きている生活が普通の姿になってきた。当然、朝風呂の頻度も減り、なるべく夜のうちに入浴を済ませるようになった。寝起きの髪のぼさぼさを避けるため、髪も短く切った。

湯船に浸かってボーっとするのは至福の時間。深夜12時過ぎの入浴のお供はNHKの「ラジオ深夜便」だ。ビンテージロックの特集をやってくれる曜日や時間帯もあるが、40分ほどの朗読をやってくれるプログラムもあったりする。狙って聴いているわけではないが、出会いの奇跡みたいなものだろう。

「ラジオ深夜便」の朗読コーナーで、初めて耳にしたのが、名取佐和子の「臨時ダイヤ」だった。この朗読はこれまでも何度かオンエアされているようなので、過去に聴いたという方もいらっしゃるかもしれない。いいお話だった。というか、こういう、魂のちょっとした「救済」が描かれて、エンディングでちょっとホッとさせられる、それでいて自分たちの身の回りではちょっと起こらないかもしれない「日常性の中の非日常性」がある作品が、僕は好きなのだろうと思う。

お恥ずかしいことに、初めて名を耳にする作家さんであった。そこで、小難しい実用書や専門書の合間に、図書館で1冊借りて読んでみた。サンチャイ★ブログでは初出の作家さんである。

毎週課題提出で追いまくられている中での小忙しい読書であったが、「臨時ダイヤ」でも感じられた読了してちょっとハッピーになれる読後感は味わうことができた。同じく舞台は「神戸」か。いい感じでいろんな世代の人を登場させているし、登場人物のジェンダーバランスも良い。要すれば、僕と同じか年上ぐらいの男性も出てくるので、誰にとっても移入しやすさはあると思う。

続けざまに作品を読むとたぶん効用が下がりそうなので、たま~に作品を物色してみる、そんな読み方を今後もしてみたいと思う。

余計なひと言も添えるとすると、単行本の装丁が、原田マハ『生きるぼくら』の表紙とそっくりだったのでたまげた。ひょっとしたら、奥田英朗『田舎でロックンロール』も同じデザイナーが描いているんじゃないだろうか。この3冊、出版社が全部異なる。単行本を出す際、装丁は出版社の編集者か営業担当者が知り合いのデザイナーに依頼するのだろうと思う。これだけ特徴あるイラストと、癖の強いタイトルレターで、どうやったらデザイナーとして食べて行けるのだろうか―――などと余計な思いも巡らせた(笑)。
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