『書く習慣』 [読書日記]
内容紹介【Kindle Unlimited】
SNS、ブログ、note、世間に発信できるサービスが増え、多くの人が文章で自己表現しています。
他人の発信を目にする機会も増え、「自分もなにか発信してみたいな」と思う人も増えています。
「書く」を仕事にする人も増え、文章の指南書も数多く出版されています。
でも「書く」ことは、好きじゃないとしんどい。
むしろ「好き」になるからこそ、習慣になり、自然と上達していきます。
この本では、あなたの「書きたい気持ち」を高め、「書く」ことを習慣にするためのコツを紹介します。
少し前の読書日記でも述べた通り、7月は「月10冊」のノルマをクリアすることができなかった。しまいに追い込んで9冊にまでは積み上げたのだが、そこまで持って行くのが精一杯だった。
積み上げるにあたって、読みたい本というよりも、読みやすそうな本を選んで読んだ。本書の場合も、販促オビや内容紹介、それにアマゾンや読書メーターに載っていたレビューコメントを読んでみると、内容はだいたい予想はできた。それでも本書を選んだのは、ひとえに読みやすそうだったからだ。
各節の小見出しを見れば内容はだいたい想像がつくし、さらに本文中で何度かの強調文字が挿入されている。そしてさらには各節の最後に2行程度のまとめがつく。かなり親切な構成となっている。内容的に、どこかのウェブメディアで1年ぐらい連載していたのをまとめて本にしたのではないかと想像するが、後の方に来て、その想像が当たっていたこともわかった。
書かれていることへの反論はあまりない。多くは僕自身も取り組んできたことなので、悩むよりもとにかく書けというのは同感だし、書くことを習慣化することによって、考え方を整理するいい機会を得ているという自覚もある。むしろ、自分が心がけてきたことが他のライターさんによっても支持されるものだというのが確認できたことは素直に嬉しかった。
よくわからなかったのは、この著者がどこまで自分の悩みや本音をさらけ出してきたのかという点だ。最近はちょっと尖がった発言がこのブログ内でも目立つようになったが、ブログやFacebookでは、僕は読者を不快にするようなことは極力書かないようにしてきた。日常生活の中で、つらいことやムカつくことがあった場合も、ブログの中でそれらしい示唆をすることはあっても、それをストレートに表現することや、何がつらい、何がムカつくといった出来事の詳述は控えてきている。
僕も旧い人間なので、そうした本音の記述はブログよりも先に始めていたmixiの日記やつぶやきで記録しているのである。そしてそれは読者を増やすためにやっていることではなく、家族や数少ない友人にだけ読んでもらい、本当に何かあった時にはそれを見てもらえるようにしておきたかったからだ。
また、ブログにしても、僕は一般読者に読んでもらうというよりは、自分の情報収集や英語の勉強の習慣づけ、それに考えを整理するために使っており、それが一般読者の方にも参考になるかもと思い、ブログというメディアを利用することにしたのである。
だから、僕のような使い方をしている者から見ると、この著者は私的なものを公の場で出し過ぎているような印象を受ける。それで支持してくれる読者が世界中でいるというのが支えになるのだからそれはそういう使い方でいいと思うのだけれど、本書でこう書かれたからといって僕には参考にはしづらい。
また、親の仕事の関係で中学2年の時に米国に住むことになって、自身で「クソみたいな生活」と評してひたすら帰国の日々を待ち続けた著者が、自分の心の内を吐露するのにブログで日記公開するという手法を使った著者が、どうやったらそういう私的な文章からライターを生業にするような立場になるに至ったのか、そちらの方が興味があった。序章の著者はものすごく内省的な人なのだろうと思われ、書くことで自分を変えられるというのを身をもって証明されていると思うが、皆が皆そういうキャリアを描けるわけではないでしょう。なんか、肝心の部分が本書では書かれていない気がして、その点での物足りなさはあったかもしれない。
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