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『四人の署名』 [読書日記]

四人の署名 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)

四人の署名 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/09/11
  • メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
自らの頭脳に見合う難事件のない日々の退屈を、コカインで紛らわせていたシャーロック・ホームズ。そんな彼のもとに、美貌の家庭教師メアリーが奇妙な依頼を持ちこんできた。父が失踪してしまった彼女へ、毎年真珠を送ってきていた謎の人物から呼び出されたという。不可解な怪死事件、謎の“四の符牒”、息詰まる追跡劇、そしてワトスンの恋…。忘れがたきシリーズ第2長編。
【Kindle Unlimited】
あまり間髪を入れずに同一著者の作品を読むと、感動が薄れる危険性はあったが、とはいえすぐに読みたいという本があったわけでもないので、またコナンドイルのホームズシリーズの長編作品に手を出した。

『四人の署名』は、ワトソンが伴侶となるメアリー・モースタン嬢と出会うという作品であるだけでなく、イヌの嗅覚を利用した追跡が行われていたり、見どころも多い作品でもある。それに、前回本作品を読んだ1994年頃と違って、僕はインドに駐在するという幸運にも恵まれ、作品の舞台の1つとなったアグラ城も二度訪れたことがある。作品を楽しむ上で、舞台となった場所の土地勘があるというのは大きいし、多少なりともインドの歴史をかじって、「セポイの乱」についても知っていると、昔読んだ作品でも、味わい方が違ってくる。

それにもう1つ、インドでのもう1つの舞台はアンダマンニコバル諸島。



北センチネル島は確かにアンダマンニコバル諸島の中の1つの島に過ぎず、諸島全体にこういう先住民が住んでいるわけではないのだろうが、本作品に登場する吹き矢を放つ先住民の小人って、こんな感じなのかなという想像はしてしまう。アンダマンニコバル諸島が僕の頭の中にインプットされたのは、お笑いグループ「肋骨マニア」が、日本テレビ『進め!電波少年』の企画で、インドからインドネシアにスワンボートに乗って旅する際に、海賊の襲撃に遭う危険があるとして寄港を避けた土地だったことがきっかけだった。インド駐在当時も州の1つだとの認識はあったものの、行ってみたいとは一度も思ったことがない。

そうやって、作品に描かれる事件の背景情報をいろいろ知ってから読むと、味わい方も深くなる気がする。巻末の解説もよい。前に読んだ『緋色の研究』と次作『四人の署名』とで、ワトソンがアフガニスタンで負傷したとされる体の箇所が違っているとか、本作品でメアリー嬢と結ばれるワトソンが、その後別の女性と再婚を数回しているのではないかとか、そういう突っ込みどころを考えながら読んだことは今までなかった気がする。

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