がんばれ、京田くん! [ベースボール]
今日は土曜日なので、ちょっとブログのメインラインとは異なる話を書かせてもらう。
ファンというのは現金なもので、負けが混めばひいきのチームをボロクソ言って、球場に足を運ぶこともしなくなるが、その後に成績がV字回復しようものなら、過去の暗黒時代のことも忘れて、現政権賛辞を繰り返す。球場の客足も当然改善する。ファンというのはそういうものだろう。
今期、与田監督から立浪監督に交代したドラゴンズは、若い選手も混じってそこそこ打つ。元々投手陣は12球団随一といってもいい陣容を誇るので、打撃陣が去年のような低空飛行を繰り返さなければ、そこそこやるだろうと思っていた。立浪監督も、インタビューとかを聴く限りでは選手やコーチとのコミュニケーションは相当取られているようだ。そういう話をほとんどインタビューでしなかった与田さんの時とは大きく違うなと思う。
そんな立浪監督が、開幕以来我慢して先発起用を続けていたのが四番ビシエドと八番京田だった。ついでに言えば、代打福留というのもあるが。
で、今週、その京田が遠征先の横浜での試合途中で交代を告げられ、そのままファームに落とされるという、ある意味大きな「事件」があった。
京田の遊撃守備はゴールデングラブ級で、投手は何度もピンチを彼の好守で救われてきた。ピッチャーズパークであるバンテリンドームを本拠地にして、投手中心に守り勝つ野球をしてきたドラゴンズで、投手目線で見た時には、彼の守備はやはりありがたい。打撃に関する期待は他の選手に譲るにせよ(自分の打撃力を上げるというのも込み込みで)、初球からクルクル空振りしてカウントを悪くした挙句、三振や凡打を繰り返す京田に打撃を期待するのは酷で、守備さえきちんとやってくれればそれだけで十分という考え方もあったと思う。立浪監督もそうだったのだろう。
でも、監督はとうとう彼をファームに落とす決断を下した。失点につながるエラーを犯した上に、それが決勝点になってしまったのだから、しょうがないことだ。
この一件のはるか前から、京田の打撃はSNS上でのバッシングの対象になっていた。「ファームに落とされるのは当然だ」、「これでスッキリした」とまで書かれている。まあそれはそうなんだろうけれど、開幕以降ここまで続いてきた京田バッシングを見ていて、立浪監督の京田起用は本当に京田本人のためになっているのだろうかとずっと疑問だった。かえって京田を精神的に追い詰めているのではないかと。
打撃の方で結果がなかなか出ない。SNSでは叩かれる。自分なりに一度調整する時間が欲しい、だけど監督は試合で起用し続ける。出場しても打撃成績は良化の兆しが見えない。何が何だかわからなくなる。で、それが守備にも悪影響を及ぼす。でますますSNSで叩かれる―――そんな悪循環に陥っていたのではないかと。
世の中、これだけメンタルやられる話がよく聞かれるようになる中で、プロ野球選手だけが気丈夫でいられる保証などない。ただでもメディアには毎日露出して出場成績が見える化されているわけだから、成績不振だとすぐにSNSで叩かれる。それならSNSなんて見なければいいじゃないかと言われるかもしれないが、それでも成績不振は気にならない筈はない。チームメイトだってSNS見てるかもしれない。チームメイトが自分をどう見ているかまで考え始めたら、本当にやっていられない。
プロ野球選手のメンタルについて考えさせられるきっかけとなったのは、西武ライオンズの某主力投手の一件からだった。でも、身近なドラゴンズのケースで言えば、昨年は投手コーチの失踪事件とか(これメンタルの話じゃないかもですが)、福投手への誹謗中傷とか、自分自身が当事者だったら相当メンタルきついだろうなと思うような出来事が起きていた。
京田選手についてはいろいろ言われるが、振り返ってみた時、彼が2017年シーズンに新人王を獲得した翌年、誰がどう見ても高校スーパースターだった根尾君をドラフト1位指名したこととの関連について言及したくなる。練習の虫、努力の天才、大阪桐蔭を全国優勝に導いたリーダーシップ。誰もが根尾君の入団によってドラゴンズが変わると期待した。でも、遊撃でポジションがかぶる新人王・京田の処遇はどうなるのだろうか。
根尾君への期待の裏返しで、根尾君がプロで経験を重ねるにつれて、京田をヒール扱いするファンも増えていったと思う。根尾君獲得当時の補強ポイントを考えた時、果たしてそれが遊撃手だったのかなというのは正直疑問もある。地元出身選手だから、獲りにいかないといけないという状況もあったのだろう。そう考えると、今の京田の状況を生みだしたのは、ひょっとしたら僕自身も含めて当時ファンが生み出していた「空気」だったのではないかという気がしてしまう。
そうした反省も踏まえると、与田さんも立浪さんも、あれだけ彼を起用してきた背景には、京田に早くFA権を取らせてあげようとの親心もあったのかもしれないと、今にしてみれば思う。本人もあまりドラゴンズへの執着はないみたいだし、根尾君が遊撃で戦力になる状況が来れば、レギュラー交代の時期は必ずやってくる。それもファンが作り出す「空気」なんだけど。
だから、今みたいに根尾君との対比でヒール扱いされてバッシングの対象となっている京田を見ていると、そういうくびきから解放されたら、もっとのびのびと、いい守備と打撃を披露してくれるかもしれないと期待してしまうのである。
しかし、今みたいにファームに落とされてしまっては、FA権取得も遠のいてしまうし、そのまま埋もれては、FAにしてもトレードにしても、他球団が関心もってくれない。
だから、頑張って欲しい。今の状況から這い上がって欲しい。成績的に今回のファーム落ちはやむを得ないが、環境を変えらられればきっと活躍できる選手なので、環境を変えるための権利は最低限でも自分で奪い取りにいって欲しい。どこの球団に移籍しても、僕はドラゴンズ出身の選手は応援したい。
ファンというのは現金なもので、負けが混めばひいきのチームをボロクソ言って、球場に足を運ぶこともしなくなるが、その後に成績がV字回復しようものなら、過去の暗黒時代のことも忘れて、現政権賛辞を繰り返す。球場の客足も当然改善する。ファンというのはそういうものだろう。
今期、与田監督から立浪監督に交代したドラゴンズは、若い選手も混じってそこそこ打つ。元々投手陣は12球団随一といってもいい陣容を誇るので、打撃陣が去年のような低空飛行を繰り返さなければ、そこそこやるだろうと思っていた。立浪監督も、インタビューとかを聴く限りでは選手やコーチとのコミュニケーションは相当取られているようだ。そういう話をほとんどインタビューでしなかった与田さんの時とは大きく違うなと思う。
そんな立浪監督が、開幕以来我慢して先発起用を続けていたのが四番ビシエドと八番京田だった。ついでに言えば、代打福留というのもあるが。
で、今週、その京田が遠征先の横浜での試合途中で交代を告げられ、そのままファームに落とされるという、ある意味大きな「事件」があった。
京田の遊撃守備はゴールデングラブ級で、投手は何度もピンチを彼の好守で救われてきた。ピッチャーズパークであるバンテリンドームを本拠地にして、投手中心に守り勝つ野球をしてきたドラゴンズで、投手目線で見た時には、彼の守備はやはりありがたい。打撃に関する期待は他の選手に譲るにせよ(自分の打撃力を上げるというのも込み込みで)、初球からクルクル空振りしてカウントを悪くした挙句、三振や凡打を繰り返す京田に打撃を期待するのは酷で、守備さえきちんとやってくれればそれだけで十分という考え方もあったと思う。立浪監督もそうだったのだろう。
でも、監督はとうとう彼をファームに落とす決断を下した。失点につながるエラーを犯した上に、それが決勝点になってしまったのだから、しょうがないことだ。
この一件のはるか前から、京田の打撃はSNS上でのバッシングの対象になっていた。「ファームに落とされるのは当然だ」、「これでスッキリした」とまで書かれている。まあそれはそうなんだろうけれど、開幕以降ここまで続いてきた京田バッシングを見ていて、立浪監督の京田起用は本当に京田本人のためになっているのだろうかとずっと疑問だった。かえって京田を精神的に追い詰めているのではないかと。
打撃の方で結果がなかなか出ない。SNSでは叩かれる。自分なりに一度調整する時間が欲しい、だけど監督は試合で起用し続ける。出場しても打撃成績は良化の兆しが見えない。何が何だかわからなくなる。で、それが守備にも悪影響を及ぼす。でますますSNSで叩かれる―――そんな悪循環に陥っていたのではないかと。
世の中、これだけメンタルやられる話がよく聞かれるようになる中で、プロ野球選手だけが気丈夫でいられる保証などない。ただでもメディアには毎日露出して出場成績が見える化されているわけだから、成績不振だとすぐにSNSで叩かれる。それならSNSなんて見なければいいじゃないかと言われるかもしれないが、それでも成績不振は気にならない筈はない。チームメイトだってSNS見てるかもしれない。チームメイトが自分をどう見ているかまで考え始めたら、本当にやっていられない。
プロ野球選手のメンタルについて考えさせられるきっかけとなったのは、西武ライオンズの某主力投手の一件からだった。でも、身近なドラゴンズのケースで言えば、昨年は投手コーチの失踪事件とか(これメンタルの話じゃないかもですが)、福投手への誹謗中傷とか、自分自身が当事者だったら相当メンタルきついだろうなと思うような出来事が起きていた。
京田選手についてはいろいろ言われるが、振り返ってみた時、彼が2017年シーズンに新人王を獲得した翌年、誰がどう見ても高校スーパースターだった根尾君をドラフト1位指名したこととの関連について言及したくなる。練習の虫、努力の天才、大阪桐蔭を全国優勝に導いたリーダーシップ。誰もが根尾君の入団によってドラゴンズが変わると期待した。でも、遊撃でポジションがかぶる新人王・京田の処遇はどうなるのだろうか。
根尾君への期待の裏返しで、根尾君がプロで経験を重ねるにつれて、京田をヒール扱いするファンも増えていったと思う。根尾君獲得当時の補強ポイントを考えた時、果たしてそれが遊撃手だったのかなというのは正直疑問もある。地元出身選手だから、獲りにいかないといけないという状況もあったのだろう。そう考えると、今の京田の状況を生みだしたのは、ひょっとしたら僕自身も含めて当時ファンが生み出していた「空気」だったのではないかという気がしてしまう。
そうした反省も踏まえると、与田さんも立浪さんも、あれだけ彼を起用してきた背景には、京田に早くFA権を取らせてあげようとの親心もあったのかもしれないと、今にしてみれば思う。本人もあまりドラゴンズへの執着はないみたいだし、根尾君が遊撃で戦力になる状況が来れば、レギュラー交代の時期は必ずやってくる。それもファンが作り出す「空気」なんだけど。
だから、今みたいに根尾君との対比でヒール扱いされてバッシングの対象となっている京田を見ていると、そういうくびきから解放されたら、もっとのびのびと、いい守備と打撃を披露してくれるかもしれないと期待してしまうのである。
しかし、今みたいにファームに落とされてしまっては、FA権取得も遠のいてしまうし、そのまま埋もれては、FAにしてもトレードにしても、他球団が関心もってくれない。
だから、頑張って欲しい。今の状況から這い上がって欲しい。成績的に今回のファーム落ちはやむを得ないが、環境を変えらられればきっと活躍できる選手なので、環境を変えるための権利は最低限でも自分で奪い取りにいって欲しい。どこの球団に移籍しても、僕はドラゴンズ出身の選手は応援したい。
タグ:ドラゴンズ
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