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法を犯した子どもによるアート作品 [ブータン]

法を犯した若者たちによるアート作品展
Art exhibition from youth in conflict with the law
Yangyel Lhaden記者、Kuensel、2022年4月21日(木)
https://kuenselonline.com/art-exhibition-from-youth-in-conflict-with-the-law/
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【要約】
「壁の向こうの色(Ⅱ)」と題したアート作品展が昨日からティンプーのチャンラムコーナーのコワーキングスペース「WorkSpace」で開催されている。違法行為で青年開発リハビリセンター(YDRC)に入所中の若者が作品を描いた。違法行為でYDRCに入所中の子どもの支援と再統合に取り組む非営利組織「Nazhoen Lamtoen」が開いた1週間の芸術クラスの成果を展示したもの。19人の若者がクラスに参加し、86点の作品を制作した。

作品展の収益は、YDRCでの入所期間を終えた後の若者の再統合事業の実施に使われる。Nazhoen Lamtoenのティンレー・トブゲル事務局長によると、芸術にはヒーリングの効果があるという。子どもや若者は感情や思いを表現する能力を持っていなかった。YDRCのほとんどの子どもは機能不全に陥った家庭に属し、トラウマを抱えており、芸術がその感情表現を助ける可能性があるという。

芸術クラスは、VASTのボランティア2名によって実施された。うち、フリーランスアーティストのワンさんによると、アートセラピーのクラスでは、参加者は落書きかパターンを描くよう求められた。こうした芸術の形が参加者をよりクリエイティブにし、そのテーマ選択やカラー選択を元に、主催者側ではその子が明るい気分なのか暗い気分なのかを知ることができる。芸術作品を通じて、誰が診療対象となり得るのか、いつ参加者が忍耐力を失いはじめるのかが確認できるのだという。

作品展では、落書きやパターン描画が壁一面に展示されている。ひと目見れば、これらの芸術作品が異なるパターンを持った色彩の爆発であることがわかる。複雑な模様の作品もある。

より近くで見てみると、最年少のアーティストは13歳で、その作品は幸せそうな暖色系の色で覆われている。しかし、この子はこれらの色彩の中に本当の芸術的センスを隠し持っているのだという。人物の顔が完璧に隠され、その眼は涙で赤く染まっている。(中略)

Nazhoen Lamtoenの関係者によると、この作品展は多くの点でユニークなものだという。作品制作したアーティストはプロではない。でも、子どもたちは1週間のクラスを受講した後、その想像力を驚くべきアート作品にまで具体化させることができた。

Loden Foundationのツェワン・タシ事務局長によると、彼女はこれらの作品から、作者が何を伝えたかったのかを理解しようと努めたという。「その作者がこの場にいないのが残念でなりません。」彼女は、これらの子どもたちが、どのような事情でYDRCに入所するようになったのかを知りたかったと述べた。

Youth Development Fundのソナム・チョキ販売担当官によると、1週間の芸術クラスで子どもたちが美しい芸術作品を描けるようになったのには驚いたという。「こうした素晴らしい作品から何を読み取れるのかを考えるのは楽しい経験でした。」

作品展は4月27日まで開かれる予定。

今頃気付いたのだが、4月21日は国連が定めた「世界創造と革新の日(World Creativity and Innovation Day)」だったらしい。1年365日、ほぼ毎日国連の「世界なんちゃらデー」というのがあって、ブータン政府はその多くで何らかの式典を行っているが、どこの役所の所管にも落としにくいようなテーマになると、さすがにそれはないかな。4月21日はそんな日だったかもしれない。

でも、くしくもこの作品展は、その前日から始まっていたわけだ。

くしくも、今週の初め、僕はこのNazhoen Lamtoenのオフィスを訪ねて、ティンレー事務局長と面談した。日本の大学生の訪問受入についての相談がメインのテーマだったのだが、訪問に際しての事前の情報収集で、Nazhoen Lamtoenがこの作品展を4月20日から開催するというのは承知していた。首都にオフィスがない僕にとっては、WorkSpaceというコワーキングスペースにも興味があったし、いつか時間を見つけて、作品展は見に行くと事務局長には約束した。で、22日になんとか約束を果たせた。

一方的に援助を求められるのはいつでもどう応答するかで悩むのだが、こうしてお金を払って対価が得られるような作品購入ならいいかと思い、気に入った作品を2点購入させてもらった(クエンセルの記事に挿入されている写真の中の作品の1つは、僕が手に入れましたので)。僕は来週にはプンツォリンに引っ越すが、7月にオープンする「ファブラボCST」の壁に飾っておきたいと思っている。

僕が購入したのは5,000ニュルタムと2,000ニュルタム。キャンバスの大きさや、作品の洗練度によって、異なる価格が設定されているようだった。オープニングから3日が経過していたが、結構な数の作品に「売約済」のタグが貼ってあった。

ティンレー事務局長との協議では、こうしたYDRCに入所中の若者たちを対象とした3Dデザインのワークショップを開こうという話もあった。僕は近々CSTに引っ越してしまうが、毎四半期の初めには派遣元に報告書を提出する義務があるため、ティンプーには上がって来る。そういう時を狙って2~3日のワークショップをやろうというもの。最も、その前に、YDRCのような施設はプンツォリンにもあるらしいので、そちらで試行してみることにしている。

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WorkSpaceはいいロケーションにあると思う。今は絵画の展示が中心だが、そのうちに3Dプリントやレーザー加工も組み合わせた工作作品も併せて展示できるような形でバージョンアップしていけたら面白いだろう。現在の「アート」と言われているものと、僕の仕事も接点領域がありそうだ。そういう可能性を感じたこの1週間だった。

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