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研修生に行う現金給付 [ブータン]

政府、技術訓練生向け給付金を改定
Govt. revises stipend for technical trainees
Dechen Dolkar 記者、Kuensel、2022年4月14日(木)
https://kuenselonline.com/govt-revises-stipend-for-technical-trainees/
【要約】
政府は職業訓練校(TTI)とゾリグチュスム研修所(IZC)の生徒に支給する給付金を、今年1月、1ヶ月1,500ニュルタムから同3,500ニュルタムに引き上げた。ビルド・ブータン・プロジェクト(BBP)及び技能開発プログラム(SDP)からの801万7000ニュルタムの再流用が閣議で認められたことに伴う措置。

労働人材省は、TTIやIZCでの技術訓練には多くの施設実習努力が求められるため、この改定を要求した。技術教育局の関係者によると、研修プログラムは中等学校や大学での教育と違い、多くの実習が求められる。「TTIとIZCは、2005年に改定された現行の給付金ではバランスの取れた食事や最低限のカロリー摂取に至らない」と述べる。

この関係者はまた、OJTや産業界との連携は技術教育・職業訓練(TVET)においては重要なコンポーネントと位置付けられているが、訓練生にその実習場所において何ヶ月も過ごすことが求められる。OJTでは、訓練生一人一人が食事と宿泊をやり繰りするのにこの給付金を利用している。給付額の改定は、優秀な生徒をTVETプログラム受講に向かわせるための1つの手段となると期待される。

政府はまた、同省に対し、既存プロジェクトやプログラムからの予算流用で給付額改定をまかなうよう指示した。正規訓練生の大半が建設関連訓練を受けていることから、同省は2022年6月まではBBPからの予算流用で給付額改定をまかなうことを決めた。

一方、同省は、職業訓練校の生徒がインターンに行けるよう、コース期間を延長する可能性を探るよう指示を受けた。OJTのような形でのインターンは、訓練カリキュラム全体の一部と位置付けられてきた。すべての訓練生が、卒業前に、関連産業において3ヶ月のOJTを受けることが義務とされている。同省関係者によると、BBPでは、OJT受入期間が6カ月に増やされたとのこと。

また、訓練生にとっても、受入産業界側にとっても効果のあるOJTとなるようさらなる改善を図るため、技術教育局ではOJTガイドラインの見直しを行っているところである。

2022年3月現在、6つの職業訓練校と2つのゾリグチュスム校で、合計1,396人の訓練生が各種技能訓練を受講中である。

少し前に、チュメ職業訓練校が3Dプリントの2カ月研修の受講生募集をかけている話をブログで取り上げたことがある(「2カ月間、3Dプリントを習ったなら」)。その時に、寄宿サービス付きの集合研修になんで現金給付までなされるのかがよくわからないとの疑問を投げかけさせていただいた。

例えば、元々これらの職業訓練校に在籍する正規の訓練生が、学校から外に出てどこかの企業や工場、作業所等でOJTを行う場合、そこでの滞在費は受入先が負担してくれるわけではないので、何らかの補助金が必要だという理屈はなんとなくわかる。そして、改訂前の「1ヶ月1,500ニュルタム」というのも、相当安いなという印象である。

でも、職業訓練校内にとどまってそこで訓練を受ける場合は、実習にかかる費用はそれぞれの職業訓練校が負担すればいいし、非正規の訓練プログラムを実施する際に寄宿舎に訓練生を宿泊させる場合も、職業訓練校が直接支弁すればよい話である。それでも3,500ニュルタムの現金給付が付くということは、非正規の訓練プログラムの場合は、構内の寄宿舎には泊まれないということなのだろうか。

もし学校周辺の民家を間借りするというのであれば、現金給付はわからないでもない。それでも、寄宿代なら学校がその周辺の訓練生受入民家に対して給付する手もある筈である。それを訓練生向け現金給付という形で処理するのには、何か別の事情があるのかも。例えば、訓練に応募してもらうためのインセンティブととらえているとか。

職業訓練とは別の文脈だが、公務員や市民団体のスタッフを研修で集める時には主催者が参加者に対して研修手当を支給するのがブータンでは慣例となっているが、これは、忙しい人に研修にお越しいただくための機会費用の負担だと捉えられる。研修に来てもらうのに受講者に現金給付をする仕組みというのは、外国人にとっては非常に奇異に映る。受講者が本当に自分にとって価値があると思える研修なら、金を払ってでも受けたいというのが当然だと僕らは思う。職業訓練なんてまさにその典型例だ。訓練生の自己負担をなるべく軽減する措置ならわからぬでもないが、なんで現金給付をチラつかせるのか。

それと、チュメの1カ月3,500ニュルタムと、ティンプーの1カ月3,500ニュルタムとでは、価値が全然違うというのも気になるポイントだ。

いずれにしても、この国の研修生に対する現金給付の理屈が多少理解できる記事だったので、本日は取り上げることにした。納得できる部分も、できない部分もあるが、取りあえずこの記事を読んで思うことを述べさせていただいた。

タグ:TVET 職業訓練
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