幹部公務員の評価結果(その後) [ブータン]
王立人事院、幹部公務員47人に退職勧奨
RCSC manages out 47 executives in the recent leadership assessment
BBS、2022年3月24日(木)、
http://www.bbs.bt/news/?p=167044
王立人事院(RCSC)は最近まで実施されていたリーダーシップ評価で期待値に達していなかった高級幹部公務員47人の退職勧奨手続きに入った。その内訳は、事務次官級7人、局長級(Director General)22人、部長級(Directer)18人。RCSCによると、「manage out」とは、下級職への降格、ないしは離職・退職の選択肢を与えることだという。
RCSCのプレスリリースによると、このうち44人は特別退職のオファーを受けた模様。一方、2人は下級ポジションへの異動を選び、1人は特別職への異動のオファーを受けた。
RCSCは1月に次官級・局長級幹部職員62人の評価プロセスを完了した。部長級59人については2月に完了。評価は官民両部門から選ばれたブータン人及び外国人からなる評価パネルのメンバーによって実施された。この取組みは、経済的繁栄、発展、すべての人びとへの福祉の提供に向け、公務員制度を変革していく努力を加速するものだとRCSCは述べる。そのために、政府機関の統合や、ポジションの無駄の排除、整理を進めていくという。
3月19日付け記事「幹部公務員の評価結果」の続報である。今週に入って、このRCSCの評価対象になっていた高級幹部職員はRCSCに呼び出されて連日ミーティングを行っていると聞く。
前回も書いた通りで、RCSCは否定していたが、対象となる人々のリストはソーシャルメディアで出回っている。僕もなぜかそのリストを見ているが、退職勧奨の対象者の人数は47人となっていたので、結局のところ、RCSCがいくら否定しようが、あるいは沈黙しようが、あのリストはそれなりの信ぴょう性があったのだなと思わざるを得ない。
これまでに3回、この公務員評価については取り上げてきたけれども、今まで述べていなかったことについて少しだけ触れたい。
先ず、この評価委員会に、外国人を入れているという点である。断っておくが、僕ではありませんので。評価委員会のメンバーは明らかにされていないので、誰だかはわからないが、それなりに各政府機関とお付き合いがあって、フラットに評価ができる立場の外国人といったらそれほど多くない。だいたい想像がついてしまうのだが、そんな状況では恨みも買うかもしれないので、そういう評価者は、すでにブータンを離れているか、間もなく離れるような人なんだろうと想像する。
もう1つ、評価者の評価って誰がするんだろうかという点についても触れておきたい。退職勧奨の対象となってしまった幹部公務員の肩を持つわけではないが、一方的にやられた感は僕にはどうしても否めないし、これは他人事でもない。僕たちも派遣元機関から評価を受ける立場にあるが、自分がその立場に置かれてみて、この構造の不公平感をしみじみ感じている。派遣元に対して言いたいことがあっても、声を上げれば評価者に減点される。評価者に対して言いたいことがあっても、後々のことを考えたら我慢しようということになる。派遣元機関も、そういうのに守られていて長い間事業を続けてこれたのだろう。
最後に、こうして退職勧奨を呑んだ方が大勢いらっしゃるとしたら、ある意味コンサルタントとしてリクルートするにはチャンスかも。あるいは、共同で会社設立とかするのにもチャンスかも。また、来年度国政選挙で捲土重来を狙っている野党とか、新政党とかも、人材囲い込みのチャンスかもしれない。今回の退職勧奨の対象となった幹部公務員の多くは、前の政権の頃から要職にあった方も多いみたいだし。
これから少ししたら政治の季節になって来る。復活の芽はあるかもしれない。
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