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プンツォリンを取り残すな [ブータン]

プンツォリンの研修機関が労働省に異議申し立て
Two training institutes in Phuentsholing plead to labour ministry
Rajesh Rai 記者(プンツォリン)、Kuensel、2022年3月21日(月)、
https://kuenselonline.com/two-training-institutes-in-phuentsholing-plead-to-labour-ministry/
【抄訳】
プンツォリンにある2つの職業訓練機関のオーナーは、労働人材省(MoLHR)が、同省の実施した公開入札において両機関が落札した訓練プログラムの実施を、拒否したと述べている。両機関は、職業訓練機関はパンデミックによって等しく打撃を受けた民間企業であり、事業の持続可能性はこのMoLHRの措置により危機にさらされていると主張している。

Druk Institute of Management and Technology(DIMT)を経営するドルジ・デマ氏は、家賃やスタッフの給与など、支払うべき債務があると述べる。「研修には2つのバッチがありました。最初のバッチは完了しましたが、第二バッチは実施できませんでした」と述べる。しかし、MoLHRはゲレフとティンプーの研修機関では第二バッチ研修プログラム実施を委託したという。

この経営者は、問題は現時点で利益を上げることではなく、業務を存続させることにあると主張。「研修生はプンツォリンには興味がないかもしれませんが、グリーンゾーンでなら我々でも研修を実施できるのかと(MoLHRに)尋ねました」とドルジ・デマは言う。

USD Institute for Professional Development(USDIPD)研修所の経営者は、第二バッチの実施が発注されなかったことについて、同省を訴えたと付け加える。「私たちの契約は2021年11月に終わりました。しかし、私たちはその前に労働省にレターを発出し、検討を求めました」と彼は述べた。同省職員が彼の職業訓練機関のパフォーマンスが良くなかったと電子メールで彼に知らせてきたという。彼からすれば同省はもっと早く回答すべきだったという。彼には月額約35,000ニュルタムの費用がかかる2つの研修施設がある。「私には6人のスタッフもいます。」

MoLHRの対応
労働省によると、問題となっているのは「ICTとオンラインフリーランシングに関するプログラム」で、ICT活用を通じてスキルとオンラインフリーランスの手段を活用できるようにすることを目的として開始された。入札は登録された民間の職業訓練実施機関に対して公示の上で行われ、合計5つの職業訓練機関がその業務実施を委託された。合計200人の求職者が研修を受けることを目標としていた(2つのバッチの職業訓練機関にそれぞれ40人)。契約は2020年7月31日に5つの職業訓練実施機関との間で締結された。

ただし、契約によれば、最初のバッチでプログラムの目的が達成されなかった場合、コンサルタントは第二バッチの研修を履行できない場合があるとのこと。MoLHRの研修開発部門(TDD)のプログラムオフィサーであるラトゥ氏によると、この条項に従い、同省は、この両職業訓練機関について、ICT関連の仕事およびオンラインフリーランスの分野での修了生の雇用に関する、研修実施後の効果を評価した。「しかし、修了生の研修後の活動や雇用の詳細を見ると、修了生がICTやオンラインフリーランスに関係のない仕事で働いており、多くが失業していることがわかった」という。「従って、彼らの実施した研修は、さまざまなグローバルプラットフォームで利用可能なオンラインの機会を通じて生計と収入の創出を促進するという目的を達成していませんでした。」

プンツォリンは危険度の高い地域にあるため、プンツォリンでの研修は頻繁な封鎖によって妨げられ、研修プログラムの終了が遅れたとラトゥ氏は言う。「このため、本省の担当者としては、プンツォリンの両職業訓練機関で第二バッチの研修を実施しないと決定しました。」

首尾よくプンツォリンに行けたら、市内にある職業訓練機関とはどんな様子なのか、どんな施設や人員で研修を行っているのか、時間を見て見学してきたいと思う。そもそも「ICTとオンラインフリーランシング」ってどんな研修なのか内容には興味があるが、ちゃんとした実施能力がある職業訓練機関なら、僕たちが何か一緒にできることがあるかもしれない。

相手の文脈で物事を見ないといけないと肝に銘じつつも、この記事の字面だけ見たら、印象としては労働省の方に分があるような気がする。業務委託の内容の詳細までは不明だが、対面でやることが前提とされていた研修をなんとかオンラインにしたからといって、所定の成果はなかなか得られないかもしれない。

ただ、契約期間が2021年7月31日から11月30日までの4カ月間だったことを考えると、そもそもプンツォリンの職業訓練機関にとっては最初から不利な条件での契約だった可能性もある。契約の中に解除の条項があるのだから第二バッチの発注をしない可能性があってもそれが当然だと発注者側が主張するのは簡単だ。しかし、リスクが高い契約をビジネスライクに片付けちゃうのもどうなのかなと、心情的に割り切れないところもある。杓子定規にやっていたら、プンツォリンの息の根を止めてしまうことになるぞと…。

労働省も、プンツォリンだったらどんなやり方があるのか、知恵を絞ったらどうかと言いたいものだ。全国一律で同じ研修のデリバリーの仕方をしていたら、明らかにプンツォリンはこの期間は不利で、不利なだけに応募者も集まらないし、職業訓練機関も効果的な研修が組み立てられない。ただでも人口流出が続いていると言われるプンツォリンから、さらに若い人々がいなくなっていくのを助長しかねない。

今日の記事は備忘録、頭の体操としてキープしておくことにした。
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