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確かにデジタル化は進んだが [ブータン]

パンデミックがこの国のデータ管理システムの開発を促進
Pandemic helps the country develop robust data management system
Sonam Tenzin記者、BBS、2022年3月4日(金)、
http://www.bbs.bt/news/?p=166369
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【抄訳】
信頼性が高く、正確で、タイムリーなデータはグッドガバナンスのためのいかなるシステムでも、またどんな開発事業を計画するにあたっても必要不可欠だ。これがないと、望む結果を実現するのは不可能である。この国の全体的な資源に対して与えるインパクトが大きいため、新型コロナウィルス感染拡大もまた政府や公務員に正確なデータを集め、管理し、共有する機会を与えている。

パンデミックが我が国を襲ってから数週間後、保健省は他の政府機関とともにいくつかのオンラインシステムを開発した。その中にはDruk Traceやチェックポイント管理システム(CPMS)といったアプリも含まれ、これらは感染拡大中に人々がどこをどう移動したのかを追跡するのに一役買った。保健省はさらにダッシュボードを開発し、この国のコロナ症例に関するリアルタイムの情報を提供し始めた。

首相は、こうした進展は政府機関にデータ収集と管理、最新情報を共有することを可能にし、市中でのウィルスのまん延と闘うことを可能にしたと述べた。「例えば、ティンプーで陽性者が出て、過去3日遡って陽性者の行動を追跡する際に、乗った車や一緒に移動した人々を把握することが可能である。警察は、10分以内に私たちに報告を上げることができる。」くわえて、首相は、このパンデミックが外務省に外国に住むブータン人の正確なデータを集めることも可能にしたと述べる。

さらに、首相は、政府の「デジタル・ドルックユル」フラッグシッププログラムでは、公共サービスにおけるデータ主導文化の推進も目指していると述べた。

このフラッグシッププログラムの一環として、保健省は電子カルテ(ePIS)システムを開発中である。このプロジェクトはティンプー・テックパークで開発中で、いったん実装されれば、すべてのブータン人の医療記録がデジタルデータとして維持されるのだと言う。「例えば、糖尿病患者一人一人の生涯治療費の情報をすぐに算出してくれる。現状、私たちの医療費見込み額は、前回負担医療費に10 % を上乗せして算出されている」と首相。

パンデミックは我が国により長期的に毎日使用するデータ収集のシステムや方法の確立を助けてくれている。.

なんだろうね、この報じ方。なんか、提灯記事っぽい。

ちなみに、今ものすごい批判を浴びている保健省のダッシュボードの改訂を見てみよう。

これが改訂前の3月1日の保健省Facebookの記事。


そして、これが改定後の3月4日の記事。


批判されているポイントは、ダッシュボードの改訂そのものよりも、ダッシュボードの欄外にあった解説が無くなったことである。県別の感染者数はダッシュボードに取り込んだので、添え書きが不要になったということなのかもしれないが、ティンプーの場合、どこのゾーンで新規感染者が出たのかとか、内訳はコミュニティ感染なのか、濃厚接触なのかがまったくわからない。意図的にその記載をやめたのではないかと勘繰りたくなる。

さらにミスリーディングだと言われているのは、市中で広まっているコロナウィルスをすべて「オミクロン株」と断言してしまっていること。批判されているというより、揶揄されている。誰がどう断定したのかが明言されていないからだ。

そもそも、ロックダウン中にPCR検査などのためにどうしても外出せねばならない場合のE-Movement Passだって、電子申請してから2日以上放っておかれ、仕方なく電話で状況照会したら、最初は「そんな申請は受けていない」と言われ、再度念を押したら「2時間前に申請受け付けた」と言われるシーンを、僕は目の前で見ている。システムは作ったけれども機能が正常に動くことは必ずしも保証されていない。

アジャイルに開発したシステムなんだから、不具合をどんどん是正してアップデートを頻繁に行っていくというのが求められる形なのだが、そうなっているのかいないのか、よくわからない。ダッシュボードが見にくくなったとは思わないが、知りたい情報が欠けているという指摘については、政府も真摯に受け止めて早急に改善して欲しいものである。

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