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ロックダウン中でもできること [ブータン]

3月2日(水)午前9時から行われた首相の国民向け演説に関しては、いろいろ報道も出ているので、1つぐらいここにリンクを貼ってお茶を濁すことにする。
https://kuenselonline.com/fate-of-lockdowns-in-your-hands-now-pm/

「4月中旬で子ども向けワクチン接種が終わればロックダウンという手法はもう取らない」と宣言されたのはいいと思うが、そんな先のことよりも僕らが気にしているのは、目先の1週間のことだ。今のロックダウンがいつまで行われるのかという目安の提示が欲しかった。それがなかったので、僕を含め、周りの人々も、首相演説の内容には落胆の色が隠せなかった。たぶん、学校修了認定試験(Board Exam)が終わる3月12日(土)までは解除されないだろう。それくらい言外から読み取れということなのだろうか。

ついでに言うと、この首相演説に合わせ、保健省はCOVID-19ダッシュボードを改定した。この新ダッシュボードも不評で、県別の新規感染者数はわかるが、市中感染者(コミュニティ感染)、濃厚接触者(コンタクト感染)等の内訳や、ティンプーの場合の住区別内訳が公表されなくなった。そのあたりは知りたい情報だったのだが、感染者を出した建物が投石される騒ぎもあったみたいなので、住区を詳らかにするのは危険だとの判断もあったのかもしれない。いずれにしても、わかりにくくなった。

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そんなわけで、いつ終わるかも目途が立たないロックダウンの中で、日本の会計年度の最終月を迎えているわけである。こんなにロックダウンが続いて、はっきり言ってこの四半期に計画していた活動はほとんどが中止に追い込まれ、調達しようと思っていた資機材も購入の目途が立たない。手をこまねいていても事態が打開されるわけでもないので、僕らも必死で知恵を絞っている。

それで、考えを捻り出したのが、オンラインで行う小中高校生向け3Dモデリング研修であった。


これは、3Dモデリングプログラム「Tinkercad」をZoomで教えるというもので、受講した子には、デザインが出来上がった後、ティンプーのファブラボ・マンダラか、僕のいるファブラボCST設立準備室(王立ブータン大学本部)、または6月以降にプンツォリンのCSTにできるファブラボにデータを持って来てもらえば、3Dプリントを無料で行うというサービスを付けている。

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小中高生は、Board Examを受験している10年生と12年生を除き、今はオンラインで授業を受ける毎日。2日にパロに到着したファイザー製ワクチンを使った子ども向け接種が2回終了し、かつ1週間の経過観察が終わる見込みの4月中旬以降でないと学校への通学ができないらしい。

インストラクターはファブラボ・マンダラのスタッフ。彼女もロックダウンでファブラボにも行けていない。Tinkercadなら僕でも教えようと思ったら教えられるが、子ども向けの対面指導は彼女の方が経験があるため、今回は任せることにした。僕は研修運営とZoomアカウントの提供に徹している。

首相演説と同じタイミングで募集開始し、今のところ50名以上の応募をいただいている。受講の前提がPCないしラップトップがあって、ネットに接続できる環境があることなので、応募者がティンプーに集中しているのは仕方ない。でも、コロナ禍でとても行けないゲレフ・サルパンやサムチ、ハからも受講者があると、ちょっと勇気付けられる。ゲレフのユースセンターには3Dプリンタ(UP mini)が入っているし、年内にはジグミリンの電力開発研修所(JWPTI)にもファブラボができる。まだまだこれからプンツォリンやプナカの子どもたちの応募を推奨していきたい。CSTとロベサのCNRにはファブラボができるし、クルタンのユースセンターにはユニセフが援助した3Dプリンタが鎮座している。

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年度末の予算執行の関係上、実施は3月12日(土)と19日(土)の2回に限定している。実施してみて感覚がつかめたら、来年度も時々やってみようかと思っている。「大学生は受講できないのか」との問い合わせも受けているが、Tinkercadは大学生には簡単すぎるので、Fusion 360についてやってみてもいいかも。いずれも、僕自身はZoom経由で少人数に対してなら教えた経験はあるので。

ただ、自宅にPCやラップトップがある世帯は地方には少ないことも承知している。そう思われた方は多いだろう。僕たちもそこは気になったところで、この研修はFacebookでライブ中継を行う計画だ

もしこのブログの読者の方で、ブータン人の知り合いがいて、小中高生のお子さんがいらっしゃる場合は、この情報拡散していただけたら幸いです。多くの子どもが3Dモデリングを知ってくれて、将来国内各地のファブラボやユースセンターで3Dプリンターを利用してくれるようになったら嬉しい。

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