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そんなにその研修が素晴らしいのなら… [ブータン]

障害者を労働市場の主流に
PwDs in the mainstream market
Yangyel Lhaden記者、Kuensel、2022年1月15日(土)、
https://kuenselonline.com/pwds-in-the-mainstream-market/
PwDs.jpg
【抄訳】
障害者に起業家精神と職業技能を身に付けてもらうために、その研修実施者が起業家精神開発技能クン訓練を受けた。障害者団体のための起業家精神開発に関する初めてのトレーナー研修(ToT)が先週終了した。ダクツォ、ムンセリン盲学校、ブータン脳卒中財団、特別教育ニーズ校、プンサム(障害者を持つ親の会)で障害者と働く17人が研修に参加した。研修は、労働人材省の雇用・起業促進部がダクツォ職業訓練センターと協働して開催し、資金は、オーストラリアボランティア、豪州政府、ブータン財団、労働人材省が拠出した。

雇用・起業促進部のプロジェクト責任者であるジグミ・ティンレー氏によると、2017年のブータン国勢調査によると、国内の人口の2%――15,567人が障害を持って生活しているという。「こうした取り組みは、周辺部に置き去りにされがちな人々を労働市場の主流と捉えることを可能にするでしょう。」 同氏によると、GNHや憲法、および2019年の全国障害者政策の精神に基づき、障害者にとって労働市場が包摂的になるよう取り組むことは労働人材省の使命だと述べた。2019年全国障害者政策の第9節の第1項「雇用」や第2項「ビジネスチャンスに向けた支援と環境整備」において、労働人材省は包摂的な雇用を促進することが義務付けられている。

研修では、受講者は、企業形成の方法論(CEFE)を通じて、各々の強みを生かした経済活動の実施を促進するよう指導が行われた。ジグミ・ティンレー氏によると、CEFEは包括的な訓練手段のセットを用いて、経験に基づく学習方法を使用し、主に収入や雇用の創出および経済発展の文脈で、経営と個人の能力開発を促進するという。 「彼らはまた、ビジネスにおけるリスクマネジメントも学びます。」この方法論では、ファシリテーターが参加者にスプーンで食べさせるような教授法ではなく、シミュレーション演習、ロールプレイ、フィールドスタディ、および経験共有に積極的に取り組むのだという。 「講義は少なめで、より経験的で行動指向の演習になっています。」

ダクツォ・イーストのカルマ・ガラブ・ドルジ校長と教員であるティンレー・ワンモさんによると、2人は、研修の一環として、カンルンでの仕立屋事業を計画立案した。カルマ校長は、こうした仕立ての技能がダクツォ・イーストから障害者に提供され、研修から得られた起業家精神によって、生徒のためにカンルンに仕立屋を開業できる市場の可能性を探れることを楽しみにしていると述べた。
*後半に続く。

ブータン脳卒中財団のダワ・ツェリン事務局長は、この研修が従来のものとは非常に異なり、有用であり、障害者と知識を共有できるのを楽しみにしていとと述べた。 「複雑な研修でしたが、それを私たちが理解できるほど簡単にしてくれたファシリテーターに感謝しています。」

ダクツォは、障害を持つ人々のために活動する組織のを対象とした包括的な起業家精神養成カリキュラムを開発し、起業家精神という科目をダクツォのカリキュラムに統合する予定だという。

雇用・人材育成局のクンザン・ハム局長は、職業訓練(TVET)の改革には、TVETを障害者にとっても包摂的なものにすることも含まれていると述べる。 「私たちはTVETを包摂的なものにする計画の初期段階にあります。」彼女によると、TVETを包摂的なものにするために、TVET機関の施設整備や障害者向けカリキュラムの開発がこれから進められるとの見方を示した。

本来ならば、1月16日(日)に現地からお届けしたいのは24時間の「ブラックアウト」(ロックダウンのことです)が適用されて、街中を歩いている人をまったく見かけない、今日のティンプーの様子なわけですが、それは下記の写真でご覧いただくとして、今日はまた障害者の話題にしたいと思います。

Thimphu.jpg

こちらの障害者団体って、毎週のように研修に人を出しているという印象がある。1つの研修が終わったら、その研修で学んだことをじっくりと実践してみて、それで自分の中で消化するというプロセスが必要なのではないかと思うのだが、今週はこの研修で、翌週は別の研修と展開されるため、1つ1つの研修の実効性が損なわれてしまうのではないかと気になる。

また、どこの障害者団体だってそんなに規模は大きくないため、研修の主催者が異なっても、受講対象者は同じだということが起こりやすい。集合写真の顔ぶれや、記事の内容から見ても、出てきているのはそこの組織の代表者がかなりいる。時間のやり繰りはきっと大変だろう。

研修の主催者は研修やって実績作って満足なんだろうが、受講する側はきっとやり繰りが大変なのだろう。以前、何かの集合写真で、不満げなお気持ちがもろ表情に出ていた女性企業家も見かけたことがあるが、そういうケースはむしろ珍しい。集合写真や記事でのコメントなどに本音が見えることは少ないが、できたら本当のところどうなのと訊いてみたい気もする。やり繰り大変だけど、研修に出られれば出張旅費ももらえるし、研修手当も支給されるし、むしろウェルカムと思われているかもしれないが(笑)。

この研修の中身は記事を読んだだけでは僕にはイメージできない。でも、この研修がそれまでの研修と違ってすごく有用だというのなら、他の研修はやめたらいいのにとも思うわけです。で、有用なものに絞り込んで、そしてその後の効果のモニタリングも含めてしっかりフォローするというのが理想。研修に出るためにはるばるタシガンからやって来て、その間組織の方がお留守になっているというのも、あまりよろしくない姿であるような気がする。

以前も述べたことだけれど、僕には、なぜ障害者だけを切り出して能力強化を図ろうとするのかが理解できない。障害を持つ人と持たない人が当たり前のように一緒に働ける社会を創ろうというアプローチの方が、よっぽど包摂的で、しかも競争力のある起業家グループを作れて、かつそこで働く障害を持つ人にとっての尊厳も確立できるのではないだろうか。

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